社会人までの教育資金…平均予想額は過去最高1,436万円

 子供が小学生から社会人になるまでに必要な教育資金の平均予想金額が、調査開始以来最高額の1,436万円となったことが、ソニー生命保険が実施した調査から明らかになった。コロナ禍に続く物価高騰により、教育費の増加を懸念、不安視するようすがうかがえる。

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子供の教育費に関する考え
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 子供が小学生から社会人になるまでに必要な教育資金の平均予想金額が、調査開始以来最高額の1,436万円となったことが、ソニー生命保険が実施した調査から明らかになった。コロナ禍に続く物価高騰により、教育費の増加を懸念、不安視するようすがうかがえる。

 ソニー生命保険は、2023年1月26日・27日の2日間、大学生以下の子供をもつ20歳以上の男女に対し、今年で10回目となる「子どもの教育資金に関する調査」をインターネットで実施。1,000名の有効サンプルの集計結果を公開した。

 子供の学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる、との問いでは、「非常にあてはまる」16.7%、「ややあてはまる」50.0%と、「あてはまる(計)」66.7%となり、教育費の多寡が子供の学力や学歴と強く関係していると実感する親が6割を超えた。早期の知育や英才教育は子供の将来のために重要だ、との項目も「あてはまる(計)」71.2%となり、早期教育を重要視する保護者が多いことがわかる。

 全回答者を対象に、教育資金についてどの程度不安を感じるか聞いたところ、「不安を感じる(計)」は75.4%にのぼった。就学段階別にみると、「不安を感じる(計)」と回答した親の割合は、中高生の親79.0%、小学生の親78.6%、未就学児の親76.2%となった。

 子供の教育資金に不安を感じている親に、不安を感じる理由を聞いたところ、「収入の維持や増加に自信がない」41.8%がもっとも多く、ついで「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」38.5%、「社会保険料の負担増」34.7%、「収入が不安定」22.1%、「病気やケガで収入が途絶えるリスク」20.3%と続いた。

 コロナ禍での家計や教育への影響については、「子供の教育に対する不安」は「増加(計)」77.0%、「減少(計)」23.0%。「家計」では「改善(計)」27.4%、「悪化(計)」72.6%、「子供の教育費」では「増加(計)」57.7%、「減少(計)」42.3%となり、家計が悪化する中で子供の教育への不安も増しているようすがうかがえる。

 コロナ収束後は子供の教育費を増やしたいと思うかと聞いたところ、「増やしたいと思う(計)」69.8%、「増やしたいとは思わない(計)」30.2%となり、半数以上の親がコロナ禍が落ち着いた際には子供の教育に対してお金をかけていきたいと考えていた。

 未就学児の親を対象に、子供が小学生から社会人になるまでに教育資金がいくらくらい必要だと思うか聞いたところ、「1,000万円~1,400万円位」31.5%、「2,000万円~2,400万円位」28.6%に多くの回答が集まり、平均予想金額は調査開始以来最高の1,436万円となった。

 平均予想金額を過去の調査結果と比較すると、2021年の1,266万円から、2022年1,377万円、2023年1,436万円と3年連続で上昇。コロナ禍に続き、物価高騰や相次ぐ値上げラッシュを受け、必要な教育費の増加を予想する親が多いと想定される。

 高校生以下または予備校生・浪人生の親に、大学等の学費は高すぎると思うかと聞いたところ、「非常にそう思う」48.8%、「ややそう思う」37.2%と、「そう思う(計)」は86.0%に。大学等の学費を無償化してほしいかとの問いでは、「そう思う(計)」は86.2%にのぼった。また、給付型奨学金(返済不要)をもっと利用しやすくしてほしいでは、「そう思う(計)」87.0%、貸与型奨学金(無利子で借りる)をもっと利用しやすくしてほしいでは、「そう思う(計)」82.1%となり、奨学金の利用に関しても改善を求める意向がみられた。

 「子どもの教育資金に関する調査」ではこの他に、祖父母から受けた教育資金援助額や、子供のお小遣い平均額、子供を大学等へ進学させるための教育資金の準備方法、子供に目指してほしい理想の大人、子供に就いてほしい職業等についても調査を実施。結果は、ソニー生命保険Webサイトのニュースリリースから見ることができる。

《畑山望》

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