学情は、2026年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象に、最新の「内々定の獲得状況」についてインターネットアンケートを実施した。5月末時点の内々定率は「80.1%」となり8割に達した。前月から5.2ポイントの増加であるが、前年同時期を1.2ポイント下回った。文理別では、理系が前月比8.7ポイント増の「91.7%」と大きく伸び、9割を超えた。一方、文系は前月比3.6ポイント増の「74.4%」にとどまり、文理の差が広がった。
就職活動を続ける学生は、前月比5.8ポイント減の「45.3%」に減少し、今シーズン初めて5割を下回った。その分、内々定を獲得し就活を終了した学生が同8.5ポイント増の「51.8%」となった。6月1日の採用選考解禁を前に5割超の学生が就活を終えており、政府が呼びかける就活ルールの形骸化が進んでいる。
5月末時点の内々定率は「80.1%」で、就活ルール上の採用選考解禁日の6月1日を前に8割に達する高い値となった。しかし、現在の就活スケジュールでの過去最高値を毎月更新してきた今シーズンの調査で、前年同時期(81.3%)を下回ったのは初めてである。内々定出し早期化の勢いはやや鈍った形だ。
5月末の内々定率が前年同時期を下回ったのは、文系の伸び悩みが要因である。文理別にみると、文系は前月比3.6ポイント増の「74.4%」にとどまり、前年同時期より3.8ポイント低い値となった。これに対し、前月伸びが止まった理系は前月比8.7ポイント増の「91.7%」と急伸し、早くも9割を超えた。文理の差は、3月末時点の19.5ポイントについで高い17.3ポイントであった。
「就職活動をしている」学生は、前月比5.8ポイント減の「45.3%」と5割を下回った。その分「内々定を獲得し就活を終了」した学生は、同8.5ポイント増の「51.8%」で5割超に。文理別では、文系が「54.5%」と、まだ比較的多くの学生が継続している一方、理系はその半分に満たない「26.7%」。前年同時期の45.2%を大きく下回った。理系学生4人のうち1人ほどしか継続しておらず、理系就活の早期化が際立つ結果となった。
調査は2025年5月23日から5月31日にかけて行われ、322件の有効回答が得られた。調査方法はインターネットでのアンケート調査である。