京都大学工学部理工化学科は、同大学の創設期から続く、もっとも歴史ある学科群のひとつだ。福井謙一博士、野依良治博士、吉野彰博士らノーベル賞受賞者をはじめ、多くの研究者を輩出し、日本の科学技術の発展を支えてきた。
その伝統ある学科に現役合格を果たした道端大也さんは、小学生のころから京都大学(以下、京大)に憧れ高校1年生から駿台予備学校(以下、駿台)に通学。高1・高2は京都駅前校、高3は京都南校で学び、念願の京大工学部理工化学科への切符をつかみ取った。
本記事では、道端さんと、高1入学時からその成長を見守ってきた京都駅前校校舎責任者の脇田修平氏、高3時に受験指導を担当した京都南校校舎責任者の平沼弓賀氏にインタビュー。京大合格までの軌跡から「なぜ駿台は京大に強いのか」を探った。
【話を聞いた人】
道端大也さん:京都大学工学部理工化学科 1年生(東山中学・高等学校出身)
脇田修平氏:京都駅前校責任者(高校1~2年生時通塾)
平沼弓賀氏:京都南校責任者(高校3年生時通塾)
※学年や所属は取材時の情報です

京大合格者の助言を胸に、高1から駿台で学び始める
--京大を目指そうと思ったきっかけと、工学部理工化学科を選んだ理由を教えてください。
道端さん:僕は京都生まれの京都育ちで、京大は小学生のころから憧れの存在でした。工学部理工化学科を志望するようになった大きなきっかけは、中3の時に宇治キャンパスのエネルギー理工学研究所で開催された、宇宙エレベーターの講座に参加したことです。そこで炭素の可能性について熱く語る教授の姿を見て、「こんな研究があるのか」と圧倒されました。
さらに、高2の時には、京大が全国の高校生を対象に実施している体験型科学講座「ELCAS」にも参加しました。大学で研究することの面白さに触れることができ、志望する気持ちがさらに強くなりました。
--なぜ駿台を選び、高校入学と同時に通い始めたのでしょうか。
道端さん:母の友人のお子さんに、駿台に通って京大に合格した方がいて、直接話を聞きました。そのときに、「駿台は高1・高2で理系数学の全範囲を1周し、高3で完成度を高めるカリキュラム。京大を目指すなら、高1から通ってしっかりと2周することが大切」と聞き、受験本番までにしっかり2周することを目指して入学しました。

理系科目に強いイメージもありましたし、使っていた参考書も駿台のものが多く、有名講師の授業を受けたいという気持ちもありました。自宅からの通いやすさや2歳上の姉も通っていたこともあって、自然な流れで駿台を選びました。
難問に挑む環境と切磋琢磨できる仲間たち
--高1・2を過ごした京都駅前校での学習について教えてください。
道端さん:駿台の通常授業は1科目から受講することができ、高1・高2の時は、数学を受講していました。駿台の授業はレベル別になっていて、僕が在籍していたのは上から2番目の選抜クラスでした。それでもテキストには学校では見たことがない問題が並び、高1の段階でこれほど高度な内容に取り組むのかと驚いたことを覚えています。
ただ、授業はテキストの問題を解説するだけでなく、そのテーマに関連する問題も扱ってもらえたので、理解を深めながら学習を進めることができました。また、先生は教室内を回って声をかけながら生徒ひとりひとりの理解度を確認していて、とても丁寧に指導してくれます。周囲の数学が得意な生徒から、良い刺激を受けることができました。
家庭学習では、基礎固めを意識して基礎問題に特化した参考書を繰り返し解き、一度解いた問題は確実にできるようにすることを心掛けました。
--高3で京都南校に移り、どのような変化がありましたか。
道端さん:授業が「最初の1時間でテスト、その後に解説と授業用問題の解説」という流れに変わったことです。これによりテストに慣れることができ、結果を恐れず挑戦できるようになりました。思うような結果にならない時もありましたが、この反復により模試結果への抵抗感が消え、自分の殻を破ることができたと思います。
テストは難問のエッセンスを抽出し、理解を深められるよう工夫されていました。毎週本番同様の緊張感で答案を書き、厳密な採点を通じて「なぜ減点されたのか」を再考するので、論理の組み立てや記述の精度を磨けたことも大きな収穫でした。
学習スタイルも解法の型に当てはめるやり方から、「この問題はどういう発想で解くべきか」という本質的なアプローチを重視する形へ変わり、京大の入試対策として大いに役立ちました。高3の春の段階で京大の入試問題でも十分戦えるような、共に京大を目指す仲間の存在も、自分を見直すきっかけになりました。
平沼氏:高3になって、自分なりの最善手を探しながら問題を解く力が身に付いたのだと思います。その土台になったのは高1・高2で積み重ねた学習です。苦手分野をつくらないように徹底したからこそ、高3では応用的な思考力を鍛えることに集中できたのでしょう。

道端さん:本当にそのとおりです。数学の先生は問題の解説に入る前に、「どういうタイプの問題なのか」「どのようなアプローチが考えられるのか」を必ず整理して説明してくれました。高2まではそうした本質的な理解の重要性がピンときていなかったのですが、高3になって実感し、「方針や考え方を磨く」ことに時間を使えました。
戦略的な模試活用と苦手克服で合格へ
--苦手科目の克服や模試の活用について教えてください。
道端さん:通常授業で受講していたのは数学で、高3の11月の京大入試実戦模試で偏差値は70程度まで到達できたのですが、苦手科目の化学は偏差値が28.2でした。化学は高2まで季節講習のみにしていました。講習で学んだ範囲は得意になったのですが、有機化学に苦手意識があり、このままでは有機化学の配点が高い京大入試に通用しないと感じ、有機化学に特化した講座を受講しました。苦手分野を集中的に補強できたことは、合格につながる大きな転機でした。

--模試などはどのように活用されたのでしょうか。
道端さん:高1・高2では駿台全国模試を毎年3回受験していました。高3では京大入試実戦模試を2回、さらに東大入試実戦模試も2回受験しました。京大志望者の場合、京大向けの模試を複数回受験するケースが一般的だと思います。ただ、僕は京大とは違った難しさがある東大の問題にも挑戦することで、自分に足りない力や新たな課題が見えてくると思い、あえて受験しました。
平沼氏:彼の場合は、常に目的意識をもっていて「何を得るために模試を受けるのか」が明確でした。勉強量もしっかり確保できていましたね。単なる腕試しではなく、難度の高い問題に触れることで自分に不足している部分を発見し、その後の学習に生かしていました。
--道端さんがラストスパートでいちばん京大合格に効いたと感じたのはどのようなことですか。
道端さん:共通テスト後に開講された京大特化の直前講習です。僕は数学・物理・化学を受講しましたが、講師陣が京大の出題傾向を徹底的に分析したうえで授業を構成しているので、本番を強く意識した演習ができました。特に化学は大きな手応えがありました。苦手だった有機化学は、入試本番では講習で扱った内容と本質的に近い問題が出題されました。そのおかげで、11月の京大入試実戦模試では理科(物理・化学)200点満点中87点だったのが、入試本番では128点まで伸ばすことができました。
平沼氏:予想問題との相性もあったと思いますが、それ以上に、直前講習を通じて京大特有の問題形式に数多く触れて、過去問の演習不足を補えたことが大きかったと思います。道端さんの場合、英語と数学は比較的安定していたので、最後の勝負どころは理科でした。そこを直前期に伸ばし切れたことが合格につながったのだと思います。
道端さん:もう1つ大きかったのが自習室です。ほぼ毎日のように利用していて、第二の家のような空間でしたね(笑)。学校だと友人と話したり気が緩みすぎたりすることがありますが、駿台の自習室にはさまざまな高校から受験生が集まっており、集中力が高まりました。教室型、自習ブース型、景色を見ながら勉強できるスカイルームなど、自習スペースの種類が豊富なんです。同じ場所にずっといると集中力が続かないタイプだったので、気分によって場所を変えながら勉強できたことも良かったです。

3年間の蓄積されたデータと信頼関係が進路選択を支える
--道端さんの話を聞いていると、自分にあった学び方を見つけたり改善したりする過程が印象的です。長期的なサポート体制について、校舎としてはどう意識されていますか。
脇田氏:低学年から通う生徒であれば、学力だけではなく性格や考え方、志望校への思いも含めて寄り添うことができます。そうした理解があるからこそ、ひとりひとりにあった手厚いサポートが可能になります。長く通ってくれるからこそ築ける信頼関係が、私たちの強みです。高3で京都南校へ移る際も、面談内容や模試結果、本人が抱える課題などのデータはすべて引き継いています。

平沼氏:実際に面談する際も、積み重ねられた客観的なデータがあるからこそ、感覚に頼らない的確なアドバイスができます。道端さんの出願時もそうでした。
道端さん:実は出願先を、工学部と理学部で迷っていた時期があり、何度も面談していただきました。「やりたいことを考えても、合格可能性を考えても工学部理工化学科が近い」というデータに基づいた助言を受け、決断できました。もし理学部に出願していたら合格できていなかったかもしれません。
脇田氏:「本人の志にもっとも近い道」を選べるよう、私たち二人で背中を押させてもらいました。
“京大に強い駿台”を支える3つの力
--駿台が“京大に強い”と言われる理由はどこにあると思いますか。
平沼氏:まず大きいのは授業の質です。講師陣が京大入試を徹底的に研究していて、単なる受験テクニックではなく、京大合格につながる考え方や学習姿勢まで含めて指導してくれます。そうした学びは単純な学力向上だけではなく、受験へのモチベーション向上にもつながっています。
脇田氏:周囲の生徒から受ける刺激も大きな要因です。高1から高い目標をもつ生徒が集まり、小テストの順位掲示を熱心に見るなど、高校の枠を超えて切磋琢磨する環境があります。そこで築かれたつながりは一生の財産になります。
平沼氏:そして、現役京大生のクラスリーダーの存在です。クラスリーダーには毎週、時期に合わせたテーマで生徒たちに話をしてもらっています。オープンキャンパスに行かずとも、学習法から学生生活までリアルな話を聞けることがモチベーションに直結するからです。悩みを相談できるので面談を楽しみにしている生徒もたくさんいます。
道端さん:僕自身も高1のときに尊敬する京大医学部のクラスリーダーからアドバイスをもらい、勉強のモチベーションがすごく高まりました。

脇田氏:周りのレベルの高いと、ときには自信を無くしてしまうこともあると思うのですが、「もっと頑張ろう」という原動力に変えている生徒が多いですね。また、授業では難問を解くための考え方を丁寧に教えるので、「できなかった」で終わるのではなく、「次はこう考えれば良いのか」と前向きに受け止めながら成長していける。このプロセスが大切だと感じています。
憧れを憧れで終わらせない!京大を目指す受験生と保護者へのメッセージ
--最後に、これから京大を目指す受験生とその保護者にメッセージをお願いします。
道端さん:実際に京大に入学して、思い描いていた以上に魅力的な環境だと感じています。駿台で触れた学問そのものの面白さが、京大ではより本質的な探究へとつながっていく。授業では新しい視点に触れる機会が多く、授業以外の時間は自分の興味があることに時間を使えて、とても自由な学風です。周囲には高い目標をもつ学生が多く、日々刺激を受けています。中3で興味をもった宇宙エレベーターに関わる研究に携わりたいという気持ちも、さらに強くなりました。
受験勉強で大切なのは、勉強をやらされるのではなく、自分からやる側に回ることだと思います。最初は大変でも、歯を食いしばって続けて勉強がわかるようになると、自分から知りたいことや学びたいことが自然と増えていきます。粘り強く継続し合格をつかみ取ってほしいです。

平沼氏:高3になると模試の結果に一喜一憂しがちですが、最後の最後まで学力を伸ばして合格する生徒をたくさん見てきました。だからこそ、憧れを憧れのままで終わらせず、オープンキャンパスに参加したり、京大について調べたりしながら、「京大で学びたい」という思いをもち続けてください。
脇田氏:勉強が苦しくなった時は、「なぜ京大に行きたいのか」という原点を思い出して、最後まで諦めずに挑戦してほしいと思います。保護者の皆さまが、最後までお子さまの可能性を信じて応援していただくことが、生徒が頑張り切るための最大の力になります。
--ありがとうございました。
小学生のころから抱いていた京大への憧れを現実のものとした道端さん。その歩みを支えたのは、京大を見据えた質の高い授業、切磋琢磨できる仲間たち、そして生徒ひとりひとりに寄り添う継続的なサポートだった。高1から積み上げた学びと、高3で磨いた思考力。3年間のすべてが京大合格という結果につながった。「憧れを憧れで終わらせない」。駿台には、その思いを現実へと導く環境がある。
京都大学合格への道第一志望は、ゆずれない。駿台予備学校

