【大学受験2026】総合型・推薦型の学力テスト、条件付きで2/1以前実施可能に…旺文社

 旺文社教育情報センターは2025年6月6日、「2026年入学者選抜実施要項 公表!」をWebサイトに掲載した。文部科学省が6月3日に公表した「2026年度(令和8年度)大学入学者選抜実施要項」をもとに、2026年度の大学入試における変更点やポイントをまとめている。

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 旺文社教育情報センターは2025年6月6日、「2026年入学者選抜実施要項 公表!」をWebサイトに掲載した。文部科学省が6月3日に公表した「2026年度(令和8年度)大学入学者選抜実施要項」をもとに、2026年度の大学入試における変更点やポイントをまとめている。

 「大学入学者選抜実施要項」(以下、実施要項)は、その年に行われる大学入試のルールを示したもの。2026年度実施要項の最大の変更点は、学力テストの「2月1日ルール」だ。これまでも実施要項では各教科の学力テストの実施日を「2月1日から」としてきたが、何年もの間、特に総合型・推薦型では2月1日より前に学力テストを実施する大学が散見された。今回、文科省はこの問題の対応を検討。結論として、総合型・推薦型については、条件付きで「2月1日より前」の学力テストの実施を認めると明記した。

 旺文社教育情報センターのまとめによると、「2月1日ルール」のおもな変更点は、実施要項内での各教科の学力テストの表記を昨年(2025年度入試)までの「個別学力検査」から、「教科・科目に係る個別テスト」とより具体的に変更。学力テストの実施日は従来の「2月1日~3月25日」で変更はないが、2026年度より、総合型・推薦型で学力テストを課す場合は、調査書等に加え「小論文、面接、実技等」や「本人・高校記載の資料等」と組み合わせて「丁寧」に評価することを条件に、2月1日より前でも可、となっている。

 また、年内に実施される総合型・推薦型では、まだ授業が終わっていないという問題が大きかったが、実施要項では出題科目や範囲には踏み込まず、「高校教育に配慮せよ」という一文を付け加え、高校教育への影響や志願者への負担に配慮するよう注意喚起している。小論文等についても、もっぱら教科・科目の知識を問う内容であってはならないとしている。

 そのほかの変更点として、総合型・推薦型の趣旨が変更された。総合型は昨年まであった「入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」という記述が削除され、単に「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせた入試方法」となった。旺文社教育情報センターは、「総合型とは何か、という部分に対する答えがなくなってしまった印象」と分析している。一方、推薦型は、新たに「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく、特定の大学・学部等で教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を有する入学志願者を高等学校長が判断するもの」との一文が追加に。大学側は推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項等で示す必要が出てくることになる。

 また、学校教育法施行規則の改正により、「入学者の選抜に関すること」が大学が公表すべき情報として追加され、公表が制度上も義務に近づいた。詳細な規定は書かれていないが、「小論文のテーマや口頭試問の内容についても積極的に公表することがも望ましい」とされている。

 旺文社教育情報センターによる分析は、同機関のWebサイトに掲載。2026年度(令和8年度)大学入学者選抜実施要項は文部科学省のWebサイトから見ることができる。

《畑山望》

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