「他者の靴を履く」経験が未来を変える…青山学院大学地球社会共生学部が全員アジア留学を貫く理由

 地球×共生と学びを支える3つの柱をもつ青山学院大学地球社会共生学部。時代の流れの中で生まれた学部だと話す松永エリック・匡史学部長と現役学生への取材をもとに、同学部の教育の真髄に迫る。

教育・受験 高校生
PR
青山学院大学地球社会共生学部 「他者の靴を履く」経験が未来を変える
青山学院大学地球社会共生学部 「他者の靴を履く」経験が未来を変える 全 5 枚 拡大写真

 国境を越えて押し寄せる課題に、私たちはどう向きあえば良いのか。従来の枠組みが揺らぐ時代、求められるのは、地球規模の視野と他者と共に歩む姿勢を併せもつ人材だろう。

 青山学院大学の地球社会共生学部(School of Global Studies and Collaboration=GSC)は、独自の留学制度や少人数教育を通じて、まさにそうした力を育む学部として2015年相模原キャンパスに開設された。松永エリック・匡史学部長と現役学生への取材をもとに、同学部の教育の真髄に迫る。

青山学院大学地球社会共生学部(GSC)
松永エリック・匡史教授…地球社会共生学部長
戸島叶深さん…地球社会共生学科4年(松永エリックゼミ)
高橋万旺さん…地球社会共生学科4年(松永エリックゼミ)
※学年、所属学科、研究室はインタビュー当時の情報である。

地球×共生…学部名に込めた思いと、学びを支える3つの柱

--地球社会共生学部という学部名がユニークです。これにはどのような思いが込められているのでしょうか。

松永エリック・匡史教授

松永エリック学部長地球社会共生学部は、まさに時代の流れの中で生まれた学部です。戦争、食糧や資源枯渇の危機、環境破壊などの社会課題は地球規模で起きているもので、日本にいる私たちの暮らしにも影響が及んでいます。これらは国同士という従来の枠組みでは解決できないものばかりで、今や地球全体で取り組まなければいけません。だからこそ、地球社会共生学部(以下、GSC)では“地球”というスケールで解決策を見出す力を育てることにしたのです。

 さらに、“共生”という言葉には、青山学院大学が掲げる「サーバント・リーダーの育成」というビジョンを反映しています。これからのリーダーシップは上意下達ではなく、多様な人たちと対等な立場で話しをしながら、共に解決策を導き出していくスタイルが求められます。そのためには、共生マインド、つまり「他者の靴を履く(To put yourself in someone’s shoes)」経験を通じて、自分の価値観を問い直し、相手を理解し、広い視点で物事を考えられる力を授けたい。この学部名にはそんな思いが込められています。

--保護者世代にも馴染みのない新しい学部ですが、教育の特徴を教えていただけますか。

松永エリック学部長GSCの教育は、先ほどお話しした理念を具体的なカリキュラムに落とし込んでいます。地球規模で考え、行動できる力を養うために、「英語教育」「アジア地域への留学」「少人数教育による対話型の学び」という3つの柱を据えています。2年次後期の留学に向けて、1年次には少人数指導による英語のレベルアップとグローバル社会の問題を考えるため必要な基礎知識の修得、3年次には留学から持ち帰った課題をゼミでの議論や発表などを通じて深化させ、4年次での卒業研究につなげていくというカリキュラムです。

--「アジア地域への全員留学」は珍しいカリキュラムですね。なぜ「アジア」なのでしょうか。

松永エリック学部長特に保護者世代には、留学といえば欧米というイメージが根強いと思いますが、今、世界経済の最前線はアジアです。一昔前とは異なり、アジアの都市部には先進国と変わらない光景が広がっており、人口も増えていて勢いがあります。ですから、日本の学生がアジアに属する一員として、そのポテンシャルと可能性に満ちた現場を知ることには大きな意味があると考えたのです。

 先ほど触れた“地球”という視点に立てるようになるには、留学を通じて海外に対するハードルを下げ、自分と世界との境界線を限りなく無くしてほしいからです。日本の当たり前が通用しない中でも普通に暮らしていけること、言葉や文化が違っても友情は育めること…そんな肌感覚の体験をしてほしいと思い、原則全員留学というカリキュラムを組みました。

--協定校にはアジアのトップ大学が並んでいるのも特徴的です。

松永エリック学部長そこはもっともこだわったところです。なぜなら留学は「誰と何を学ぶか」がとても大事だからです。タイのチュラーロンコーン大学やタマサート大学、マレーシアのマラヤ大学など、各国トップの大学には優秀な学生や研究者が集まり、英語力はもちろん、勉強への熱量や議論の質も高い。2026年からは、インドネシアの名門であるガジャ・マダ大学が新たに協定校に加わります。こうした環境で学べば、留学は異文化体験にとどまらず、アカデミックな成長にもつながります。多様なバックグラウンドをもつ学生と本気で議論する経験に価値があるのです。

受験英語からの脱却…GSCで鍛える"世界で通用する"英語力

--今日は、松永エリックゼミの学生お2人にも来ていただいています。まずは、地球社会共生学部を志望した理由を教えてください。

戸島叶深さん 地球社会共生学科4年(松永エリックゼミ)

戸島さんいちばん魅力を感じたのは、実際に起きている社会課題を起点に何を学ぶかを考えていくアプローチです。また、まだ新しい学部ということもあり、これから学生も一緒にGSCを作っていくというスタンスにも惹かれました。「GSC学生連合」という学生主体の組織があり、学部の運営や教育内容に対して学生の意見を反映できる場になっていて、この学部でしか得られない経験ができるかもしれないという期待感もありました。

高橋さん私は、何を学ぶか以上に、どういう人に出会えるかに重きを置いて、ここで学びたいと思える教員がいるか、そして一緒に学ぶ学生がおもしろいかという2点で大学を選びました。GSCに決めたのは、エリック先生がいたこと、入試問題が国際的な課題に対してデータをもとに自分なりの視点で論じるという内容で、これを解いて入学してくる人たちならきっとおもしろい人が多いだろうと思ったからです。

--留学先の大学では授業が英語ということで、留学資格を得るためには英語資格試験(IELTS)で所定のスコアをクリアしなくてはいけません。お2人はどのようにして英語力を高めていったのでしょうか。

戸島さん高校までの英語の勉強はリーディングが中心でしたが、大学ではスピーキングとライティングを集中的に鍛えられました。1年次は学習量が多く、まさに英語漬けでしたが、サポートも手厚かったので、英語への不安は次第に薄れていきました。2年次には、実際に留学先で必要になる講義中のノートの取り方やディスカッションの進め方なども教わったので、留学中はとても役に立ちました。

高橋さん私も、高校時代までやってきた受験英語とは違い、かなり実践的な英語力をGSCで鍛えてもらったという実感があります。留学先では英語で授業を受け、ノートをまとめ、質疑応答したり、自分の意見を伝えたりしなくてはいけないので、留学前に英語でアウトプットする力を伸ばしてもらえたのはありがたかったです。

松永エリック学部長全員留学するので、できる学生だけを伸ばすのではなく、全員ができるようにしなくてはいけません。そのため、1年次には留学の条件となるIELTSのスコアアップを目指し、熟練したネイティブ講師による英語教育が週6コマ(90分/1回)実施されます。さらに、戸島さんが言ったように、留学が目前に迫る2年次前期からは週4コマで、読解、ディスカッション、プレゼンテーション、レポート作成なども含めた、留学先で必要となるアカデミックスキルも身に付けてもらいます。ハードですが、すべての学生の英語力を高い水準に引きあげられる非常にクオリティの高い英語教育を提供できていると自負しています。

高橋さんGSCの英語の授業は、英語を学ぶのではなく、英語“で”学ぶための力が格段に身に付きます。英語以外にも、アカデミックライティングやグループワーク、プレゼンテーションのフレームなどを学ぶ「基礎演習」という授業も受けます。大学に入るまでこうしたスキルを体系的に学べる機会がなかったので、留学中は大いに助けられました。

戸島さん:GSCでは、今高橋さんが触れた「基礎演習」も英語の授業も20名程度の少人数クラスなので、教員と学生の距離がとても近く、発言の機会や対話が多くあります。1年次は毎日顔を合わせるので学生同士も仲良くなり、みんなで頑張っていこうという雰囲気には何度も励まされました。

「おかえり」と出迎えてくれる手厚さ…全員留学を支えるワンチームのサポート体制

--アジアへの留学というと、現地では言葉が通じず、治安や交通、食事、医療体制など、いろいろと不安を感じる保護者の方も多いのではないでしょうか。

松永エリック学部長そうですね。だからこそ、GSCでは万全のサポート体制を敷いています。その中心を担うのが、学務課による留学支援です。ビザの取得から渡航準備、現地との調整、医療保険や留学中の危機管理まで、学部として一括でサポートしています。1学年200名の学生に対してここまできめ細かく対応できている大学は決して多くないと思います。

戸島さん:留学前に実施される「留学準備セミナー」はすごくありがたかったです。現地での生活やトラブル対応、文化や宗教の違い、現地でやってはいけないことなど、かなり具体的に教えていただけるので、不安が大きく減りました。

高橋さん私も不安が山積みだったのですが、ひとつひとつ丁寧に教えてくださり、学務課の方には感謝しかありません。正直「ここまでやってもらえるのか」と驚きました。

松永エリック学部長現地でトラブルが発生したとき、すぐに対応できるかどうか。GSCでは教員と学務課が連携して毎年すべての事例を検証し、サポート体制をアップデートしています。

--それは心強いですね。大学生になれば本人任せになることが多い中、保護者にとっても大きな安心材料です。

松永エリック学部長留学だけではなく、GSCでは定期的にネイティブ教員、日本人教員、学務課が情報共有を行っています。ワンチームで、学生ひとりひとりの授業や出席状況を見ながらその変化を共有し、それぞれの立場でどんな支援ができるかを考えているのです。こうしたところにも、GSCが大切にしている“共生”のマインドが生きていると言えます。

 私は、教育とは「共育」だと考えています。教員と職員、そして学生が一体となって、共に学び、成長していく。共に育つ場として、皆が同じ熱量で向き合っていることこそ、GSCのいちばんの強みです。

戸島さん留学から帰ってきたときには、学務課の方から「おかえり」と声をかけられました。留学先や、現地での状況など事細かに把握してくださっていて、遠くから見守られていたのだなとうれしく思いました。

高橋さん:大学がこうした環境を整えてくれているからこそ、私たちも迷いなく世界へ挑戦できますし、家族も安心して送り出せるのだと思います。

常識が揺らぎ、世界の見え方が変わる…アジア留学で得た「他者の靴を履く」経験

--アジアのトップ大学に留学というのはまだ珍しいと思います。留学中のようすも聞かせてください。

高橋万旺さん 地球社会共生学科4年(松永エリックゼミ)

高橋さん私が留学したタイのカセサート大学ではディスカッションが中心の授業が多くあり、議論そのもののレベルが高く、課題も大変でした。英語力以前に、自分の意見をもっていないと何も発言できず、「あなたはどう考えるのか」「あなたならどうしたいか」と常に問われ続けました。辛く感じることもありましたが、空き時間や週末も「せっかく留学しているのだから日本人とはつるまない」と決めて、現地で知り合った友達と積極的に関わるようにしました。

留学先にて現地の方と

戸島さん私はマレーシアのUTAR大学、おもに経営学を学ぶ学部でしたが、私の場合も座学の授業は少なかったです。座学は最初のオリエンテーションぐらいで、そのあとはキャンパス内で実際に出店して経営の仕組みを体感したり、新たなビジネスを立ちあげるための資金集めをしてみたりと、実践的な授業が中心でとても刺激的でした。

--留学生活を振り返って、自分に起きた変化や成長はどのようなところですか。

戸島さん自分の常識が大きく揺らぎました。日本は同質性の高い国ですが、マレーシアはマレー系・中華系・インド系の3つの主要民族が混在しています。彼らと共に生活したことで、「正解はひとつではない」「相手と違っていても良い」「自分の考えは言葉にして伝える」といった共生のためのコミュニケーションの取り方を学びましたし、お互いの文化をリスペクトしている姿がとても印象的でした。

高橋さん私は、現地でできた友達から「天皇って何?」「日本と東南アジアの戦争の歴史どう思う?」といった話題を振られてもうまく説明できないという苦い経験をしました。母国について理解し、伝えられるようになることがいかに大事かを痛感し、日本人としてあらためて勉強しておかなければと思うようになりました。また、留学中はフィールドワークを通じてローカルな現場も体験できたので、帰国後は「自分は何を解決したいのか」をより深く考えるようになった気がしています。

戸島さん留学先では自分がマイノリティ(少数派)になるという経験も大きかったですね。言語も文化も違い、自分の当たり前が通じない。そうした中で、どう振る舞えば良いか、どうコミュニケーションを取るべきかを深く考えさせられました。他者の立場に立って考えること、冒頭にエリック先生がおっしゃった「他者の靴を履く」という経験ができたと思います。

高橋さん:私も同じような経験をしたからなのか、帰国後は「多様な視点をふまえたうえで、自分なりの考えをもつこと」が大事だと考えるようになりました。授業やゼミで、自分とは異なる考え方に触れるときも耳を傾け、議論を深めていくプロセスを厭わなくなりました。

松永エリック学部長2人が言ったように、留学はそれまで常識だと思い込んでいたことや自分の価値観が揺さぶられるし、マイノリティの立場の弱さや危うさ、孤独や不安を思い知ることができる。まさに“地球”規模の視点や“共生”マインドは、こうした経験をしたからこそ生まれるものです。学生たちは、厳しい環境に置かれて初めて、自分で考え、行動することの大切さに気付き、実践できるようになる。これが留学のもたらすいちばんの成長ではないでしょうか。

留学後も続く挑戦のステージ…実践型ゼミと多彩な教員が導く卒業後の未来

--1年次は集中的に英語とアカデミックスキルを鍛え、2年次にはアジアへの留学と、人間的にも大きな成長を遂げられた印象ですが、留学後はどんな大学生活になっているのでしょうか。

松永エリック学部長GSCでは留学後も成長のタイミングが次々とやってきます。たとえばアントレプレナーシップと事業構想を探究する私のゼミでは、3年次には大手コンサルティングファームと共同で実践型のプログラムに取り組みます。学生たちはグループで新規事業を構想し、テーマ設定から企画立案、最終発表まで1年間かけてやり抜きます。パートナーやシニアマネージャーの方々が本気で関わるので、毎年泣き出す学生がいるほど厳しく詰められることもありますが、これは事業をつくるための“筋力”を鍛え、実社会で求められるレベルの高さを知る時間だと思っています。 4年次は、個人単位で自分の課題を見つけ、卒業論文にまとめて最終発表を行うので、今日の2人もどこまで成長してくるのか楽しみです。

--GSCには、エリックゼミ以外にも、多様なバックグラウンドをもった先生方が多く在籍されていて、ゼミでの学びも多彩ですね。

松永エリック学部長学際的な学部だけあって、GSCの教員の専門分野は非常に多彩で実践的です。駅伝で知られる原晋教授は組織マネジメントやリーダーシップの専門家ですし、国連職員や青年海外協力隊員、国際報道の最前線で活躍していた経験をもつ教員など、おもしろい大人がたくさんいて、学生たちの卒業論文もユニークでチャレンジングなテーマが多いです。

 GSCの学生は学年ごとに高いハードルを次々と超えていくので、学年があがると顔つきもグッと変わっていくんですよ。この成長を間近で見られることが、GSCの教員にとって最大の醍醐味だと思いますね。

--最後に、エリック先生から進路選択に悩む高校生や保護者の方にメッセージをお願いします。

松永エリック学部長ここで学びたい」とワクワクできるかどうか。大学選びでは、偏差値や周囲の意見ではなく、自分の意思を大切ほしいと思います。GSCでの英語に不安を感じる方もいるかもしれませんが、そこは今日お伝えしたように我々が責任をもって伸ばしていきますから、心配しなくても大丈夫です。

 この相模原キャンパスにはGSCの他にも理工学部、そして社会情報学部、コミュニティ人間科学部といった学際的な学びを展開する学部が集まり、さまざまな分野の学生と学び合える素晴らしい環境が整っています。自分の可能性を広げたいという気持ちがあれば、ここでの4年間の学びは一生の財産になるはずです。海外の大学を彷彿とさせる自然豊かで美しいキャンパスに、ぜひ一度足を運び、この雰囲気を感じてみてください。 

--ありがとうございました。


 GSCの秀逸さは、日本の中にいてはなかなか感じ取ることのできない地球規模の課題を、学部生全員が「自分ゴト」として取り組めるようになるまでのプロセスが体系的に構築されていることだ。日本でも多様化が進む中、まさに「他者の靴を履く」という共生マインドをもって課題解決に挑む力は、今後ますます重要になるだろう。大学選びでは「4年間で何をするか」が問われる時代がやってきている。GSCの環境はその有力な選択肢だと言えることは間違いない。

青山学院大学 地球社会共生学部青山学院大学 オープンキャンパス

《畑山望》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集