「脱・パターン」「多様な併願」の2026年度中学入試、今後も注目すべき学校は?

 サンデーショックに起因して多様な併願パターンが花開いた2026年度の中学受験。各エリアの人気校や出題傾向の変化など、今年の中学入試を森上教育研究所所長の森上展安氏と個別指導塾TOMASが分析。今後も注目すべき学校とは。

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個別指導塾TOMASは2026年2月22日、ホテルハイアットリージェンシー東京にて「中学入試最新分析報告会2026」を開催した。
個別指導塾TOMASは2026年2月22日、ホテルハイアットリージェンシー東京にて「中学入試最新分析報告会2026」を開催した。 全 12 枚 拡大写真

 個別指導塾TOMASは2026年2月22日、ホテルハイアットリージェンシー東京(新宿)にて「中学入試最新分析報告会2026」を開催した。イベントでは、森上教育研究所所長の森上展安氏による入試解説や、2026年度入試を終えたばかりの受験生親子へのインタビューが行われた。

 2026年度の中学入試最大のトピックは、何と言っても「サンデーショック」だろう。多くの学校において試験日として設定している2月1日が日曜日であったことで、キリスト教系の学校を中心に入試日の変更が相次ぎ、例年では実現しない併願パターンが多く見られた。さらに明治大学世田谷(旧・日本学園)の共学化や東京都市大付属の入試形態の変更など、共学校にも変化があり、受験地図が大きく動いた1年となった。本記事では、森上展安氏による特別講演と難関中合格者インタビューの2部構成で行われたイベントの概要をレポートする。

首都圏の受験率は15.2%の高止まり

 1都3県の受験者数は4万2,480名(暫定値)、受験率は15.2%。前年から受験者数はやや減少したが、受験率は横ばいで推移しており、依然として高止まりの状態だ。

 森上氏によると、東京の受験者数が微減した背景にはサンデーショックがあると言う。女子学院や東洋英和女学院といったキリスト教系の学校が入試日を2月2日に移したことで、2月1日の募集定員そのものが約400名分少なくなった。ただし、受験者の減少は90名程度にとどまっており、業界として当初想定していたほどの影響はなかった。

 森上氏は、今後について、現在議論されている私立高校の就学支援金が全国的に所得制限なしで支給されることに注目。「支援金が広がれば私学を選ぶ家庭が増える。特に都心周辺部での中学受験率がさらに上がるのではないか」と、少子化にもかかわらず受験熱が冷める気配はないとの見方を示した。

分析報告会に登壇した森上教育研究所所長の森上展安氏

入試問題は「脱・パターン学習」の時代へ

 科目別の出題分析では、「脱・パターン学習」と「その場で考える力」、高度な「読解力」と「情報処理能力」、そして「実社会とリンクした題材・時事」というポイントが示された。

 森上氏は「10年単位で見ると入試問題は大変難しくなっている」と指摘した。たとえば今年の算数の出題では、立体図形の出題が増加し、国語では説明文と物語文という異なるジャンルの文章を組み合わせて読ませる問題が目立った。また、戦争をテーマにした出題が、社会科ではなく、国語で多く見られたことも今年の特徴だという。

 こうした傾向の背景について森上氏は「共通テストの難化にともない、同じことが中学受験でも起こっている」と分析。大学入試改革の波が、確実に中学入試にも押し寄せているとの考えだ。

開智所沢の勢い止まらず、受けやすさが魅力の埼玉入試

 1月10日に始まる埼玉入試は、10日に受験が集中し、前年比で約1,400名の増加となった。

 栄東は男子3,326名・女子1,413名と志願者数はやや減少したが、実倍率は男子1.5倍・女子1.6倍。「受けやすい倍率。そこがやはり埼玉入試の魅力だろう」と森上氏は評する。注目は開智所沢で、男子2,583名(前年比114.3%)・女子2,004名(同108.1%)と引き続き勢いを見せた。

2026年度の埼玉県の中学入試受験者動向

 女子では、かつて「圧倒的に浦和明の星」だった勢力図に変化の兆しが見られた。森上氏は「淑徳与野が医学部クラスの新設などで盛り返している。東京と同じで、ミッション系が強かった時代から、女子も進学校を志向する流れが出てきている」と指摘した。

渋幕の存在感際立つ千葉入試、埼玉とは対照的な高倍率

 千葉入試はほぼ前年並み。しかし埼玉と比べて際立つのが倍率の高さだ。

2026年度の千葉県の中学入試受験者動向

 渋谷教育学園幕張は男子1,391名(前年比107.3%)で実倍率2.8倍、女子608名で実倍率3.2倍。「東大実績が秀でており、都内や神奈川の学校と併願して受験する傾向は年々強まっている」と森上氏は語る。渋幕の他にも、市川や昭和秀英など中学募集が中心の学校が揃う千葉エリアは、都内まで出なくても東京と遜色のない中高一貫校の選択肢がある点も魅力だ。

東京・神奈川男子は昨年並み…麻布の東大実績が来年に波及か

 男子難関校は「首都圏全体の中でもっとも受験生が多い層」と森上氏。昨年やや減少気味だった受験者数は「昨年並みにとどまった」という印象だ。

 開成は1,272名(前年比103.1%)で実倍率2.7倍。麻布は750名で実倍率2.0倍。森上氏が特に注目するのは麻布の今後だ。「志望校選びに影響するのは、子供が5年生のときに目にした大学合格実績。とりわけ東大の合格者数は、その学校を志望する大きな後押しとなる。麻布は2025年度の大学入試において東大合格者数を大きく伸ばしており、それを見た当時の小学5年生が来年の受験で麻布を志望する可能性が高い。麻布の志願者は来年には相当増えると思う」と予測した。

2026年度の東京都・神奈川県の中学入試受験者動向(男子)

 駒場東邦は615名で実倍率2.0倍。問題の構成が丁寧で、取り組みやすいとの評価だ。神奈川では聖光学院・栄光学園ともにやや減少し、「東京の学校に引っ張られた面がある」との見方を示した。

サンデーショックで「多様な併願」が花開いた、東京・神奈川女子

 今年もっとも注目すべきは、サンデーショックに起因する女子校の併願パターンの変化だ。

 女子学院は2月2日に入試を実施し、志願者1,088名(前年比154.1%)、実倍率2.9倍。前年の2.3倍から跳ね上がった。桜蔭は599名(同110.5%)で実倍率2.0倍、雙葉は435名(同111.8%)で3.1倍と、いずれも志願者を増やした。

2026年度の東京都・神奈川県の中学入試受験者動向(女子)

 2015年のサンデーショックでは「桜蔭と女子学院」「雙葉と女子学院」の併願が主流だったが、今回はそうした従来型のパターンが「20%ほど減ったとの分析もある」と森上氏は言う。代わりに台頭したのが、定員を拡大した洗足学園や、豊島岡女子との併願だ。森上氏は「非常に多様な併願パターンが増えた。それぞれの学校が独自の魅力を打ち出してきた結果だろう」と、今年のサンデーショックを単なる日程の問題ではなく、受験地図そのものの変容として捉えた。

注目校…明大世田谷が「大旋風」、早実は女子大幅増、山脇の「すごい変化」

 大学附属校の話題を独占したのは、共学化初年度の明治大学付属世田谷(旧 日本学園)だ。森上氏は「相当な人気」と評し、世田谷・湾岸エリアの人口増加との関連にも言及。「このあたりに住む家庭は近隣の複数校を併願するケースが多い。人口動態との兼ね合いにも注目してほしい」と述べた。

 早稲田実業は女子274名(前年比124.0%)と大幅増で、実倍率4.3倍の激戦。サンデーショックによる入試日程変更で女子学院と早稲田実業を両方受験できるという、例年では不可能な併願を実現できたことが大きい。森上氏は「早稲田実業はそもそも女子に人気が高い。入試日程のおかげで、女子学院と併願した受験生も多かったのでは。今年も活気があって、かつ難しい入試だった」と振り返った。

2026年度の早慶大附属の中学入試受験者動向

 慶應義塾普通部は574名(同85.0%)で前年の急増からの反動減。近年、合格者平均点などの情報公開に踏み切ったことで話題になった同校について「かつてあった入試にまつわる都市伝説が払拭され、非常にオープンな入試になっている」と評価した。

 渋谷教育学園渋谷について森上氏は「東大合格実績を見れば、完全にAランク」と太鼓判を押す。御三家に合格しても渋渋や渋幕に進学するケースも増えており、とりわけ女子の学校選びにおける選択肢の広がりを象徴していると話す。

 東京都市大付属は入試制度の変更が奏功し、午後入試で1,309名(前年比128.5%)と大幅増。広尾学園は「国際系の先頭を走っている学校」として引き続き高い支持を集めた。

 そして森上氏が「何と言っても」と力を込めたのが山脇学園だ。志願者395名(前年比137.6%)、実倍率4.3倍と全日程で増加。「学校の戦略・分析が素晴らしい。SNSの時代で学校のイメージが変わるスピードが速くなっている。今では十年一昔とは言っていられない。『数年一昔』のスピードで変化している」とし、山脇学園の受験生に寄り添った情報発信などの取組みを評価した。

2026年度の中学入試受験者動向(その他注目校)

森上氏から受験生へ「親御さんも笑顔で走って」

 講演の最後に森上氏は「お子さんと一緒に走るとき、親御さんも笑顔でいてほしい。子供は親の表情を非常によく見ている」と語りかけた。大学入試では推薦やAOなどの年内入試が拡大している現状にも触れ、「学校選びは非常に多様になっている。我が子に合った学校選びと、上手な併願で成功を勝ち取ってほしい」と締めくくった。

合格者インタビューから垣間見える、中学受験親子のリアルな姿

 第二部では、TOMASで学び難関中に合格した4名の生徒とその保護者へのインタビューが行われた。冒頭、TOMAS教務本部の扇谷洋平氏は、2026年度、リソー教育は最難関中学に60名以上、早慶附属に79名の合格者を輩出したと報告。加えて「志望校の過去問演習にしっかり時間をかけ、受験プラン全体の備えがしっかりしていた生徒が合格した」と総括した。

Tさんとお母さま(開成・栄光学園合格)「プロの意見を信じて正解だった」

 小4の夏にTOMASに入会したTさん。きっかけは小3のころ、算数のグラフの読み方についてわからない部分があり、自分なりの解釈をもって学校の先生に相談したところ一蹴されてしまったこと。算数は好きなのに、求めていた指導が受けられずモヤモヤするTさんを見て「この子に勉強させるなら今がチャンス」と感じたお母さまが複数の塾を回り、「ここなら息子の話をしっかり聞いてくれる先生がいる」とTOMASを選んだ。

 志望校について、当初は漠然とした憧れで開成を目指していたが、TOMAS独自のカリキュラムにそって学習を進め、小5の夏から過去問演習に着手。志望校を本格的に意識し始め、筑駒と開成は10年分、栄光学園は6~7年分を解き込んだ。

 2月1日に開成、2日に栄光学園を受験し、ともに合格。進学先には、栄光学園を選んだ。文化祭や説明会に何度も足を運び、「自分にいちばん合っている」と感じたからだという。お母さまは「いろんな情報が溢れる中で、最終的にプロの意見を信じて正解だった。担任の先生なしでは合格はなかった」と語った。

Kさんとお母さま(桜蔭・吉祥女子合格)「目の前のテストで満点を取る積み重ねが合格につながる」

 Kさんは小3の秋から集団塾に通い、小4の秋からTOMASを併用。TOMASでは得意な算数を「予習型」で先行して進め、集団塾の授業に「わかっている状態」で臨むことで自信を育てた。小6からは苦手な国語に切り替え、過去問の記述対策に集中した。Kさんは「目の前のテストで良い成績をとることに注力した。その積み重ねが合格につながった」と話す。

 2月1日の桜蔭の試験本番では「4科目すべてベストを尽くせた」と手応えを感じたが、両親にはあえて「合格できないかも」と報告したという。「期待させておいて落ちるのは嫌だった」という言葉に、12歳なりの繊細さが垣間見えた。お母さまは「私も不安だったが、それを子供には見せず、担任の先生にすぐ相談することで解決していた」と感謝を伝えた。

Hさんとお母さま(麻布・栄光学園合格)「努力の継続は大事です」

 小2の春からTOMASに通い始めたHさん。麻布を目指したきっかけについて、「友達が『麻布に行きたい』と言っていたのを聞き、自分も行きたいと思った。当時は受験が必要とは知らなかった」と話す。

 TOMAS入会当初は受験をするかも未定だったため、先取りよりも本質的な理解を重視した授業を続けた。その蓄積が花開いたのは6年生。「ググっと算数の成績が上がった」とお母さまは振り返る。扇谷氏は「パターンで覚えた子と深く理解した子では、過去問を解く段階で大きな差が出る」と解説した。

 1月は市川と昭和学院秀英で不合格と苦しい結果だったが、担任と練り上げた受験プランにそって、2月は麻布・栄光学園と連勝。ときには家庭学習をサボり、お母さまの堪忍袋の緒が切れて「リモコンが飛んできた」こともあったというが、最後は「努力の継続は大事です」と晴れやかな笑顔で締めくくった。

Nさん(女子学院・市川合格)とお母さま「最後の1秒まで諦めずに手を動かして」

 千葉県在住のNさんは、市川と早稲田実業を第一志望に据えていた。通常年なら同じ2月1日で入試日が重なる早稲田実業と女子学院が、サンデーショックのおかげで両方受験できたのは幸運だったと話す。

 小5の冬にTOMASに入会。兄の受験時に他の個別指導塾で苦い経験をした教訓から、早めにTOMASを選んだという。小6の夏以降は過去問の直しを中心に学習を進め、担任と相談しながら受験プランを組み立てた。自分で学習を進めたいタイプのNさんに対し、お母さまは過去問リストを手書きで作成してそっと差し出すなど、さりげない後方支援に徹したという。Nさんは受験生へ「最後の1秒まで諦めずに手を動かして」とメッセージを贈った。

合格者・保護者にインタビューするTOMAS教務本部の扇谷洋平氏

TOMASの「担任制」と過去問重視の合格メソッド

 4組のインタビューで繰り返し登場したのが「担任」というキーワードだ。TOMASでは授業を担当する講師とは別に、授業をもたない社員が「担任」として各生徒・各家庭に1人つき、受験に向けた学習プランの設計、試験スケジュールの検討、保護者が抱く不安へのサポートまで一手に担う。扇谷氏は「同じ内容でも、親に言われると反発するのに先生に言われると素直に聞く。担任という存在をうまく使って、受験を乗りきってほしい」と語った。

 過去問対策については「第1志望は最低10年分、推奨15年分。第2・第3志望は最低5年分、推奨10年分」を方針として掲げる。1対1の個別指導で単元学習を早期に終わらせ、過去問を繰り返す時間を最大限確保する。それがTOMASの合格メソッドだ。


 2026年度の中学入試は、11年ぶりのサンデーショックをはじめ、例年以上に多くのトピックスに彩られた。併願パターンの多様化は、受験生ひとりひとりに合った戦略がこれまで以上に重要になっていることを意味する。個別指導によるプロのサポートがますます重宝されそうだ。

 TOMASの「中学入試最新分析報告会」は、中学受験を希望していれば塾生以外も無料で参加できる。また、年間を通じて中学受験に関するセミナーやイベントも開催している。子供それぞれに合わせた学習計画など、個別指導によるサポートの手厚さは「受験は未定、検討中」というご家庭にとっても有意義なものだろう。ぜひ一度足を運んでみてほしい。

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《田中歌耶子》

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