プログラミングで何が身に付く? ロボ団13年の答えにつながる「最優秀賞」

 イード・アワード2026「プログラミング教育」で「ロボ団」が最優秀賞を受賞。同教室を運営する、夢見る株式会社の代表取締役会長 重見彰則氏に、ロボ団が選ばれる理由や教育にかける思い、今後の展望について聞いた。

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イード・アワード2026プログラミング教育で「ロボ団」が最優秀賞を受賞
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 イード・アワード2026プログラミング教育で「ロボ団」が最優秀賞を受賞。さらに部門賞として「子供の成長を実感できる」「面倒見が良い」の2冠も達成した。創業から13年目を迎え、家電量販店大手エディオングループの一員としてさらなる飛躍を遂げる今、夢見る株式会社の代表取締役会長 重見彰則氏に、ロボ団が選ばれる理由や教育にかける思い、未来への展望を聞いた。

「成長の実感」こそが、もっとも届けたかった価値

--この度は「イード・アワード2026プログラミング教育」において、最優秀賞、そして「子供の成長を実感できる」「面倒見が良い」の部門賞を受賞されました。おめでとうございます。まずは、受賞されたお気持ちをお聞かせください。

 ありがとうございます。特に「子供の成長を実感できる」という部門で評価していただけたことは、私たちが大切にしてきた教育の方向性が間違っていなかったのだと、自信につながりました。

 プログラミング教育は、「楽しそうだけれど、実際にどのような力が身に付くのかわかりにくい」と見られることも少なくありません。新しいサービスが次々と登場する中で、ロボ団は13年間、一貫して子供たちの成長に向きあってきました。その積み重ねを、生徒や保護者の皆さまに実感していただき、今回の評価につながったことが何よりも嬉しいです。

夢見る株式会社の代表取締役会長 重見彰則氏

「トレンド」から「本質」へ、ロボ団が支持される理由

--数あるプログラミング教室の中で、ロボ団ならではの強みは何だとお考えですか。

 私たちが数年前から一貫して掲げているのは、スキル習得だけを目的にせず、その先にある教育を大切にする「トレンドから本質へ」という姿勢です。プログラミング教室で、プログラミングのスキルを身に付けることは大前提といえます。しかし、私たちが提供しているのは単なるスキルアップの場ではありません。子供たちの将来を見据えた成長を支える「教育」そのものなのです。

 その中でも特に重視しているのが、子供たちの「内発的動機」を引き出し、自ら学び続ける力を育てること。そして、もう1つ大切にしているのが「レジリエンス(折れない心)」です。ロボ団では、子供たちが安心して何度も失敗できる環境を整え、失敗をネガティブなものではなく、次へ進むための「1つのデータ」と捉えられるようにしています。

--「失敗はデータである」という考え方は、とても印象的ですね。

 ロボ団に通っている息子が小学校で、合格点を取るまで何度も受け直すテストがあったとき、1回目は10点、2回目は50点でした。そんな結果だと「10点なんて大丈夫?」と多くの人は心配すると思いますが、息子は「2回目で40点も上がった、まだ伸びる」と、成長したことに目を向けていました。

 これは、ロボ団で大切にしている考え方そのものだと感じました。ロボ団では点数にでる「結果」ではなく、試行錯誤を重ねる「プロセス」を評価します。そうすることで、失敗を恐れずに次の挑戦へ踏み出せるようになる。この経験の積み重ねが、子供たちの自己肯定感や挑戦する力につながっていくと考えています。

「成長の実感」こそが、もっとも届けたかった価値

教えすぎない…自分で考えるロボ団の学び

―具体的な指導方法やカリキュラムの特徴について教えてください。

「教える(ティーチング)」よりも「支援する(コーチング)」カリキュラム ロボ団HPより

 指導で徹底しているのは、「教える(ティーチング)」よりも「支援する(コーチング)」することです。子供たちが自分で考え、試行錯誤する時間をできるだけ多く確保するため、講師が答えを教え過ぎないことを大切にしています。

 また、子供たちの成長を実感できる仕組みも数多く用意しています。保護者の前でプレゼンする年2回の成果発表会のほか、毎年2,000人以上が参加する全国大会「ダンリーグ」、エレコム協賛の全国規模のタイピングコンテスト、プログラミング検定などを通じて、学びの成果を確認できるようにしています。

 年長から入会でき、小学1~2年生での入会が全体の40~50%を占めていますが、高校1年生がPythonを学びたいと入会したケースもあります。コースは幼児向けから段階的に設けており、上位コースでは自分で作品を制作できる力を養います。ここまでは多くのプログラミング教室にも見られる内容ですが、その先にある「FRONTIER(フロンティア)コース」は、ロボ団ならではの大きな特徴です。

企業の課題に取組む… FRONTIERコースの挑戦

-- FRONTIER(フロンティア)コースはどんな内容ですか。

 FRONTIER(フロンティア)コースでは、中学1年生ごろまでに、プログラミング検定(プロ検)のPythonレベル3(高校1年生「情報I」相当)に全員合格するレベルの習得を目標とし、そのレベルに到達した生徒が、企業と連携したPBL(課題解決型学習)に参加します。

 たとえば、2025年は近畿日本鉄道と共同で、鉄道のサービスに関する社会的課題をテーマにしたPBLを実施しました。現在は、2026年プロジェクトで、さくらインターネットとデータセンターのサーバー冷却効率をテーマにした課題に取り組んでおり、9月に成果発表(デモデー)をグラングリーン大阪で開催予定です。

 これらの企業連携プロジェクトは、FRONTIERコースでの学びを象徴する取組みです。異なる地域の生徒たちがオンラインでチームを組み、メンターのサポートを受けながら3か月かけてプロトタイプを作成し、最後は企業の役員らにプレゼンテーションまで行います。このプロセス全体が、大学生のインターンシップに匹敵する社会実装の経験となり、進学やキャリア選択にも確かな影響を与えています

親も共にアップデート「子供が何を学んでいるかわからない」をなくす

--保護者とのコミュニケーションで意識されていることはありますか。

 教育サービスにおいて、サービスを受けるのは子供ですが、意思決定者は親です。保護者が「子供が何を学んでいるかわからない」という状態は、信頼関係を損なう要因となるため、面談などを通じて、講師から子供たちのようすを細かく伝えることを徹底しています。子供だけでなく、保護者も共に学び、アップデートしていく。その積み重ねが信頼関係となり、部門賞「面倒見が良い」の受賞につながったのではないかと思います。

 また、エディオングループとしての強みも生かし、ワンストップで子供たちのライフステージを支える体制を整えています。店舗内に教室を構えることで、幼少期の学びから、成長にあわせたデバイスの提案、最終的にはグループ内IT企業でのインターンや就職まで一貫して成長を支援します。

2027年、ショート動画時代に「没頭」を取り戻す

--今後のサービス展開や展望についてお聞かせください。

 2027年度に向けて、教材の大幅な刷新を含むカリキュラムの全面改定を予定しています。ロボ団の価値を再定義する中で、新しい軸となるのは「没頭(ぼっとう)」と「AIとの向きあい方」です。今の子供たちの周りには、ショート動画のような短く手軽なコンテンツがあふれています。便利な一方で、深く考え、1つのテーマに没頭する経験がどうしても減ってしまう。私はそこに強い危機感をもっています。AIも同じで、答えだけを引き出すだけの使い方をしてしまうと、思考が止まり、学びが表面的な体験で終わってしまいます。実際に大学でも、AIに課題の解決を任せた学生ほど、アウトプットが弱くなるケースが見られています。

 ロボ団ではAIを「答えを教える存在」ではなく、思考を深めるための「壁打ち相手」や「学習支援者」として活用すべきだと考えています。新しいカリキュラムでは、AIをより深い試行錯誤へと導く伴走者として位置付け、子供たちが時間を忘れて没頭できる環境をさらに充実させていきたいと考えています。そのための取組みの1つとして、 授業時間を延ばすことも検討しています。

子供たちが自分で考え、試行錯誤する時間をできるだけ多く確保する

誰と出会うか、それが未来を拓く第一歩

--最後に、プログラミング教育を検討されている保護者へメッセージをお願いします。

 習い事は「子供がやりたいと言ったときが始めどき」とよく言われます。ただ、プログラミング教室は、マインクラフトやロボットなど、子供が興味をもちやすい分野である反面、「楽しいから」という理由だけで選んでしまうケースも少なくありません。教育では「最初に誰と出会うか」がその後の成長を大きく左右します。保護者の皆さまには、ぜひ「子供が楽しめるか」だけでなく、「その教室で何を学び、どのような力が育まれるのか」まで見ていただきたいです。

 プログラミング教育の目的は、子供たち全員をエンジニアにすることではありません。スイミングに通う子供が全員オリンピックを目指すわけではないのと同じように、論理的思考力や社会性、最後までやり抜く力など、将来につながる力を育むことにあります。私たちは、遊びの延長線上で学ぶ楽しさに出会い、自ら「学ぶ理由」に気付けるような教育を届け続けたいと考えています。どんな社会でもたくましく、しなやかに生きる力を育むこと。それがロボ団の目指す姿です。

遊びの延長線上で学ぶ楽しさに出会い、自ら「学ぶ理由」に気付けるような教育を届け続けたい

--ありがとうございました。


 重見氏が語った「失敗は1つのデータ」という言葉に、ロボ団の教育哲学が凝縮されている。成果発表(デモデー)でわが子のプレゼンテーションを見たお父さんからこぼれる「いけるやん」という声こそ、「子供の成長を実感できる」と「面倒見が良い」の2つの部門賞が示す価値そのものだろう。スキルの習得にとどまらず、未来を生きる力を育む教育へ。子供たちの挑戦に寄り添い続けるロボ団の学びは、これからも広がり続けるに違いない。

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《川端珠紀》

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