2025年度の中学受験を目指すご家庭は、そろそろ第一志望校・併願校を決定する時期だろう。
リセマムでは昨年に引き続き「中高6年間一貫教育を考える会」と連携し、お勧めの私立中学校をピックアップ。同会が発行する『とっておきの私立中学校』の中から抜粋して、注目校の魅力をお伝えしていく。
本記事および後編の記事でご紹介するのは、成城学園中学校。東京都世田谷区にある中高一貫の共学校だ。学校長・中村雅浩先生からのメッセージの他、カリキュラム、進路進学に対する考え方等を紹介する。
教育目標
「拓く力、編むカ、変える・変わるカ」を育む
成城学園中学校高等学校の学びの軸は「自学自習」と「自治自律」です。生徒一人ひとりが自分の興味関心を広げ、もっている力を最大限に発揮することを大切にしています。そして時には厳しく自分を律しながら、他者を尊重し、社会のより良い形を作るために働きかけられる力を育んでいきます。
中高の6年間は1人の人間として大きな変化を遂げる時期でもあります。教室で行われる授業では、本物に触れ、本質を見極めるためのさまざまな工夫を凝らし、五感に落とし込むような深い学びにつなげていくことを意識しています。
また、豊かな教養を育むために、さまざまな学習プログラムが用意されています。教室にとどまらず、海や山に飛び出し、さらには日本各地や世界各国に旅立つ学びもあります。このような体験は、多くの卒業生たちのように、未知や未来を「拓き」、人と人との多様な結びつきを「編み」、自分自身を含めて柔軟にものごとを「変える・変わる」ことができるようになる、そんな力のもとです。そして、この力のもとは、常に本校の伝統の中で磨かれてきたものなのです。
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どういう学び方をするの?
同校には授業の進め方、教え方に工夫を凝らした独特なものが数多くあります。主要5教科だけでなく、音楽や美術、技術家庭なども成長期には重要であるという観点に立ったカリキュラムを組んでいます。
まず特徴的なものは少人数授業です。あくまでも教師が目を届かせやすい授業をということから、多くの教科で分割授業を取り入れています。さらに各教科とも、教科書通りに進行させるのではなく、独自のプリント類、副読本、教材や問題集などを多用しています。調べ学習やレポート学習、実験なども多く、頭だけでなく体も動かして、授業を楽しめる工夫がされています。英語に関しては、ネイティブの教師による会話の授業や習熟度別授業も取り入れています。また新しい教材を導入し、家庭学習を強化した独自のプログラムを始めました。
週6日授業では、音楽・美術・書道・技術家庭の実技系科目の授業数も多くとっており、バランスの良い豊かな人間性を養うカリキュラムとなっています。そして中学3年次の3学期には週4時間、この実技系科目を18講座に分けた中から自分の趣味や興味のある講座を1つ選択し、専門的な指導を受けて、学期末には卒業制作展や演奏会を行います。また、クラス内の結びつきも強く、教師と生徒の距離も近いので、あたたかい雰囲気の中で学校生活を送ることができています。
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進路、進学に対する考え方は?
大学を併設する学園でありながらも、他大学受験に挑戦しやすいシステムを構築しており、生徒の多様な個性の実現を目指す「扇形の進路」を提案しています。その「扇」の要は、一定の成績をクリアしていれば、成城大学へ内部推薦権を保持したまま、本人の意思により多様な進路へトライできることを可能としている点です。成城大学は全学部で併願を完全自由化しており、生徒それぞれの希望と可能性を尊重する、学園全体の姿勢が進路の考え方にも現れています。
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学校概要
所在地:東京都世田谷区成城6-1-20
アクセス:小田急線 「成城学園前駅」徒歩約8分
電話番号:03-3482-2104