常用漢字表に196文字が追加、パソコンなどの普及が背景に
文化庁は11月30日付けで、新しい「常用漢字表」が内閣告示されたと発表した。常用漢字表は、法令、公用文書、新聞や雑誌など、日常で日本語を表記する場合の漢字の使い方の目安として使用されるもの。
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新常用漢字は1981年に制定された1,945文字をもとに、29年ぶりに見直され、新たに196文字を追加、5文字が削除されて2,136文字になった。削除された漢字には、単位を表す「匁(もんめ)」や、はかりを表す「錘(すい)」などがある。反対に「鬱(うつ)」や「彙(い)」など、書くのが難しい漢字や、日常的によく使われる「俺」などは、漢字で表記するほうがわかりやすいとして常用漢字に加わった。
パソコンや携帯で、漢字変換が簡単になり、書けなくても読めたり入力でき、日常的に使われる漢字の種類が増えていることをふまえ、文化審議会が改訂の検討を進めていた。今回の改訂の最大の特徴は、常用漢字について「すべてを書ける必要はない」との見解が初めて示されたことだという。
一方で漢字を手で書くことをどのように位置づけるかに関しては、重要な課題として検討が求められるとしている。学習指導要領は同日付で改訂され、2012年度から新しい常用漢字の読み書きを中学、高校で学ぶことになる。
《前田 有香》
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