日本学生支援機構(JASSO)は2025年8月29日、台風12号で被災した学生などへの支援策を公表した。災害救助法適用地域世帯の学生に対する「家計急変採用」「緊急・応急採用」の奨学金、奨学金返還者からの「減額返還・返還期限猶予」、住居被害を受けた学生への「JASSO災害支援金」の申請を受け付ける。
2025年台風第12号にともなう災害について、政府は8月21日、南さつま市に災害救助法を適用した。これを受け、JASSOは8月29日、被害を受けた学生などへの支援策を示した。
給付奨学金「家計急変採用」と貸与奨学金「緊急・応急採用」は、今回の災害で家計が急変し、奨学金の給付または貸与を希望する災害救助法適用地域の世帯の学生などが対象。学生などとは、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)に在学している人。返還不要の給付奨学金「家計急変採用」は、給付奨学金の対象校(確認大学等)であることが必要。貸与奨学金「緊急・応急採用」は、緊急採用は第一種奨学金(利子なし)、応急採用は第二種奨学金(利子あり)で受け付ける。いずれも在学校を通じて申し込む。
なお、災害救助法の適用を受けない近隣の地域で、同等の災害に遭った世帯の学生など、並びに同地域に勤務し勤務先が被災した世帯の学生などで同等の災害に遭ったものについても、適用地域に準じて取り扱う。
今回の災害で奨学金の返還が困難になった人は、月々の返還額を少なくして返還期間を延長する「減額返還制度」、一定期間返還を先送りする「返還期限猶予制度」が利用可能。希望者は「奨学金減額返還願」または「奨学金返還期限猶予願」をJASSOに提出する。
「JASSO災害支援金」は、今回の災害で学生本人や父母などが居住する家が、半壊(半流出・半埋没・半焼失を含む)以上の被害を受けたり、床上浸水となったり、自治体からの避難勧告等が1か月以上続いた人(外国人留学生を含む)に、返済不要の支援金10万円を支給する。在学校を通じて申請する。
支援策の詳細は、JASSOのWebサイトから確認できる。