集合塾利用の保護者、「通っていた塾を他人にも大いに薦められる」33%
経営コンサルティングを行うACWパートナーズは12月13日、「高校受験に関するアンケート調査」の結果を公開した。
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同調査は、東京23区内の高校受験で一般入試を経験した家庭が対象で、郵送アンケートにより10月〜11月に実施。有効回答数は202名。
今回は、高校受験でもっともよく利用される教育サービスの中で、集合塾と個別指導塾によって、子どもの学習や保護者の意識にどのような違いがあるのかを分析している。
利用している教育サービスを聞いた質問では、「集合塾」(48%)、「個別指導塾」(28%)、「家庭教師や通信添削のみ」(12%)、「利用サービスなし」(12%)だった。
「志望校合格に向けての課題の明確さ」を尋ねた質問では、集合塾利用者の26%が、志望校合格に向けての課題が「とても明確だった」と回答している。一方、個別指導塾の利用者では、「課題が明確でなかった」割合が集合塾利用者に比べて低くなっている。
また、個別指導塾の利用者の方が、「週間または1日の学習計画を立てている」割合が高く、「計画を立てていなかった」割合も低くなっている。一方、集合塾利用者の方が、「学習する時間帯」を明確に決めていた人の割合が高い。
「もっとも良い影響を与えた関係者」として保護者の回答を見ると、集合塾利用者で「塾の先生」を選択した人の割合が60%で、個別指導塾の利用者の42%と比べて高くなっている。一方、個別指導塾では「教師」をもっとも良い影響者とした人の割合が11%で集合塾利用者の3%に比べて少し高くなっている。
集合塾利用者の方が、「通っていた塾を他人にも大いに薦められる」と回答している割合が高く33%となっている。しかし、必ずしも「他人への推奨度」=「保護者の満足度」ということではない。個別指導塾の利用者には、「やや薦められる」と答えながらも、「うちの子どもには合っていたが、他の子どもに合うかどうかはわからない」といった理由を挙げた保護者も一部含まれているためとしている。
今回のアンケート調査の中で、学習塾の推奨度の理由、もっとも良い影響者に塾の先生を選んだ理由などで得られたフリーコメントのうち、塾に関係するものをさらに分析するために、保護者のニーズを「子どもが行きたい高校に合格すること」「受験を通して子どもが成長すること」「保護者としての役割を果たすこと」の3つに分類して集計している。
1つ目のニーズに関するコメントが大半を占めたが、受験を通して「目標を決めて達成する経験ができた」「自立心が強まった」「視野が広がった」といった成長が見られたとの保護者の回答も多かったという。
また、集合塾利用者の方が、塾に満足したコメントが多く、不満のコメントが少なくなっている。個別指導塾利用の不満は、「先生との相性が悪かった」「子供がやる気を失ってしまった」など、担当した講師に対する不満が多かった。「親にとっても良き指導・助言者であった」とのコメントが集合塾利用者では1割前後あったのに対して、個人指導塾ではほとんど見られなかった。
同社では、「受験生を持つ保護者としては、入試対策に重点を置きたいのであれば集合塾、基本的な学習の習慣を身につけていきたいのであれば個別指導塾を検討すべきだろう。ただし、教室や担当する講師によって異なるため、期待にどこまで応えてくれるのかを見極めることが重要である」とコメントしている。
《前田 有香》
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