都民の半数、暮らしむき「苦しくなった」東京都の世論調査

 東京都は2024年1月26日、「都民生活に関する世論調査」の結果を公開した。物価上昇などで、暮らしむきの変化が「苦しくなった」との声が増えた一方で、東京に今後も「住みたい」との声が増加していることが明らかになった。

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東京定住意向の変遷(東京に今後もずっと住みたいと思うか)
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 東京都は2024年1月26日、「都民生活に関する世論調査」の結果を公開した。物価上昇などで、暮らしむきの変化が「苦しくなった」との声が増えた一方で、東京に今後も「住みたい」との声が増加していることが明らかになった。

 「都民生活に関する世論調査」は、都民の日常生活に関わる意識や、都政に何を望んでいるかなどを把握し、今後の都政運営に役立てることを目的として、毎年実施しているもの。東京都全域に住む満18歳以上の男女を対象に住民基本台帳に基づく層化二段無作為抽出法で実施した。調査期間は2023年6月16日から7月17日。有効回答数は1,784件。

 暮らしむきの変化を尋ねたところ、「苦しくなった」49%(前年比8ポイント増)、「変わらない」45%(8ポイント減)となった。「苦しくなった」と答えた人に、その理由を聞いたところ、「家族の増加や物価の上昇などで毎日の生活費が増えた」が72%ともっとも多く(前年比16ポイント増)、「税金や保険料の支払いが増えた」が41%(同4ポイント増)、「営業不振などで給料や収益が増えない、または減った」が29%(同6ポイント減)の順で続いた。

 暮らしの余裕について「余裕がある」が48%(前年比3ポイント減)、「余裕がない」52%(同2ポイント増)、これからの暮らしむきも「苦しくなる」52%(同4ポイント増)、「変わらない」38%(同3ポイント減)となった。

 生活満足度は、「満足」47%(前年比3ポイント減)、「不満」50%(同4ポイント増)。現在の生活に「満足」と答えた人に、その理由を聞いたところ、「健康であるから」が71%と最多で、ついで「家族との生活が充実しているから」が59%となっている。また、「不満」と答えた方に、その理由を聞いたところ、「貯蓄が十分でないから」が69%ともっとも多く、ついで「悩みや心配ごとがあるから」36%となった。

 東京の住みよさについては、「住みよい」61%(前年比3ポイント増)、「住みにくい」7%(変動なし)となった。東京定住意向は、「住みたい」が72%(前年比1.8ポイント増)と2020年以降でもっとも高い数値となった。一方で「住みたくない」は9%(変動なし)。東京に今後も「住みたい」と答えた人に、その理由を聞いたところ、「交通網が発達していて便利だから」が79%ともっとも多く(前年と変動なし)、「東京に長く暮らしているから」が49%(前年比4ポイント減)、「医療や福祉などの質が高いから」が33%(同4ポイント減)の順で続いている。

《中川和佳》

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