東大生が伝授!3日で終わる読書感想文の「やっつけ方」

 夏休みの宿題の中でも難敵といえる「読書感想文」。本を読む時間から書きあげるまでが3日程度に収まる「読書感想文のやっつけ方」を、ステップごとに解説していく。どうか諦めずに、「読書感想文」に立ち向かう際の参考にしてほしい。

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 みなさんは夏休みの宿題に苦しめられた経験はないだろうか。終わらないドリルに、付け忘れた絵日記など、さまざまな障害に悩まされた方も多いだろう。その中でも、厳しいハードルとして立ちはだかるのが、読書感想文である。本を読むだけでも大変なのに、内容について感想を語らなければならない。これは、普段から文章を書きなれていないような子供たちにとって、大きな障壁となることは間違いないだろう。

 どうにかして、読書感想文を簡単に攻略する方法はないだろうか。何が壁になっているのかを考えると、おそらく「文章を書くこと」「本の内容を把握すること」などが難しさの一因となっていそうだ。逆に言えば、これらを攻略できれば、読書感想文を数日以内に終わらせることも可能となる。

 今回は、本を読む時間から書きあげるまでが3日程度に収まる「読書感想文のやっつけ方」を、ステップごとに解説していく。どうか諦めずに、「読書感想文」に立ち向かう際の参考にしてほしい。

STEP1:本を選ぶ

 まずは本を選ぶ。学年によってお勧めの本が変わるので、ここでは推薦図書を紹介しないが、代わりに本を選ぶうえでのポイントをお伝えする。

1. 短めで挿絵が多い本を選ぶ

 文字数が減れば減るほど、読む際のハードルが下がることは間違いない。小説を手に取る方が多いだろうが、一口に小説といっても、本によって挿絵の枚数や文字の大きさは異なる。文字が細かい本の場合は、見開きで600~1,000文字くらい読まなくてはならないが、『かいけつゾロリ』や『はれときどきぶた』のような挿絵の多い本であれば、見開きの文字も少ないはず。単純に文字を読む負担が減るし、どんどんページをめくっていけるので、「読書している感覚」を得やすく、モチベーションも上げやすい

2. あらすじがネットに落ちている本を選ぶ

 読書をハードルと感じる子にとって、「中身がわからない本を読む」こと自体がストレスとなる可能性がある。実際、「知らないことを知る」ためには、十分な知的好奇心と体力が必要になるので、この感覚は間違いではない。本を選ぶ際には、あらかじめあらすじをネットで検索してしまうと良い。悪く言えば「ネタバレ」だが、私はこれを補助輪のようなものだと思っている。内容をあらかた把握したうえで、あらためて本を読んでみる。たったそれだけで、内容の把握にかかる時間を大きく減らすことができるからだ。その特性上、新刊ではなく、昔からある伝統的な本のほうが、より調べやすいためお勧めできる。

3. 短編集を選ぶ

 それでも本を1冊読むのが厳しいのであれば、たとえば星新一の「ショートショート」が集められたような短編集をお勧め。短編集であれば、「特にこの話が面白かった」と特定の話だけについて記述しても不自然ではない。もちろん、すべての話に目を通してほしいが、場合によってはいくつかの話を読み飛ばしても、読書感想文を完成させられる。星新一のショートショートは短編とはいえ短くても見開き3~5ページはあるが、本を一冊読むよりも負担は少ないはず。

 これらのポイントをもとにしながら、1日目は本を選ぼう。できれば、実際に書店や書店に足を運んで、中身を確認しながら選んでほしい。もしかしたら、魅力的なタイトルや表紙の本を見つけられるかもしれないからだ。

 何よりも、自分が読みたいと思った本を読むことが大切なので、あくまでここまでのアドバイスは、自分で本が選べない場合にのみ参考にするようにしてほしい。また、できれば1日目の段階から読書を始められるようにすると良い。読書感想文は本を読んでからが本番なので、読み終わるタイミングが早ければ早いほど良い。

STEP2:本を読む

 次は本を読み進める段階に入る。ここを鬼門に感じる方も多いだろうが、逆をいえば、ここさえ終わらせれば、読書感想文の半分は攻略したも同然。今回の計画では3日のうち、1日を「本を読む日」としているが、この1日で最後まで読み切る自信がないのであれば、中日を2日や3日にするなど、調整してほしい。

 本を読む際には以下のポイントに気をつけよう。

1. あらすじを把握する

 STEP1でも述べたが、あらかじめあらすじを頭に入れながら読み進めるようにする。いわゆる「ネタバレ」にあたるが、今回の目的は「素晴らしい読書体験をすること」ではなく「作業として読書感想文を終わらせること」なので、効率よく読書を行う必要がある。そのためには、読み進める本に関する情報をネットで集めて、どんなストーリーで、どのように展開して、どう終わるかを頭に入れたうえで読み進めたほうが、すんなりと情報を把握できるだろう。

2. 本を読んで印象的だった場面に付せんを貼る

 「STEP3:読書感想文を書く」でも紹介するが、文章はゼロから考えるものではない。慣れないうちは、ある程度決まった型の中に、実際にある文章の中から当てはまりそうな内容を書き入れて作るのが基本。読書感想文の場合も、ある程度決まり切った型をもとにして、その中に本の中の印象的な場面を1つか2つ程度入れてあげると、それらしくなる。そのためには、あらかじめ「どこを入れるか」決めておく必要がある。本を読んでいる段階で、「ここは面白かった」と感じたページに付せんを挟んでおくと、後から見返しやすくなる

3. 読み込まない

 文章を読む際のコツは、「読み込まない」ようにすること。意味がわからない文章があっても良いし、そういう文章は読まなくて良い。それくらいの意識で、どんどん読み飛ばしていった方が、モチベーションを維持できる。読書が苦手な人や嫌いな人ほど「完璧な読書」を求めるが、読書が得意な人などは、そこまで細部にこだわらない。一行や二行程度なら読み飛ばしても、全体の流れを把握するうえで不便はないからだ。「3回読んでも意味がわからない」と感じたら、どんどん読み飛ばそう。

 これらのテクニックを使って、1日以内に読み終えてほしい。逆を言えば、ここで読み終えられる程度には短めの本にした方が良いだろう。長い本を読めることは、別に必須の要件ではない。それならば、短めの本を読んで、早く読書感想文を仕上げたほうが良い。

STEP3:読書感想文を書く

 本を読み終えたら、いよいよ読書感想文を書き始める。とはいえ、ゼロから文章を考えるのは難しいもの。自分で文章を考えたい人や、その方が楽しい人もいるだろうが、ここで想定している読者はそれらが苦手な人々だ。

 ずばり作文のコツを言うなら、「パクる」ことだ。自分の作文能力に期待してゼロから生み出すのではなく、すでにある素晴らしい文章をマネして、それらの一部を改変しながらオリジナルの文章にしていく。実際に、筆者の知り合いの新聞記者の方も、新人時代は先輩記者の書いた記事を写して「新聞流の作文術」を学んだという。うまい文章はうまい先人のパクリから生まれる。ゼロから生み出せるのは天才だけだ。

 では、読書感想文は何を参考に真似ればいいのか。ここでは、誰でも読書感想文が書けるように、文章のフォーマットを用意した。( )部分に、当てはまるイベントや名称を差し込んでいけば、誰でもそれらしい読書感想文が書けるようになるだろう。困ったときの最終手段として活用してほしい。

【読書感想文のフォーマット】

タイトル:「(本の名前)」を読んで

 私は、「(本の名前)」という本を読みました。なぜこの本を選んだのかといえば、(理由)だからです。

 この本は(あらすじ)という本なのですが、私はその中でも、特に「(付せんを貼ったシーン)」という場面に(感動し・驚き など)ました。なぜなら、(理由)だからです。私は(自分の体験)ということがありましたが、この本の主人公のような振る舞いができれば、(よりよくなった・もっと頑張れたなど)と思いました。

 私がこの本の中で一番好きなキャラクターは(好きなキャラクター)です。なぜかというと、彼(彼女)は(理由)だからです。私自身は(そのキャラと似ている部分がある・ない)ので、特に魅力に感じられました。

 私はこの本を読んでから、(感想)と考えるようになりました。これまで私はこのようなことを考えたことがなかったので、「(本の名前)」を読むことで、新しい考え方を学ぶことができたのだと思います。

 とても面白い本だったので、友達にも今度勧めてみたいです。



 フォーマットだけで400文字程度あるので、十分な文字数が稼げるだろう。あとは個々の空欄になっている部分に、あてはまる内容を書き込んでいけば、誰でも簡単に読書感想文を書きあげることができる。

 繰り返すようだが、今回の目的はあくまで「なるべく素早く読書感想文を書きあげること」であるし、文章の練習のためには「文章の型を知る」ことが早道なので、今回はフォーマットを提示している。これをもとにして、推敲して文章を練り上げるなど、自分でさまざまな作文に対する対応力を身に付けていってほしい。

 長大な道のりに見える読書感想文といえども、工夫をすれば、3日以内に終わらせることも十分可能だ。本を読む、文章を書く、それらが難しく感じられるから強大な敵に感じられるのであって、これらに不自由しなければ、むしろどの宿題よりも簡単に、一瞬で終わらせられる程度の存在でしかない。宿題に時間を取られすぎることなく、さっさと終わらせて自分のやりたいことに集中することが、夏休みを充実させる第一歩だ。この記事を通して、読書感想文を攻略してほしい。


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