近畿大調査、「紙の辞書」所有者の8割は日常で使用しない

 近畿大学は、「大学生の携帯情報端末の利用に関する調査」の結果をホームページに公開している。調査対象は近畿大学経営学部情報倫理およびコンピュータ概論 II 受講者で、2011年11月15日〜24日にWebアンケートにより実施。回収件数は607件。

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所有および使用状況(全体)
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 近畿大学では、同大学の学生を対象に行った「大学生の携帯情報端末の利用に関する調査」の結果をホームページに公開している。

 同調査は、大学における授業改善にスマートフォンやタブレットPC等を利用するにあたり、現時点での各種携帯情報端末の所有および利用状況を把握する目的で実施したもの。調査対象は近畿大学経営学部情報倫理およびコンピュータ概論 II 受講者で、2011年11月15日〜24日にWebアンケートにより実施。回収件数は607件。

 全体の所有および使用状況では、携帯電話の所有率(78.6%)、スマートフォンの所有率(56.4%)。すべての学生が携帯電話もしくはスマートフォンのいずれかを所有。携帯電話非所有者の多くが携帯電話は不要であると感じているのに対し、スマートフォン非所有者の約85%はスマートフォンを欲しいと考えていることがわかった。

 また、所有しながら使用していないと回答した学生数についてはスマートフォン(1.2%)とごく少数に対し、携帯電話(16.3%)と大きく差が開いた。

 タブレットPCの所有率は6.9%ときわめて低く、非所有かつ不要であると感じている学生が57.8%を占めた。一方でノートPCの所有率は63.9%と高く、また非所有の学生についても多くが欲しいと感じている。

 電子辞書の所有率は85.5%であり、今回調査した携帯情報端末の中でもっとも高い所有率となった。手帳やスケジュール帳等の紙のメモ帳の所有率は84.4%、紙の辞書の所有率は75.1%であった。紙の辞書については所有者の80%以上が使用していないと回答しており、日常の調べ物については電子辞書もしくは携帯電話等での検索が主流であることが伺える。

 なお、使用しないにもかかわらず多くの学生が紙の辞書を所有している理由として、期末試験等へ持ち込みが可能な「辞書」が紙の辞書のみである事によると推測している。

 スマートフォンでよく使われる機能としては通話およびメール(88.6%)がもっとも多く、次いでブラウジング(85.7%)、メディア視聴(78.9%)と続いている。逆にスマートフォンで利用されない機能としては電子マネー機能(4.1%)、ワンセグ視聴(14.9%)となっている。多くの機能の利用率が50%以上であるところから、学生はスマートフォンの機能を駆使している事が伺える。

 学生属性別に見た場合、1年生および情報系の学生がスマートフォンの機能を駆使している結果となった。特に情報系の学生は多くの項目で非情報系の学生の利用率を大きく上回っており、スマートフォン自体の所有率こそ低いものの、所有している学生は一般の学生よりもスマートフォンの機能を使いこなしている事が伺える。

 次に、携帯電話とスマートフォンを所有もしくは利用したことがある学生を対象にした質問では、全体の72.6%の学生が「スマートフォンがあれば携帯電話は不要である」と回答、その逆はわずか7.7%だった。

 スマートフォンとタブレットPCについては、全体の83.5%の学生が「スマートフォンとタブレットPCの両方が必要である」と考えており、「どちらかだけで良い」と考えている学生は15.1%となった。

 タブレットPCとノートPCについては、全体の72.8%がどちらかがあれば事足りると考えており、それらの学生の86.1%はノートPCを支持している。また、情報系以外の学生には、どちらも不要と考えている学生が6.9%いるということも興味深いとしている。

 情報端末と紙のメモについては、全体の70.0%が「両方必要」と回答している。「紙がメイン」と回答している情報系の学生も12%で、手帳などの紙のメモは根強い人気があることが伺える。また、情報端末と紙の辞書については、携帯情報端末があれば紙の辞書は不要という学生が全体の57.1%を占めている。

《前田 有香》

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