学校の集会や体育の授業等で多くの人が経験する、床にお尻をつけて両膝を立て、足を腕で抱えるようにして座る「体育座り」。地域によっては「体操座り」「三角座り」と呼ぶこともあるおなじみの座り方だが、子供の身体に負荷がかかるという理由から、廃止する学校が出ているという。「体育座り」は、膝を抱え込むことによって内蔵を圧迫し、座骨の痛みや腰痛を引き起こすこともあると言われており、これまで標準化されてきたが、実が長時間座ることには適していない座り方だとされている。
日本トレンドリサーチは、事前調査で「学校で体育座りをしたことがある」と回答した全国の男女計1,250人(30代以下~70代以上・各年代250人)を対象に「体育座りに関するアンケート」を実施。調査期間は2022年5月17日~19日。
床に座るときにもっとも楽な座り方を聞いたところ、半数近い49.2%が「あぐら」と回答。ついで「体育座り」18.6%、「横座り」12.0%と続いた。反対に、もっとも座りにくい(辛いと感じる)座り方については、60.8%が「正座」と回答。「体育座り」は3.6%にとどまり、もっとも楽とももっとも辛いとも言えない傾向にあるが、体形や身体の硬さによっては「体育座り」に辛さを感じているとの意見がみられた。
学校で「体育座り」を廃止する動きについては、約半数の49.4%が「良いと思う」と回答。「良くないと思う」は6.7%、「どちらとも言えない」は43.9%となった。
「良いと思う」の理由としては、「育ち盛りの時期に、冬の冷たい体育館の床に、腰や膝、背骨に負担のかかる座り方を強要するのは理不尽(40代・男性)」「うさぎ跳びが体に良くないということで禁止になったように、時代にあわせていくべきだと思う(40代・男性)」「女子の場合はスカートの中が見えてしまうのが気になる。すべての人に同じ座り方を強要すること自体がおかしい(40代・女性)」「良くない理由がわかっているなら、体育座りにこだわって続ける理由がない(70代・男性)」といった意見があげられた。
一方、体育座りの廃止を「よくないと思う」とした理由では、「体育座り以外の座り方だと全体が乱れてしまい、子供のけじめにならない(20代・女性)」「内臓を圧迫するほどしっかりと座っている子を見たことがないしある程度の調整は自分でできるだろう(60代・女性)」「本当ならばなぜ今まで推奨していたのか疑問(30代・男性)」といった意見が、「どちらとも言えない」の理由では、「他にどんな座り方になるの?と疑問に思う。女子のあぐらも微妙だし長時間の正座もきつそう(40代・女性)」「医学的に証明されているなら辞めれば良いし、体育座りをしてても問題なく成長できたので、継続する学校があっても問題無いと思う(30代・女性)」といった意見がみられた。
アンケートの詳細は、NEXERが運営するWebサイト「日本トレンドリサーチ」にて公開されている。