バイリンガル教育で「自分らしく幸せに生きる力」を育む LCA国際小学校が実現する学びとは

 グローバルな視野を取り入れた教育熱が高まりを見せている今、日本人としてのアイデンティティの確立と英語力の両輪を実現する小学校がある。その教育理念やビジョンについて、LCA国際小学校の創設者・山口紀生学園長に話を聞いた。

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LCA国際小学校の「自分らしく幸せに生きる力」を育むバイリンガル教育
LCA国際小学校の「自分らしく幸せに生きる力」を育むバイリンガル教育 全 6 枚 拡大写真

 グローバルな視野を取り入れた教育熱が高まりを見せている。習い事も含め、「わが子に英語力を」と考える家庭も少なくない。未就学児対象のプリスクールやインターナショナルスクールの開校も相次ぎ、一般的な日本人家庭の進学先としても注目が高まっている。

 日本の教育の強みも生かしながら、日本人としてのアイデンティティの確立と英語力の両輪を実現したい。そんな保護者の理想を実現するのが、神奈川県相模原市にあるLCA国際小学校だ。難関私立中学への進学実績もめざましい同校の創設者・山口紀生学園長が語る教育理念、そして今後の展望とは。

インターナショナルスクールとは違う、独自のバイリンガル教育

--LCA国際小学校とはどのような学校なのでしょうか。

 LCA国際小学校はインターナショナルスクールではなく、文部科学省から認可を受けた私立小学校(一条校)です。インターナショナルスクールでは日本人としての学習言語は身に付きませんし、日本人としての感性やアイデンティティを育むことは難しい。一方で本校では、日本のことを知り、日本を好きになることで、日本人としてのアイデンティティをしっかりと身に付けます。そして、日本人としての強みを生かして国際社会でも活躍できるよう、コミュニケーションツールとしての英語を学んでいるのです。

--教育内容にはどのような特長がありますか。

 学習指導要領に準拠しながらも、検定教科書を超えた高い学力の習得も目指し、子供たちひとりひとりの能力に見合った個別指導を行うことで、日本語と英語のバランスの取れたバイリンガル教育を行っています。

 特長として、日本の文化と日本人としてのアイデンティティが大切であるという考えから、国語には注力しています。オリジナルの教材を使って日本人としての精神文化の基礎を学ぶほか、低学年から多くの書物に触れて豊富な語彙を習得し、私が考案した作文メソッドで表現力を養います。

 一方で、英語力が自然と身に付くよう、国語以外の教科は英語で学びます。クラス担任はイングリッシュスピーカーが担当し、ホームルームや給食の時間など学校生活の基本は、おもに英語で行われます。担任の先生というのは、子供にとってもっとも頼りになる存在です。その相手が英語を話すとなれば、必然的に子供たちは英語でコミュニケーションを取るようになり、非常に効果的なのです。入学時にはまったく英語が話せなくても、担任は全力でサポートしますので、どの子も問題なく生活できます。

子供たちの願いから生まれた理想の学校

--インターナショナルスクールとは異なる教育ということですが、創設者である山口先生が独自の教育理念を掲げるに至った背景を教えてください。

 私は大学卒業後、公立小学校で6年間教員を務めました。子供たちと過ごす時間はかけがえのないものでしたが、当時の現場は「~しなさい」「~してはいけない」という指示ばかり。子供たちの気持ちや意見に耳を傾け、対話し、子供の主体性や好奇心を育む教育とは、ほど遠いように感じられました。また、教員として私自身が新しく取り組もうとする挑戦を、「前例がない」などと却下されることも正直なところ少なくありませんでした。自分が思い描いていた理想と現実があまりにかけ離れていて、やむなく退職を決意しました。

 退職後、ほどなくして近所の方から「子供に勉強を教えてもらえないか」と頼まれ、小学3年生4人に向けて、自宅の居間で小さな私塾を始めることになりました。教員時代の歯痒い経験から「一方的に教え込むことだけは絶対にしたくない」と思い、勉強だけでなく週末や休みには外に連れ出し、釣りやキャンプ、スキーなどいろんなことを楽しみました。フェリーで北海道に行き、2週間かけて自転車で何十キロも走ったり。もちろん、途中で弱音を吐く子もいましたが、そんな体験を通じてあきらめない心ややり抜く力、乗り越える力がいつの間にか身に付き、皆勉強にも集中することができるようになったのです。一緒に楽しみながら遊んでくれる大人が、勉強も教えてくれる。この関係性が子供を大きく成長させるのだと実感しました。 

創設期を振り返りながら取材に応じてくれた山口紀生学園長

-- 楽しみながら挑戦する「体験」をベースにした教育ですね。そこになぜ「英語」を加えたのですか。

 国内でできる体験学習はいろいろとやってきたので「次は海外に」と思い、知り合いを頼ってアメリカのアイダホ州に連れて行くことにしました。現地ではホームスティをしながらロッキー山脈をトレッキングしたり、湖のほとりでテント泊をしたり、それはもう素晴らしい体験でしたが、唯一残念だったのが、英語ではあいさつ程度しかコミュニケーションを取れなかったことでした。子供たちから発せられた「英語が話せたらもっと楽しめたのに」という声が、英語教育に踏み出すきっかけになりました。

--山口先生がバイリンガル教育の学校をつくるきっかけになったのは、子供たちの言葉だったのですね。

 私を突き動かすのは、いつも子供たちの「~したい」という気持ちです。ですから帰国してすぐ、それまでやっていた私塾で英会話コースを始めました。

 ところが子供たちは楽しんでくれるものの、週1~2回授業するだけでは思っていることを自由に話せるようにはなれません。習った英語を使う実践の場がないからです。英語は勉強するだけではなく、使って、通じて、「うれしい」と感じられないと一向に伸びないなと痛感し、取り入れたのが「学習教科を英語で教える」ことでした。アメリカの理科の教科書を教材に使ってやってみたところ、子供たちのモチベーションは上がり、英語力は飛躍的に伸びました。すべての教育を英語で行う場所をつくりたい。心からそう思った瞬間でした。

 最初はプリスクール(幼稚園)から始めました。入園してくるのは帰国子女でもなく、初めて英語に触れるような子供ばかりでしたが、英語力は自然と身に付き、想像以上の上達でした。しかし卒園後、ほとんどの子供が近隣の小学校へ進学し、日常的に英語を使わない環境下、せっかく身に付いた英語力がみるみる低下してしまうことが課題でした。また、一部の保護者からは、英語力だけではなく、私たちのプリスクールで培った「自分らしくいること、人と違うことは良いこと」という価値観も、小学校で次第に薄れてしまったと聞き、「それなら私がプリスクールに続く小学校をつくるしかない」と思い立ちました。

 日常生活の中で英語を使い、伝わる喜びを感じられる環境。自分の言いたいことを堂々と発言でき、失敗を恐れたり人との違いを恥ずかしがったりする必要のない環境。このような環境を小学校でも実現したいと思ったのです。

卒業までに英検2級相当の英語力を習得

--LCA国際小学校では「卒業するまでに英検2級に合格できる程度の英語力」を目標にしているそうですね。家庭で英語を使う機会はなく、子供自身ほとんど英語に触れたことがない状態から、どうすればそのような英語力が身に付けられるのでしょうか。

 すでにお話ししてきたように、LCAでは英語「を」学ぶのではなく、英語「で」学ぶイマージョン教育を行っています。イマージョンとは英語で「浸す」という意味があります。つまり、学校生活の大半を英語でのコミュニケーションに浸りきって学ぶのです。すると、入学当初は日本語しかわからなかった子供たちも、3か月もすれば英語で先生が話している内容が理解できるようになり、アウトプットも増えていきます。

 私たちが英語教育でもっとも大事にしているのは、「習う」「慣れる」「試す」の3拍子を揃えること。日本の学校では「習う」ばかりで、せっかく習った英語に「慣れる」「試す」場がほとんどありません。その点、LCAでは英語を「習う」のはもちろん、外国人の先生たちが使う英語に「慣れる」、先生たちを相手に「試す」ことを重視しています。

--英語での指導時間の割合は、低学年では英語8割日本語2割、高学年では英語と日本語が5割ずつとしているそうですね。これはなぜですか。

 低学年の間は授業内容も易しいですし、ゆっくりと進むので、英語で授業を行っても子供たちは十分理解できます。ところが高学年になると、内容も難しくなるうえ、中学受験をする子供たちも出てくるので、その対策のためにも日本語での授業を増やすようにしています。

 私たちとしては、日本語と英語両方で理解し、どちらの言葉でも自分の意見を伝えることのできる人になってほしい。そんな願いから、低学年では十分なイマージョン教育で英語力を高めつつ、英語と日本語のバランスについては、日本人にいちばん合った方法を引き続き追求していきたいと考えています。

中学受験もサポート、自発的に勉強する習慣で志望校に合格

--貴校の卒業生は難関私立中学校をはじめ、グローバル教育に定評のある学校にも数多く進学されています。中学受験のサポートも手厚く行っているそうですが、その理由を教えてください。

 放課後は夜遅くまで塾通いするのではなく、スポーツや音楽の習い事などを通じて、勉強以外のことに夢中になったり、食卓を囲んで一家団らんの時間を楽しんだりしてほしい。私たちにはそんな強い思いがあります。

 「学校で教わる内容だけでは受験に合格できず、放課後の時間を費やさなければいけないのなら、学校でそのレベルまで教えれば良いのではないか」と考え、学校で受験対策を行うことにしました。子供の志望校によっては学校だけではフォローしきれない部分もありますが、なるべく塾に通わずに済むよう、中学受験塾での講師経験がある教師を採用し、専用の学習カリキュラムを用意しています。

 さらに昨春からは、英検対策講座も開講しています。最近では英語受験を採用する学校が増えており、多くの卒業生が「LCAの先生方の熱心なスペシャルレッスンでリーディングやライティングが鍛えられ、合格につながった」と言ってくれています。

LCAの合格実績
子供たちについて語るときの山口学園長の笑顔が印象的

--勉強だけでなく、さまざまなアクティビティもあり、子供たちにとって充実した6年間を過ごせる魅力的な環境ですね。子供たちが毎日楽しく通える学校であり続けるために、先生方がもっとも大切にしていることは何ですか。

 子供を否定しないことです。LCAでは、正解・不正解だけでなく、できる・できない、うまい・下手など気にする必要はありません。子供が楽しく通えるためには、ありのままの自分でいられる、ありのままの自分を認めてもらえる学校でなくてはいけないのです。 

 なぜこれがもっとも大切なのか。私が公立小学校で教えていたころ、子供同士でいさかいが起こると、教員がどちらが悪いかをジャッジしなければいけない場面が多々ありました。それぞれの言い分から教員が白黒を付け、「だから謝りなさい」と命じても根本的な解決にはならず、子供たちに我慢を強いるだけ。不信、不満を溜め込ませるばかりでした。

 LCAでは、教員はまず「どうしたの?」「あなたはどう感じたの?」「そう、悲しかったんだね、辛かったね」と否定することなく、子供の話を徹底的に聞きます。そして、お互いが納得するまで話し合い、相手の意見を受け入れる場を設けます。そうやって子供たちが誰ひとり取り残されず、安心して自分の気持ちや意見を言える、そして他者の気持ちになって考えられることを大切にしています。LCAには誰の意見も間違っていない、認めてもらえる環境があるのです。

LCAの子供たちはなぜ「学校が楽しい」と言うのか

--自分が否定されないという安心感は、自己肯定感に繋がりますね。

 自分が言いたかったことを無条件に聞いてくれた、自分のことを信じてくれたという体験は、子供にとって無類の喜びです。だから学校が楽しくなる。ですから保護者には、ご家庭でもお子さんの良いところをどんどん褒めてあげてほしいとお願いしています。そうすることで、子供は自分の長所や得意なことに気付くことができます。それをきっかけにして自信や自律心が芽生え、それに連動して得意なこと以外も伸びるようになります。LCAの子供たちにはこのサイクルができているので、勉強にも受け身ではなく主体的に取り組め、受験での成果にもつながっているのだと思います。

--LCA国際小学校では、子供たちにどのように育ってほしいとお考えでしょうか。

 LCAで身に付いた「人と違うことは宝物」というマインドセットで、自分の個性や強みを大いに生かしてもらいたいと思います。そして、日本人としてのアイデンティティを保ちながら日本語と英語を自由に使いこなし、自分とは異なるさまざまな考えも理解しようとする姿勢をもって、世界を舞台に活躍してほしいですね。

 今後はプリスクール、小学校から続く中高一貫校を、さらに群馬県長野原町の旧北軽井沢小学校の跡地に非認知能力の育成や英語を使ったイマージョン教育を行うプリスクールと小学校を新しくつくる予定です。

 私のいちばんの願いは、生きることが素晴らしいと感じられる人に育ってほしいということです。自分を自由に表現でき、どんな子供でも幸せに通える学校を目指し、ますます頑張っていきたいですね。

--本日は貴重なお話をありがとうございました。 


 取材後、校内のようすを見学させてもらった。英語も日本語も聞こえてくる自由に満ちた空間。朗らかで生き生きとしていて、山口先生にも気軽に声をかけてくる元気いっぱいの子供たち。あらためてLCAの強みとは何かを考えると、それは英語力や学力以上に、ありのままの自分を受け入れられることによって子供たちひとりひとりの中に育まれる自己肯定感なのではないか。これこそが、卒業後も人生を幸せに生きていける原動力になっていく。今後、この教育がますます広がっていくことに期待したい。

LCA国際小学校について詳しくみる

《畑山望》

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