硬水と軟水、料理との相性は…料理研究家がレシピを紹介
ミネラルウォーターの普及にともない、「硬水」「軟水」という言葉も一般的になったが、その違いや、それが料理に及ぼす影響などについては、意外と知られていない。キリンは7日、“水の硬さ”と、それに伴う調理法や味への影響について調べた結果を公表した。
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■採水地によって変わる、水の「硬さ」と「pH」
まず、水は採水地、すなわち“水源”によって「硬さ」が変わる。水の「硬さ」は、ミネラルの主成分であるカルシウムとマグネシウムの量を測定することで科学的に算出でき、この数値が「硬度」と言われるものだ。「硬度」は、WHO(世界保健機関)によってガイドラインが定められており、「1リットル中120mg以下が軟水」「120mg以上が硬水」となる。そして日本の水の場合、ほとんどが120mg以下の「軟水」にあたる。水の硬さが場所によって変わるのは、水源の種類や土壌によると言われている。
硬さだけでなく「pH」(酸性度、アルカリ性度)も採水地によって変わる。0~14の数値で表され、7.0が中性、0に近くなるほど酸性が強く、14に近くなるほどアルカリ性が強いとされているが、これらは同じ県内でも異なることがあり、多くの水道局ではその数値が公表されている。
■お料理のプロからみた、和食と「軟水」のおいしい関係
水に含まれるミネラル分も、食材にさまざまな働きをもたらすため、硬水と軟水の地域差が、それぞれに合った食材/調理方法を生み出し、国や地域の風土食につながったと考えられているという。そのため、それぞれの特性をいかした使い方をすることで、普段の料理がもっとおいしくなる可能性が高い。
料理研究家の藤井恵先生は、「和食は“水を味わう調理法”と表現されることがあります」と、まずは説明。そのうえで、水だけで練り上げる蕎麦、作り上げる工程で水をたくさん使う豆腐やこんにゃくなど、日本の伝統的な食材は、おいしい水があるからこそ作れるとした。また茹で汁やだし汁をたっぷり使った調理法も発達していると指摘した。逆にヨーロッパをはじめとする硬水の国では、炒める・バター煮など、動物性油脂を活用した調理法が普及しているが、「これらの差は、水の性質がもたらす影響が大きいのではないでしょうか」とし、「軟水が豊かな日本で育まれた和食だからこそ、軟水で調理したほうがおいしいのは当然のことかもしれません」と軟水の活用を推奨した。
■藤井先生おすすめ「アルカリイオンの水」活用術
富士山の伏流水を原水とするキリン「アルカリイオンの水」は、軟水で、クセがなく料理にも使いやすいという。今回、鮭、いくら、とろろ昆布など、海の幸がたっぷりの「松前おこわ」と、栄養価もたっぷりで食べごたえのあるおかず「豚バラ大根」のレシピを、藤井先生が紹介している。
また、さらなる活用方法として、「水出しだし汁」の作り方も。これは、キリン「アルカリイオンの水」のペットボトルの中に、昆布や煮干を適量入れ、そのまま冷蔵庫で数時間保存するというものだ。これだけで、「水出しだし汁」が出来上がり、そのまま調理に使えるものだ。おでんや湯豆腐など昆布ダシだけを使うときや、鰹だしを合わせるときには昆布のみ、味噌汁に使うときには煮干しと昆布を入れる…といった使い分けも可能だ。またお米のとぎ汁として使っても、ご飯がより一層おいしくなるとのこと。
キリン「アルカリイオンの水」は、2Lペットボトルが230円、500mlペットボトルが130円(税抜小売価格)
料理のプロからみた、和食と「軟水」のおいしい関係……お勧めレシピや使い方
《冨岡晶@RBB TODAY》
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