【e絵本】親子で作る即興ストーリーのきっかけにも「オノマトペ」

 「オノマトペ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。もとはフランス語というこの単語は、日本語に訳すと「擬声語」の意味。つまり、「もぐもぐ」とか「ぴちゃぴちゃ」といった、ものの状態や音を表す語句だ。

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オノマトペ
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 「オノマトペ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。もとはフランス語というこの単語は、日本語に訳すと「擬声語」の意味。つまり、「もぐもぐ」とか「ぴちゃぴちゃ」といった、ものの状態や音を表す語句だ。

 今回は、表現豊かなオノマトペの世界を視覚で感じるアプリ「オノマトペ」を紹介したい。iPhone/iPad対応、VASILYより無料配信中。

 オノマトペは日常会話にもよく使われ、とりわけ絵本・絵本アプリの文章では頻繁に出会う存在だ。感覚に直接うったえる力があるから、子ども向けの読み物に多く用いられるのもうなずける。

 このアプリではそんなオノマトペを、目で見て楽しめるようになっている。トップ画面には「ざーざー」「くるくる」「テクテク」など、21個の言葉の群れが表示され、そのひとつひとつを読者が好きに選んで遊ぶ仕組みだ。

 たとえば「ざーざー」を選ぶと、中央に「ざーざー」とだけ記された画面が登場。文字をタップすると、しずくがたくさん落ちてきて、画面は一面、雨模様に。

 ほかにも、「くるくる」では文字がくるくると回ったり、「テクテク」では文字がテクテクどこかに歩いていってしまったり。こんな仕掛けが21個それぞれに用意され、さながらプレゼントの箱をあけるようなワクワク感を味わえる。

 さて、オノマトペの意味を目で楽しむと同時に、筆者としてはこのアプリ、もうひとつおすすめの使い方が。それは「自分で物語を作る」こと。

 画面で繰り広げられる、小さな文字たちの“劇”は、お話がはじまる予感を十分にはらんでいる。「次はなに? 次はなに?」と、片っ端から開きたい衝動が一段落したら、今度はゆっくりひとつずつ鑑賞して。

 「ざーざー降っているのは何だろう?」「文字たちはテクテク歩いて、どこに行くのかな?」と大人が問いかけてあげれば、子どもたちの想像は一気にふくらんでいきそう。知っているオノマトペや自作のオノマトペも登場させて、即興ストーリーを楽しんでみてはいかがだろうか。

《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

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