大阪府の満足度調査、私立高3年の保護者8割「期待通り」

 大阪府は2022年3月31日、私立高校の授業料無償化制度の効果検証の一環として、私立高校3年生と新入生の保護者を対象にした満足度調査の結果を公表した。私立高3年生の保護者の8割は「期待通りの高校生活だった」と肯定した意見だった。

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在籍する私立高校を選択したときの決め手
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 大阪府は2022年3月31日、私立高校の授業料無償化制度の効果検証の一環として、私立高校3年生と新入生の保護者を対象にした満足度調査の結果を公表した。私立高3年生の保護者の8割は「期待通りの高校生活だった」と肯定した意見だった。

 大阪府は、子供たちが、中学校卒業時の進路選択段階で、自らの希望や能力に応じて自由に学校選択できる機会を保障することを目的に、私立高校の授業料無償化制度(私立高等学校等授業料支援補助金)を実施している。無償化制度の効果検証の一環として、私立高校3年生の保護者対象に高校生活に関する満足度調査を、新入生の保護者に高校選択に関する満足度調査を行っている。

 私立高校3年生の保護者を対象とした高校生活満足度調査は、今回で9回目。府内の全日制私立高校(93校)に入学した2021年度の高校3年生のうち、各校が選定したクラスに属する生徒の保護者を対象に2021年11月から2022年1月に実施。2月1日までに8,052人から回答を得た。私立高校を選択したときの決め手となった項目を上位2つ選択してもらったところ、「希望する学科やコースがある」が15.1%ともっとも多く、ついで「進学指導が充実している」が14.0%だった。決め手としてあげられた項目の全体でみれば、期待通りであったとする肯定的な意見は86.7%となった。

 3年間の高校生活を通じた学校の先生に対する評価については、「信頼できる先生であった」がもっとも肯定的な意見が多く85.3%、ついで「生徒の指導に熱心だった」が83.5%、「生徒をよく理解してくれた」が81.2%。また、無償化制度の対象者のうち、「無償化制度があったので、私立高校に修学することができた」と回答した割合は80.6%だった。世帯の年収で区分してみると年収590万円未満世帯では88.6%、年収800万円未満世帯では85.7%が、「無償化制度があったので、私立高校に修学することができた」と回答している。

 2021年度私立高校新入生の保護者を対象とした高校選択満足度調査では、府内の私立高校(93校)に入学した高校1年生のうち各校が選定したクラスに属する生徒の保護者を対象に実施。2月1日までに3,364人から回答を得た。

 私立高校を選んだ理由については、「決定的な理由になった」と「ある程度理由になった」をあわせた肯定的な意見としては、「施設設備が充実していること」70.3%がもっとも多く、ついで「進学指導に実績があること」70.2% 、「希望する学科やコースがあること」69.4%となった。

 入学した私立高校に対する満足度について聞いたところ、「満足」と「どちらかといえば満足」をあわせた肯定的な意見としては、「全体を通して」76.2%がもっとも多く、ついで「学習指導面に関して」73.8%、「施設・設備面に関して」70.4%と、ともに7割を超えている。また、70.9%の生徒が、在籍校が第一志望であったので、専願受験により入学したとしている。一方、公立高校を第一志望に選んだ理由は、「家庭の経済的負担が私立に通うより軽いこと」が79.5%ともっとも多かった。

 大阪府の「授業料支援補助金制度」を知っていた割合は95.4%。また、大阪府に在住している保護者のうち、「制度があったから、私立高校への進学を選択した」とする割合は、年収590万円未満世帯で78.1%となっている。その他、私立高校ならではの教育を受けるための一定の費用負担額(年額)としては、10万円(月1万円程度)が妥当と考える割合がもっとも多く、全体の24.2%となっている。

《田中志実》

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