芝浦工業大学が主催する「第21回 高校化学グランドコンテスト」の最終選考会が2026年10月24日、25日に同大学豊洲キャンパスで開催された。口頭発表の審査で、山脇学園高等学校サイエンスコース化学研究室カイコ班が第1位にあたる文部科学大臣賞を受賞した。
同コンテストは、全国の高校生および高等専門学校生(3年生以下)が行っている「学習研究活動」を支援する教育支援プログラムである。高校生自らが自主的な探究活動を楽しみながら科学的な創造力を培い、将来、科学分野で活躍できる人材の育成を念頭に置いている。2004年から大阪市立大学を中心に実施され、コロナ禍を経た2023年度からは芝浦工業大学が主催している。
最終選考会には、第1次審査を通過した全国の高校74校120チームの328人が参加し、2日間で延べ900人以上が来場した。事前に実施した研究要旨の審査で上位10チームが口頭発表の対象に選ばれ、その他の出場チームはポスター発表を行った。
口頭発表10チームの中から特に優れた発表に贈られるグランドアワードでは、第1位の文部科学大臣賞に山脇学園高等学校サイエンスコース化学研究室カイコ班「遺伝子組み換え技術でもできない青い繭の作成~若い世代にアピールできる絹製品~」、第2位の化学未来賞に兵庫県立宝塚北高等学校化学部、第3位の化学技術賞に愛媛県立西条高等学校科学部・宮城県仙台第三高等学校自然科学部化学班が選ばれた。
文部科学大臣賞の研究は、色素を人工飼料に混ぜてカイコに摂食させることで青い繭を作ることを目的とした。メチレンブルー(MB)にフィコシアニン(PC)、さらにジカルボン酸やアミノ酸を組み合わせて比較した結果、MB+PC+グルタミン酸で均一な青色の繭ができた。脱セリシン後も青色が残り、フィブロインまで着色していることを確認。染色工程を省き水使用量を削減できる環境負荷の小さい絹製品への応用が期待できるとしている。
このほか、審査委員長賞に静岡北高等学校科学部水質班パプリカチーム、審査委員特別賞に奈良女子大学附属中等教育学校サイエンス研究会化学班が選ばれた。口頭発表金賞は大阪桐蔭高等学校理科研究部ビスマス骸晶班など5チーム、ポスター賞には10チームが選ばれた。特別協賛企業賞は第一三共賞やIHI賞など6賞、ゴールド協賛企業賞はメルク賞など4賞がそれぞれ授与された。
グランドアワードを受賞した3チームは、芝浦工業大学が参加費や渡航費を支援し、2027年1月に台湾で実施される「Taiwan International Science Fair(TISF)」、もしくは2027年10月にルクセンブルクで実施される「Luxembourg International Science Expo」に派遣される。なお、前々回派遣チームは2025年1月のTISFで生化学部門1位と化学部門3位を受賞し、前回派遣チームも生化学部門1位に入賞したほか、日本人として初めて最高栄誉の「Young Scientist Award(青少年科学賞)」を受賞している。
◆第21回 高校化学グランドコンテスト 結果
1位 文部科学大臣賞:
山脇学園高等学校サイエンスコース化学研究室カイコ班「遺伝子組み換え技術でもできない青い繭の作成~若い世代にアピールできる絹製品~」
2位 化学未来賞:
兵庫県立宝塚北高等学校 化学部「銅の煮色着色におけるCu₂O結晶生成の二段階機構とCu⁺生成反応の解明」
3位 化学技術賞:
愛媛県立西条高等学校 科学部・宮城県仙台第三高等学校 自然科学部化学班「オパール作製において遊色効果が得られる条件と添加剤の影響について~はっきりとした遊色効果と静置期間短縮方法の発見~」

