千葉県は2025年5月15日、2024年度青少年ネット被害防止対策事業(ネットパトロール)の実施結果を公表した。問題のある書き込み人数は1,190人と、前年度から77人増加。一方、特に問題がある書き込みは件数・人数ともに前年度から減少した。
千葉県では、青少年がインターネット上のトラブルに巻き込まれることを未然に防止するため、青少年ネット被害防止対策事業を実施している。2024年度の実施校数は、県内すべての中学校、高校、特別支援学校など630校。専門的な知見やノウハウ、AIなど最新技術をもつネットロールに精通した事業者に委託し、生徒が行っているSNSなどを検索・監視した。
2024年度は、1190人による問題のある書き込みを発見。前年度の1,113人から77人増加した。このうち、レベル2とレベル3に該当する「特に問題のある書き込み」の件数は83件、人数は62人。前年度の119件92人から、件数・人数ともに減少した。レベル1にあたる、自分自身の個人情報を公開する人数は、前年度比7人増の1,128人だった。
特に問題のある書き込みのおもな事例は、学校行事の集合写真など肖像権侵害にあたる恐れがある投稿、特定の人物に対する誹謗・中傷、危険行為や喫煙・飲酒を連想させる投稿など。具体的には、レベル2が「自分自身の詳細な個人情報の公開」3件、「他人の個人情報の公開」19件、「個人を特定した誹謗・中傷」11件、「情緒不安定等」6件、「暴力・問題行動」27件、「わいせつ表現」8件。レベル3に該当する緊急性のある少年の刑事事件、自殺に係るものなどは9件あった。
問題のある書き込みをしている人数を性別でみると、男子604人、女子555人、不明31人。学年別では、中学2年生224人、高校1年生218人、中学3年生170人、不明205人など。
千葉県では、特に問題のある書き込み(レベル2、レベル3)を発見した場合、教育委員会などに連絡し、削除を含めた生徒への指導を依頼。事件性・緊急性が高いものは、学校や教育委員会、警察など関係機関と早急に対応している。
依然として問題のある書き込みが多くみられるため、2025年度も引き続き、生徒間でよく使われる学校名の略称や文化祭などの行事名をキーワードに活用して調査するなど、効果的なネットパトロールを継続してトラブルの未然防止を図り、子供たちの指導や保護につなげる。また、千葉県の各種相談窓口の周知を図り、悩みや不安を抱える青少年の早期発見・支援に努めていくとしている。