あしなが育英会は、中学校に入学する遺児や親に障害がある子供を対象に、入学直前に5万円を給付する「中学校進学支援金」制度を創設する。2027年4月に中学校へ進学する現小6生を対象に400人を募る。申請は10月1日から11月13日正午まで、Webサイトより行う。
あしなが育英会の「あしなが高校奨学金」(月額3万円・給付型)の2026年度採用者が、過去最多の2,196人となった。同会が8月に実施した調査では、高校奨学生世帯の実質所得が5年間で約20万円減少しているほか、高校奨学生の21.5%が物価高の影響で進学断念を検討していることが明らかになったという。
同会が全高校奨学生の保護者を対象にした調査(8月実施、回答2735件、回答率59.6%)によると、就労中の保護者の平均所得は178.1万円で、2021年の調査時から横ばいではあるが、物価上昇を加味すると、実質所得は5年間で約20万円減少していることになる。奨学金ニーズの高まりには、保護者の所得が伸びないまま物価高が進み、家計が一層厳しくなっている状況があると考えられる。さらに、家賃の滞納率が前年より5.2ポイント上昇するなど、物価高が遺児・障害者家庭に深刻な影響をおよぼしている実態が浮き彫りになったという。調査結果の詳細はあしなが育英会のWebサイトで閲覧できる。
今回を含む調査結果をふまえ、同会は新たな支援制度として、「中学校進学支援金」を創設する。2027年4月に中学校に進学する、遺児と親に障害がある小学6年生400人に、1人あたり5万円を給付する。支援金をきっかけに接点を持ち、継続的な体験機会や支援情報の提供にもつなげるとしている。
なお、自らも奨学金を受け進学した遺児学生らが中心の学生団体である「あしなが学生募金事務局」は、10月17日から「第112回あしなが学生募金」を全国47都道府県の約120か所で実施する。「あしなが学生募金」への寄付も、従来の奨学金に加えて、「中学校進学支援金」のために活用するとしており、後輩遺児たちに「支援のバトン」をつなぐため、協力を呼びかけている。
◆あしなが育英会「中学校進学支援金制度」
対象:以下の3つの要件をすべて満たす子供
・2027年4月に中学校に進学予定の小学6年生
・病気や災害、自死で保護者(父または母)を亡くした、または親に障害がある
・経済的な援助を必要としている
給付額・時期:1人あたり5万円を2027年2月に給付(返還不要、1回限り)
給付人数:400人
申請方法:Webサイトの「中学校進学支援金」よりオンラインで申請する
申請受付:2026年10月1日(木)~11月13日(金)12:00

