スプリックス教育財団は2026年4月8日、「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子供国際調査2025」の結果を公表した。日本を含む6か国の小学4年生を対象に算数の学習課題を分析したところ、国内外ともに「覚えなければいけないことが多すぎる」という暗記量の負担感が最大の課題であることがわかった。
調査は2025年4月から7月にかけて実施。アメリカ、イギリス、フランス、南アフリカ、中国の5か国ではインターネットパネル調査を、日本では学校調査を行い、小学4年生と中学2年生およびその保護者を対象とした。サンプル数はパネル5か国が計1,500組、日本の小学4年生が約200組。
算数の勉強で抱える課題について尋ねたところ、パネル5か国では「覚えなければいけないことが多すぎる」が48.9%で最多となった。ついで「わからない点の解消法が不明」「上手な勉強法が不明」が続き、暗記量や勉強方法に強い課題感を持っていることがわかった。日本でも「覚えなければいけないことが多すぎる」と「上手な勉強法が不明」がともに30.2%で最多となり、同様の傾向を示している。
一方で、日本は全体的に課題を感じている割合が低く、特に「何のために勉強しているのかわからない」という目的の不明瞭さを抱える子供は6.2%に留まった。多くの日本の子供が学習目的を把握している一方で、暗記の負担感や効率的な学習方法の習得が課題となっている。
計算力との相関をみると、全対象国で計算力が低い層ほど課題を感じる傾向がみられた。計算力層による肯定率の差が最も大きかった課題は、パネル5か国では「わからない点の解消法が不明」(22.7ポイント差)、日本では「覚えなければいけないことが多すぎる」(27.8ポイント差)だった。暗記への苦手意識の克服や、不明点を解決する手法の獲得が、計算力向上の鍵になると示唆されている。
家庭の社会経済的背景(SES)との比較では、日本の特徴が顕著に現れた。パネル5か国ではSESによる差は小さいが、日本では高SES層と低SES層で肯定率の差が15ポイント程度開く設問もあった。特に日本の高SES層は課題感が非常に低く、算数を単なる暗記ではなく本質的に理解する機会や、将来の目標と結び付ける機会を得ている可能性が高い。
調査結果を受け同財団は、家庭環境による学力格差を克服するため、中・低SES層の子供たちに対しても、公教育などを通じて「主体的な深い学び」や「個別最適なサポート」を提供していく必要があると指摘している。特に日本においては、自身の学力を客観的に把握しているからこそ基礎力不足を感じている層に対し、家庭外からの十分な支援が求められる。
同報告は、同調査に基づく12回目の報告。スプリックス教育財団では今後も、計算力と相関がある意識や行動を探り、家庭環境を克服するレジリエンス(困難に立ち向かう力)の要因を解明していくとしている。

