国菌「麹菌」をもっと日常に…Hakkaisan八海醸造“あまさけ博士”に聞く、親子で整える夏の健康ルーティン

 ノンアルコールで子供から大人まで飲めるやさしい甘さが特徴の、Hakkaisanの「あまさけ」ブランドを手がける八海醸造を取材。同社の取締役 製造本部長「あまさけ博士」こと倉橋敦さんに、甘酒の歴史や麹のもつ力、親子で楽しめるHakkaisan「あまさけ」の魅力について話を聞いた。

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国菌「麹菌」をもっと日常に…Hakkaisan八海醸造“あまさけ博士”に聞く、親子で整える夏の健康ルーティン
国菌「麹菌」をもっと日常に…Hakkaisan八海醸造“あまさけ博士”に聞く、親子で整える夏の健康ルーティン 全 12 枚 拡大写真

 もうすぐ夏休み。家族の食欲低下や夏バテ対策に頭を悩ませている方も多いのではないだろうか。そんな時期の強い味方としてぜひ知ってほしいのが、日本の伝統飲料である甘酒の力。ひと口に甘酒といっても、実は「酒粕(さけかす)甘酒」と「麹(こうじ)甘酒」の2種類があることをご存じだろうか。この夏お勧めしたいのは後者の麹甘酒だ。

 なぜ麹甘酒が夏の子育て家庭にぴったりなのか。今回は、ノンアルコールで子供から大人まで飲めるやさしい甘さが特徴の、Hakkaisanの「あまさけ」ブランドを手がける八海醸造を取材。同社の取締役 製造本部長で「あまさけ博士」こと倉橋敦さんに、甘酒の歴史や麹のもつ力、夏休みの自由研究のヒントにもなる親子で楽しめるHakkaisan「あまさけ」の魅力について話を聞いた。

倉橋敦さん(通称「あまさけ博士」):八海醸造 取締役 製造本部長/長岡技術科学大学 客員教授、新潟県立大学大学院 客員教授
 「麹だけでつくったあまさけ」の成分分析や安全性、健康機能に関する多角的な研究を牽引している。長年にわたる「麹菌の健康機能性の解明」が評価され、2024年に日本醸造学会奨励賞を受賞。麹菌「HJ1株」の命名や、便通改善・肌保湿効果の立証を通じ、甘酒を伝統甘味飲料から科学的根拠に基づく「機能性飲料」へと進化させている。


八海醸造 取締役 製造本部長 倉橋敦さん(通称「あまさけ博士」)

夏バテ解消の強い味方、江戸時代の知恵が詰まった「飲む点滴」

--甘酒というと冬に神社などで温かいものを飲むイメージがありますが、実は「夏の季語」だそうですね。

 そうなんです。甘酒の歴史は非常に古く、『日本書紀』に甘酒のルーツ「醴酒(れいしゅ)」の記述があります。江戸時代になると、現代と同じ麹でつくられた甘酒が飲まれるようになっていました。当時は夏の暑さや栄養不足で亡くなる人もいたため、夏バテを乗り切るための甘くて飲みやすい栄養豊富な暑気払いの飲み物として親しまれていたことから夏の季語になっているのです。

 江戸時代の風俗を伝える資料には甘酒に関するものが多くあります。中でも『守貞謾稿(もりさだまんこう)』には甘酒売りの姿が描かれています。天秤棒の前にはお茶碗、後ろには火を焚いた鍋。これは、甘酒を温め続けることで乳酸菌などの雑菌が入り込んで酸っぱくなるのを防ぐ「殺菌」の知恵なのです。50℃から60℃という温度を保つことで、雑菌の繁殖を防ぎながら甘みを引き出すことができることを、日本人は経験的に理解していたのです。

『守貞謾稿』甘酒売りの挿絵/画像提供:八海醸造

--甘くて飲みやすいとは意外です。実は子供のころに飲んだ甘酒の独特の香りが苦手で…アルコールが含まれているものと思い込んで遠ざかっていました。

 甘酒と言えば、初詣などで神社でふるまわれる温かい飲み物をイメージされる方も多いかもしれません。冬に作られる甘酒はお酒を造ったときにできる「酒粕」から作られることが多いのですが、麹の甘酒は年間を通じて作ることができます。酒粕を水で溶いて砂糖を入れて甘くしたものが「酒粕甘酒」で、酒粕は絞り立ての状態では8%ほどアルコールが残っています。それをお湯で解いてアルコールを飛ばすのですが、完全には抜けません。若干アルコールが入っているので、甘酒のお酒の匂いが苦手という記憶が残っている方もいるかもしれませんね。一方、麹甘酒はアルコール発酵を伴わないのでノンアルコールです。「甘酒の香りが苦手」という方は、Hakkaisan「麹だけでつくったあまさけ」「麹だけでつくったすっきりあまさけ」を飲んでいただくと「全然違う!」と感じると思います。

甘酒は大きく分けて2種類/画像提供:八海醸造

--そこまで大きな違いがあるとは驚きです。酒造りの現場ならではの、原料や工程へのこだわりがあるのでしょうか。

 私たちは料理の味を引き立てる「淡麗」な味を目指して酒造りをしているので、甘酒も同様に淡麗に、すっきりとした甘さにしたいと考えています。甘酒専用の麹造りをすることで、すっきりとした甘さを出すことができました。魚沼の山々に降り積もった雪が数年かけて天然濾過された雪解け水を使っていることも、味を支える大きな要素です。「あまざけ」ではなく「あまさけ」と名付けたのは、清酒のように濁りのない味わいという意味を込めて、「ざ」の濁点を抜いているのです

Hakkaisan「麹だけでつくったあまさけ」「麹だけでつくったすっきりあまさけ」

--「あまさけ」という名前に込められた濁点のない響きに、酒蔵としての美学を感じます。夏の栄養補給として愛されてきた歴史に加え、最近では「飲む点滴」という呼び名もあります。なぜそのように称されるのでしょうか。

 麹甘酒の主成分はブドウ糖で、100g中約23gも含まれています。実はこれほどブドウ糖が凝縮された飲み物は世界中どこにもありません。甘酒以外の甘い飲み物は、フルーツに含まれている果糖や、フルクトースという糖類が主成分だったり、後から砂糖を入れていればショ糖が主成分だったりします。甘酒はデンプンから作られているため、分解されてブドウ糖になるわけです。さらに、人の体に必要な必須アミノ酸を含む20種類のアミノ酸麹菌が自ら作り出すビタミンB群も含まれています。これが「飲む点滴」と言われるゆえんです。甘酒は世界的に見ても本当にユニークで日本が誇るべき飲み物なんです。

「凝縮されたブドウ糖、必須アミノ酸、麹菌が作るビタミンB群。体に必要なものが揃うのが“飲む点滴”と言われるゆえん」

八海醸造がこだわる「麹」と「インペリアルカラー」の秘密

--「日本が誇るべき飲み物」という言葉に、脈々と受け継がれてきた日本独自の食文化の深みが伝わってきます。その核となる「麹」への並々ならぬこだわりについても詳しく教えてください。

 麹はお酒の味の幅、「骨格」を造ると言われ、日本酒「八海山」のつくりにおいて非常に重要な要素です。弊社では麹にこだわりがあり、この麹を一晩温めると驚くほど美味しい甘酒ができたので、この美味しさを大人から子供まで、全国に届けたいと2009年から本格的に販売をスタートしました。2011年に塩麹のブームがあり、その後2015年ころには甘酒が注目されました。江戸時代には栄養ドリンクとして飲まれていた甘酒ですが、2015年の甘酒ブームの時には美容に良いと女性の注目を集めました。

 私たちの「あまさけ」に含まれる麹菌は、その機能性を明らかにするために、弊社と京都の種麹店「菱六」さんの頭文字Hと「醸造」「Japan」からJ、そしてNo.1の1を合わせて「HJ1株」と命名しました。〇〇乳酸菌のように、麹菌にも固有の名前をつけ、酒蔵として麹菌の素晴らしさを世界に伝えていく活動もしています。八海山の麹の胞子は「麹塵色(きくじんいろ)」とよばれる緑色をしています。これはかつて天皇だけが着用を許された色であり、まさに日本のインペリアルカラーなのです。知れば知るほど麹菌は奥が深い菌なのです。

八海山の麹の胞子は「麹塵色(きくじんいろ)」と呼ばれる綺麗な緑色/画像提供:八海醸造

--インペリアルカラーの胞子! 微生物の世界に、そんな歴史が隠されていたとは知りませんでした。原材料がお米と麹だけなのに、なぜこれほどまでに豊かな甘みが生まれるのでしょうか。そのメカニズムを教えてください。

 甘酒を作るのは実はとても簡単で、麹とお水を混ぜて温めておくと、翌日には甘酒になります。「種麹(たねこうじ)」という麹菌の胞子を蒸したお米の上に撒くと、菌糸がお米の中で伸び、その過程でお米を溶かす酵素ができます。この酵素により、デンプンがブドウ糖へと分解されて甘くなるのです。人間はデンプンのままでは「甘い」と認識できません。しかし、ブドウ糖のような小さな糖に分解されると「甘い」と感じるのです。

--お米が酵素の力で魔法のように変化していく。まさに自然の力を借りた天然の甘味で、しかも手軽に栄養補給ができるんですね。

熱中症、栄養、便通の心配…夏の子育てを救う! Hakkaisan「あまさけ」活用術

--夏休み、子供たちが食欲を落としてしまうのが心配です。Hakkaisanの「あまさけ」はどのように役立ちますか。

 暑くなってくると朝食を抜いてしまったりしますよね。夏バテ気味のときにはしっかり糖質を取ることが大切です。それをお菓子で取ってしまうと砂糖や余計なものを摂取してしまうことが気になる親御さんも多いと思います。「あまさけ」なら、必要なカロリーを取りつつ、砂糖不使用で罪悪感のない天然の甘味でおいしい冷やすとより飲みやすくなりますので、夏場にはぜひ活用していただきたいです。

 最近の研究では熱中症対策には水分と塩分だけでなく「糖分」も不可欠だと言われています。熱中症予防のためには、それなりの栄養価も、ビタミンも必要なのですが、あまさけならそれがまとめて補給できるのもポイントです。

 また、乳製品アレルギーのお子さんに発酵食品を取らせたいという場合にも、あまさけはお勧めです。お米だけでできているアレルギーフリー(特定原材料等28品目不使用)の飲料なので、安心して菌を体に取り入れることができます。

--たしかに乳製品アレルギーや苦手というお子さんは取り入れやすいですね。そして「糖分不足」は盲点でした…。お勧めの飲み方はありますか。

 そのままでは飲みづらいと感じる場合は何かで割って飲んでいただくことも推奨しています。たとえばトマトジュースで1対1で割ると甘みが増して飲みやすいんです。豆乳で割るとお米に足りないタンパク質を補えるので完璧な栄養バランスになります。ほかにも、青汁、牛乳、ジャスミンティーや黒ウーロンで割っても美味しかったです。何で割ってもあまりハズレがないのです。

 八海醸造が開催しているソフトテニス大会などでは「あまさけのスポーツドリンク割り」が子供たちに大人気でした。凍らせてシャーベットにするのも良いですね。

「砂糖不使用で罪悪感のない天然の甘味。そのまま飲んでも美味しいし、何で割ってもあまりハズレがない」

--毎日飲み続けることで、どんな変化が期待できるのでしょうか。

 あまさけを飲んだお客様から、便通が良くなった、肌の調子が良い、逆に甘いので血糖値への影響が心配など、さまざまな声が寄せられました。私たちはメーカーとして、これらのお客様の声を科学的に検証する必要があると考え、機能性の研究を行っています。研究の結果、弊社のあまさけを毎日1本(118g)継続して飲むことで便通が改善されること、また1日118g飲んでも問題ないことが実証されています。

麹甘酒の便通改善効果/画像提供:八海醸造

--飲用しなくなった4週目以降の排便日数が減っていますね。

 飲むのをやめてしまうと、その効果は元の状態に戻っていってしまうこともわかっていて、1回飲めばおしまいという万能薬ではありません。大切なのは、乳酸菌飲料やヨーグルトを毎日摂るのと同じように、継続的に取り入れること

あまさけ習慣を味方に! ルーティン化アドバイス

・【朝】朝食後に飲んで1日のリズムを作る
・【昼・午後】お昼休みや3時のおやつに飲んでホッとひと息
・【夜】寝る前のリラックスタイムに飲む


 いつ飲んでも取れる栄養成分は変わりませんので、ライフスタイルにあわせて続けやすいタイミングで「1日1本(118g)」を目安に取り入れるのが理想的です。

「麹」は日本の誇り、「あまさけ」を飲んで感じる微生物のパワー

--凝縮されたブドウ糖で、体も脳も整いそうです。毎日の「あまさけ習慣」は、お子さんが麹菌に興味をもつきっかけになるかもしれませんね。最後に保護者にメッセージをお願いします。

 実は、麹菌は2006年に「国菌(こっきん)」に制定されています。花や鳥などのほかに国の「菌」を制定しているのは日本だけなので、世界のどこにもない日本独自の文化なんです。実は身の回りの多くのものが麹菌に支えられています。たとえば、胃腸薬の酵素も、洗濯洗剤に入っている酵素分解剤も、元を辿れば麹菌から作られているのです。

 この夏休み、家族で「あまさけ」を味わいながら、古くから私たち日本人の健康を支えてきた「麹」に思いを馳せてもらえたらとても嬉しいです。「食べられる菌なんだ」「今飲んでいるお味噌汁も麹が作っているんだ」などと興味が広がると、お子さんの夏休みの自由研究になるかもしれませんね。「あまさけ」から微生物の世界の不思議に興味をもち、微生物学者が生まれてくれたら、これほど嬉しいことはありません。

--本日は貴重なお話をありがとうございました。


 麹に対する深い知識と愛情をもつ「あまさけ博士」こと倉橋博士。麹の秘密や八海醸造ならではの「あまさけ」の魅力を聞き、実は私たち日本人の暮らしに根付いた麹の魅力を知った。この夏、家族で「あまさけ」を味わいながら、歴史的に、科学的に、さまざまな観点から広く深い麹菌の世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか。毎日の「あまさけ」習慣が、健康だけでなく子供たちの新たな興味関心への入口になるかもしれない。

 「麹だけでつくったあまさけ」と「麹だけでつくったすっきりあまさけMLBコレクションラベル」は、全国のスーパーやHakkaisanオンラインストアで発売中だ。野球はもちろんあらゆるスポーツ、日常のさまざまなシーンで日本の伝統飲料でパワーをつけてほしい。
八海醸造「あまさけ」シリーズ発売中
Hakkaisan ONLINE STORE

《中村真帆》

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