「第2回プログラミングスタジアム」大賞受賞キッズが家族と振り返る、喜びと学びにあふれたわが家の夏

 子供向けプログラミングコンテストがさまざま開催される今、わが子を挑戦させるか否か、またどれにエントリーすべきか悩む保護者も多いだろう。「プログラミングスタジアム」において大賞を受賞したお子さまとその保護者にエントリーの経緯、参加で得た学びなどを伺った。

教育・受験 小学生
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第2回プログラミングスタジアムバーチャル展示会場には誰でも入場可能
第2回プログラミングスタジアムバーチャル展示会場には誰でも入場可能 全 9 枚 拡大写真

 2022年夏、小学生を対象としたコンテスト「第2回プログラミングスタジアム」が開催され、大賞をはじめとする受賞作品が決定した。「プログラミングスタジアム」は、「誰でも楽しめるプログラミング」をコンセプトに、年齢やスキルに関係なく、夏休みの間に楽しく学び、チャレンジできるスクラッチプログラミングのコンテスト。

 プログラミング技術を競うコンテストが多い中、プログラミングを始めたばかりのすべての子どもが挑戦できるコンテストに注目し、JTBコミュニケーションデザインの企画・運営のもと、昨年に引き続き、2022年は2回目の開催となる。

 今回のコンテストで見事「プロスタ大賞」を受賞したのは3名。受賞した子供たちの素顔に迫るとともに、コンテスト参加を通じた彼らの成長を取材した。

考える力や表現力を身に付けるきっかけに

 第2回となる今年のプログラミングスタジアムは、「イベントを通じてプログラミングをより身近に感じてもらい、考える力や、表現力などさまざまな力を身に付けるきっかけになってほしい」との思いのもとで開催された。

 今回は「夏休みの自由研究部門」「チャレンジ部門」の2つの部門を設置。「夏休みの自由研究部門」は、初心者のエントリーを想定し、「地球の環境問題」「好きなまちの魅力を伝えよう」「夏の思い出」「オリジナルゲームを作ろう」の4テーマから1つを選んで作品を作るもの。一方「チャレンジ部門」は、プログラミングに触れたことの中上級者向けを想定して、「画面スクロールがある」「ゴールがある」「得点もしくは時間がある」の指定の3つの条件を入れ込んだオリジナルアクションゲームを作るもの。

 各部門において、もっとも優れた作品には「プロスタ大賞」が贈られる。大会審査員となった5名の有識者および専門家がそれぞれの知見からエントリー作品に向き合った。

 今大会の審査員は、参議院議員で前デジタル政務官兼前内閣府大臣政務官の山田太郎氏、ヴィリング代表取締役の中村一彰氏、北海道教育大学 学びの協創研究センター・特任講師および東京学芸大学こども未来研究所・学術フェローの佐藤正範氏、全日本青少年eスポーツ協会/Gameic代表理事の前川友吾氏、教育情報サイト「リセマム」編集長の野口雅乃の5名。

 「夏休みの自由研究部門」では、知識や技術力よりも感性や発想力を評価、「チャレンジ部門」では、与えられた課題をどのようにクリアするかという技術力に加え、柔軟なアイデア、作品の完成度をポイントに審査を行った。その結果、今年は「夏休み自由研究部門」で同順位の2作品が選出され、両部門を通じて3作品が「プロスタ大賞」を獲得。副賞としてトロフィーとJTBナイスギフト5万円分が贈られた。また、プロスタ大賞に続く最優秀賞の受賞者にはメダルとノートパソコンが贈られる。

最優秀賞の副賞として提供されるノートパソコン「ASUS Chromebook Flip CM1」

 「いずれの部門においても、自分の日常生活や学校の授業での内容に紐付けた、地に足のついた作品が多かったように思います。どんなに技術力が優れていても、アイデアが飛躍しすぎていると、届けたい相手に伝わらないことがままありますが、今回の受賞作品は、どれも『このゲームを通してプレイヤーにどんな体験をしてほしいのか』『どんな学びを提供したいのか』が明確に伝わるものばかり。大人顔負けのコンセプトメイキングでした」(リセマム野口)。

「第2回プログラミングスタジアム」結果発表をみる

 プロスタ大賞を受賞した3名のお子さまとその保護者に今回のコンテストへのエントリーの経緯や作品に込めた思い、参加で得た学びなどを聞いた。


大賞受賞作品(1)「図書室の本をもどそう!NDCを知っていますか?」
エントリー部門:夏休みの自由研究部門
ニックネーム:天女さん(神奈川県・公立小学校6年生)

図書室の「あのラベル」の仕組みをゲームで発信

 天女さんは学校の図書委員の経験から、図書室の本が「NDC(日本十進分類法)」に従って分類され、並べられていることを知り、皆にもその仕組みを知ってもらおうとゲームを制作。遊びながらNDCを知り、そのルールに則って本を片付けることが楽しめるゲームになっている。

--今回のコンテストにエントリーした経緯を教えてください。

天女さん:スクラッチは小学校4年生から本を読みながらやっていました。いろいろ作っている中で、今回のコンテストをお母さんに紹介してもらって、エントリーしました。

お母さま:スクラッチにはじめて触れたのは2年前、家族で本を買って、主人がまず試しに作品を作ってみました。娘はそのようすを見ながら、自分でも本を読みつつ、独学で少しずつやるようになっていき、遊び半分で続けていました。今年の夏休みは旅行したり、遊びに行ったり、親としては最大限のエンタメを提供したつもりでしたが、娘本人は物足りなかったようで「自分で何かをやりたい」と言い出したんです。そこでスクラッチをやっていたのを思い出し、インターネットで探して今回のコンテストを見つけました。

天女さん:今までもスクラッチに触れていたこともあり、新たに作品を作ってみようとすぐに思えました。エントリーしてから、何を作ろうかと考えていたら今回のアイデアが思い浮かびました。図書委員の仕事で本を整理する過程で、先生からNDCの仕組みを教えてもらいました。本の背表紙にあるラベルは、ただのシールではなく、たくさんの情報が詰まっているものなんです。NDCの仕組みを知ってほしくて、分類ゲームを作ってみました。

お母さま:「こんなコンテストがあるよ」と勧めた後は、娘がすべて進めていたので、私たちはどんな作品を出したのか知りませんでした。今回受賞したと聞いて、ようやく作品を見せてもらい、「このレベルのものを娘1人で作れるんだ」と驚きました。

締切りの重なった2つのコンテスト、2作品を仕上げきった底力

--コンテスト参加を通じて、お子さまの成長は感じられましたか。

お母さま:作品制作はちょうどお盆明けから取り組み始めたのですが、もう1つ「創作文・物語を作りたい」という希望もあり、そのコンテストにも応募すべく、作品作りを掛けもちしていました。両方とも同時期の9月頭締切りだったので、並行しての作業が大変そうでした。途中で「終わらない、もうできないかも」と愚痴をこぼしていたので「どちらかだけでも良いんじゃない」とアドバイスしたのですが、本人が「どうしても2つともやりきりたい」と。苦労しながらも2作品を最後まで仕上げきったので、成長したなと思いましたね。

--今後のものづくりについては。

天女さん:今は新しいゲームとして、脱出ゲームを作っています。小学2年生の弟と一緒に作っていて、弟に教えてあげたりもしています。

お母さま:娘は自分のアイデアを生かしてゼロベースからものを作るのが楽しいようです。今回のコンテストで大賞をいただいたのも非常に嬉しかったようで、またスクラッチに取り組んだり、ゲーム作りが面白くなって他のものを作ろうと進めています。大賞受賞が良い刺激になったようです。


大賞受賞作品(2)「そば米ができるまで」
エントリー部門:夏休みの自由研究部門
ニックネーム:FUJIPPIIさん(徳島県・公立小学校6年生)

地域特産の「そば米」生産方法をミニゲームで紹介

 FUJIPPIIさんの作品は、徳島県の特産品である「そば米」ができるまでの工程を、わかりやすく楽しいミニゲームで紹介するもの。農家の人のアドバイスをもらいながら、土を砕く、播種する種を量る、雑草を抜くなどといった農作業をミニゲームで体験し、そば米の生産方法を学ぶことができる。

--今回のコンテストにエントリーした経緯を教えてください。

FUJIPPIIさん:お母さんにプログラミングの大会があると勧められて、元々プログラミングが好きだったので、エントリーしました。前から、こうしたコンテストに出てみたいという気持ちもあったので。夏休みの終わりごろだったと思います。

 プログラミングは4年生くらいからやっていました。本を読んだり、インターネットで調べたり、独学でスクラッチをしていました。プログラミング教室には通っていません。

お母さま:今回のエントリーは、私がネットで小学生向けのプログラミング大会を調べて、息子に声をかけたのがきっかけです。

 息子が趣味でプログラミングをしていて、たまにプログラミングの単発のイベントに出かけることもありましたが、基本は自分で調べて、独学で情報や知識を得ていきました。小学5年生のときに、休み時間にタブレットでスクラッチをしていたら、当時の担任の先生が「せっかくゲームを作っているなら、コンテストに応募してみたら」と声をかけてくださったそうなんです。紹介されたコンテストに応募したら小さな賞をもらえて、本人としてはそれがとても嬉しかったようで。そうした経験から、他にも応募できるコンテストを調べてみて、プログラミングスタジアムを見つけました。

--作品について教えてください。

FUJIPPIIさん:今回のゲームは「そば米」が徳島でしか食べられていないと聞いて、この特産品を他の地方の人にも知ってほしいと思って作りました。そば米はそばの実を塩ゆでして殻を剥き、乾燥させたもの。給食に出ることもあって、美味しいんです。

 作品作りで苦労したのは、アクションした回数によって農家の人のセリフを変えるようにしたところ。本やインターネットでそば米について詳しく調べ、それをわかりやすいセリフに変えて、ゲームに加えました。

お母さま:息子は、アイデアを出すまでに時間がかかる子です。まず何を作るかというところで、考えているだけでなかなか進まなかったので、間に合うのかなと思いつつ、見ていました。親はまったくプログラミングに関する知識がなく、アドバイスもヒントも出せないので、息子を信じて、任せました。

締切に合わせてやり抜いた経験が自信に

--コンテスト参加を通じて、お子さまの成長は感じられましたか。

お母さま:息子は時間に合わせて物事を進めるのが苦手。今回も締切りぎりぎりになってしまい、完成度としては納得いかない段階だったようですが、そこでの気持ちの折り合いも含め、よく頑張ったと思います。受賞を聞いて、頑張りが報われて嬉しかったとともに、まさか受賞できると思っていなかったので驚きました。息子なりに一生懸命考えてやっていたと思うし、本人にとっても自信につながったのではないかと思います。

--今後のものづくりについては。

FUJIPPIIさん:受賞と聞いて嬉しくて、また頑張ろうという気持ちになれました。これまで作ってきたのは1作品1ゲームだったので、今回のように1つの作品の中にミニゲームを複数入れる作品は初めて作りました。今後はこの作品のゲームステージひとつひとつのクオリティを高めたり、情報量を増やしたりして、さらにアップデートをして、納得のいくものにしたいと思います。


大賞受賞作品(3)「3D 節電迷路」
エントリー部門:チャレンジ部門
ニックネーム:youryou07さん(東京都・公立小学校3年生)

1年前の雪辱を果たし3D迷路で大賞受賞

 ryouryou07さんの作品は、3D迷路を進み、たどり着いた部屋で節電に関するミニゲームをする「SDGs」がテーマ。3D迷路はクリアの難度がやや高いため、2Dに置き換えたマップ表示も取り入れてユーザーに配慮。また、迷路を抜けた部屋では、水が出しっぱなし、エアコンが点けっぱなしなど資源の無駄遣いが絵で表現され、ひとつひとつの無駄を改善しながら、自然に節電アクションができるようになっている。

--今回のコンテストにエントリーした経緯を教えてください。

ryouryou07さん:昨年の第1回プログラミングスタジアムにもエントリーしたものの、一次通過もできずに悔しかったので、「今回は絶対に大賞をとるぞ」という気持ちでエントリーしました。スクラッチは幼稚園からやっています。

お母さま:息子が幼稚園年長のときにテレビでスクラッチの番組をみて、「やってみたい」とプログラミングを始めました。作品を作り続けている中で本人に「何かに応募したい」という気持ちが芽生えたので、応募できるものを大人の私たちが探して、息子に勧めたのがきっかけです。

ryouryou07さん:今回のコンテストで3D迷路の制作に挑戦することは決めていましたが、それだけでは賞を取れないと思って、本で読んで興味を持ったSDGsを組み合わせようと考えました。以前2D迷路は作ったことがあったもののあまり面白くなくて、やっぱり立体的な3Dの空間を作りたいと思って。YouTubeで海外の人が作っているのを見て、真似して、その先は自分で作りました。海外のYouTube動画なので、音声も表示も英語。でもブロックの形や色などが同じだったので、言葉はわからなくても参考になりました。

 苦労したのは、プレイヤーの動きとマップ表示を連動させること。プレーヤーも3Dで作ったので、動きによっては壁にめりこんでしまうんです。プレイヤーの大きさなどを考えながら、自然に見えるように調整するのが難しかったです。

お母さま:「3Dで作品を作りたい」から始まって「迷路」というアイデアが加わり、テーマ設定に向けてSDGsと絡めて。前回の悔しさをバネにしてよく考えていました。今夏はちょうど電気代の高騰もあり、家族で「電気代が高いから節約をしよう」という話をしていたことや、テレビで節電協力のCMをやっていたこともヒントになったようです。

お父さま:私たちはプログラミング経験がなく、まったくわからないので、基本は息子に任せきり。やったことと言えば、期限に間に合うように声掛けをすることと、テストプレイに協力したことだけですね。出来上がったものを試しにプレイして「ここが難しすぎる」「ここの動きが重い」などとフィードバックしていました。それを受けて、息子がカチャカチャと直していく。タイピングも幼稚園からやっているので早いですね。

受賞を通して「もっとやりたい」「良くしたい」意欲がアップ

--コンテスト参加を通じて、お子さまの成長は感じられましたか。

お父さま:息子はプログラミングが性に合っているようで、以前から楽しんでやっていましたが、今回さらに自信につながったようです。テーマ設定から何からすべて自分でやり大賞を獲得できたことで、考えることや作ること、楽しさを伝えることの喜びを感じられたのだと思います。

 今回「大賞」という結果に結びついたというのはもちろんありがたいことですが、何より息子本人が「もっとこうしよう」「これよりさらに頑張ろう」と良い意味で貪欲になり、向上心が強くなったように思います。今まではただ作り続けているだけだったので、受賞を機に成長したと感じています。

--今後のものづくりについては。

ryouryou07さん:動きが重いところなど作品を直したい部分がありますが、来年3月までバーチャル展示があるので、修正しないように我慢しています。これからアップデートしたり、新しい作品を作ったりするのが楽しみです。

作る・伝える・評価される喜びが得られるコンテスト

 まずは大賞を受賞した3名に祝意を表したい。3作品とも、自分の身近にある課題やテーマをとらえ、自分なりに調べて消化し、「伝えたい」「楽しんでほしい」というユーザー目線の思いやりも込めて、オリジナリティあふれるゲームに落とし込んでいる。

 インタビューからは、試行錯誤し、ときに悩みながらも作品を作り上げた3名の「頑張り」のプロセスを知ることができた。ただ作るだけでも楽しいプログラミングだが、その作品をもってコンテストという公の場に一歩踏み込むことで、人の目に触れ、フィードバックや意見をもらうことで、さらに学びを深めることができる。

 11月11日からは、JTBコミュニケーションデザインの企画・運営のもと、VR空間を活用したバーチャル展示会がスタートする。オンライン上に設けられた展示会場では、第2回プログラミングスタジアムにエントリーした全作品が展示され、実際にゲームを体験することもできる。入場無料、申込不要。年齢制限などの参加条件はなく、誰でも入場可能。2023年3月31日までの開催を予定している。

バーチャル展示会場のイメージ

 プログラミングスタジアムは「作る」「伝える」「評価される/認められる」というさまざまな楽しさが詰まったイベントだ。これからも多くの子供たちに、たくさんの学びと喜びを与えてくれることだろう。2023年、第3回の開催も期待したい。

第2回プログラミングスタジアムのバーチャル展示会場はこちら

《羽田美里》

羽田美里

羽田美里

執筆歴約20年。様々な媒体で旅行や住宅、金融など幅広く執筆してきましたが、現在は農業をメインに、時々教育について書いています。農も教育も国の基であり、携わる人々に心からの敬意と感謝を抱きつつ、人々の思いが伝わる記事を届けたいと思っています。趣味は保・小・中・高と15年目のPTAと、哲学対話。

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