2026年度(令和8年度)東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が、2026年2月21日(土)に実施された。東京都教育委員会が同日に発表した受検状況によると、全日制の募集人員は3万337人、最終応募者数3万8,030人のうち3万5,310人が受検し、受検倍率は1.16倍だった。
リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査・進学指導重点校「立川高等学校」の講評を速報する。このほかの共通問題(全5教科)と進学指導重点校(全7校)の自校作成問題についても同様に順次掲載する。
立川高等学校<英語>講評

1.リスニング問題:小問数5
問題Aと問題Bの二部構成です。問題Aは設問ごとの対話文と質問を聞いて、与えられた選択肢から答えを選ぶ形式が3つあります。問題Bはある外国人の先生のスピーチと質問を聞いて適切な答えを選ぶ問題と、英語で答えを記述する問題が1つずつあります。形式は2017年から変わっていないため、日ごろから英語の発音に耳を慣らしておくとともに、質問に対する答えを英語で簡潔に書く練習を数多く行うことが全問正解の鍵となります。
2.対話文の読解(約1550語):小問数9
ソフトロボティクス(ゴムやシリコンを使ったロボット技術)に関する対話文です。対の関係になるハードロボティクスも含めた定義や具体例など、理系分野の内容理解が問われています。例年出されていた4つの連続する文の正しい順番を選ぶ問題は、1つのセリフ内での出題に変わりました。本文の一部を説明した短い文章の空所に入る表現を本文から抜き出す形式は都立立川高で頻出です。長文2つの総語数が2025年から約400増えているので、選択問題を素早く解くことが高得点の鍵となりました。
3.物語文の読解(約1450語):小問数9
サトウキビの収穫体験をした主人公が、バガスと呼ばれるサトウキビの搾りかすの活用法を学び、リサイクルの大切さを考える物語文です。バガスと他の素材の違いを意識して読み進める必要があり、説明文の読解に近い内容理解が求められました。2025年に出題があったイラストを選ぶ形式はなくなりましたが、並べかえ英作文や本文の内容に合う選択肢の組み合わせを選ぶ問題など、出題傾向はほぼ例年通りです。15~20語の英語を空所に入れてプレゼンテーションの原稿を完成させる英作文は、本文中の表現を活用できたかどうかがポイントでした。語数が増えた分、よりスピードが求められましたが、難度に大きな変化はありません。

立川高等学校<数学>講評

1.小問集合
〔問1〕式の値、〔問2〕データの活用、〔問3〕確率、〔問4〕作図と、ここ3年同じ構成の大問でした。いずれも標準的な内容でしたので、手早く完答を目指したいところです。
2.二次関数
2つの放物線と放物線上の4点についての問題でした。〔問1〕は基本問題で、素早く解きたいところです。〔問2〕は等積変形の記述問題で、類題を解いたことがある受検生も多かったことでしょう。〔問3〕も関数の問題として頻出のテーマでしたが、作業量が多いため、計算ミスに気を付けて点を重ねたい問題でした。
3.円
円に内接する三角形とその頂点から引かれた垂線に関する問題でした。〔問1〕は設定に対応した図に書きなおして丁寧に解き進めたいところでした。〔問2〕は証明問題でしたが難度は高くなかったため、要点を押さえながら正しく記述できたかどうかで差がついたと思われます。〔問3〕は図形の回転に関する問題で、回転する図形や回転後の図形の把握に手間取った受検生もいたかもしれません。
4.平面図形・空間図形
正六角形の一部を底面とする柱体に関する問題でした。〔問1〕は正六角形内の線分の長さを求める問題で、図形内にできる角度に着目して素早く解きたいところです。〔問2〕(1)は柱体内の点の距離に関する記述問題で、2点の位置関係を正しく見極めるのが難しかったかもしれません。〔問2〕(2)は柱体を2つに分けた時の体積比に関する問題で、分割された立体の形から体積を導くことができれば正答することは難しくなかったと思われます。

立川高等学校<国語>講評

1.漢字の読み取り
例年通り計5問が出されています。非常に難度の高い熟語も含まれているため、標準レベルのもので着実に得点しておく必要があります。
2.漢字の書き取り
日常生活ではあまり使わない語句を含む計5問が出されています。日頃から漢字や語句の知識を積み重ねておくことが大切です。
3.関かおる『みずもかえでも』
女性ゆえの困難を抱える落語家とそれを支えようとする主人公の関係を描いた小説です。会話文中心の文章であるため、読み取りに難しさはありません。設問は6問すべて記号選択で、いずれも標準的な難度のものでした。
4.厚東洋輔『社会認識と想像力』
地図を例として、私たちがどのように社会を認識しているかについて述べた論説文でした。文中に専門的な用語が含まれており、読みにくさを感じた受検生もいたと考えられます。ほかの都立進学指導重点校とは異なり作文は出されませんが、そのぶん長めの記述が2問出されていることに加え、記号選択も2025年より1問増加しているため、時間のかかる大問でした。
5.渡部泰明『和歌とは何か』
2022年と同じ筆者による、和歌の表現技法について述べた文章でした。複数の和歌が具体例として引用されていますが、口語訳も添えられているため読みにくさはありません。7問すべてが記号選択で、口語文法や熟語の組み立てに関する知識問題も含まれています。新傾向として、文中で示された表現技法の定義をふまえつつ、その具体例を答える問題が出されています。

このレポートは、2026年2月22日(日)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。
協力:SAPIX中学部
東京都立高校入試講評(2015~2026年)

