大阪府堺市は2025年5月1日、世界遺産の百舌鳥古墳群を上空から眺望する大仙公園のガス気球事業について、10月上旬をめどに運行を再開すると発表した。万博開催期間中の運行開始をめざし、海外からの気球調達や設置工事などの準備を進めるという。
ガス気球事業は、2019年の世界遺産登録を機に計画。堺市は民間事業者との共同で同事業を進めてきたが、コロナ禍や米国のヘリウムガスプラントのトラブル、世界的なヘリウムガスの供給不足などが相次ぎ中断。2023年5月には運行開始直前で、ヘリウムガス漏れが発覚し延期となっていた。
運営事業者であるアドバンスは、新たな気球設備を4月に発注。今後、5月~8月に納品前の準備工事(大仙公園内)、9月に気球設備の納品および設置工事、運行開始に向けたテスト運行を実施予定。運行開始は、万博開催期間中である2025年10月上旬を目指すという。
世界最大の墳墓である仁徳天皇陵古墳をはじめとする百舌鳥古墳群は、堺市のやや北部に位置する日本を代表する古墳群。堺市の「百舌鳥」、羽曳野市・藤井寺市の「古市」の2つからなる百舌鳥・古市古墳群は、2019年に大阪初の世界遺産に登録された。
百舌鳥古墳群の雄大さを体感できるガス気球事業は、世界遺産の歴史的な価値や魅力を幅広く伝えるとともに、誘客のコンテンツとしても期待が寄せられている。