「子どもたちの4人に1人は発育阻害」ユニセフが栄養に関する報告書を発表
ユニセフは、4月15日と16日にアイルランドで開催されている「飢餓と栄養、温暖化対策に関する国際会議(仮訳)」に合わせ、栄養に関する新しい報告書を発表した。報告書によると、世界の1億6500万人の5歳未満の子どもが発育阻害にあるという。
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同報告書「子どもの栄養状況の改善-世界の進展のための果たすべき義務(仮訳)」では、発育阻害を防ぐためには、妊娠から2歳の誕生日を迎えるまでの3年間への関心を高め、集中的に取り組む必要性を強調。発育阻害になると、年齢に比して身長が低いことに加え、脳の発達や認知機能を大きく阻害する恐れもあるとしている。
これまで、発育阻害の問題はほとんど報告されておらず、理解されたりすることがもっとも少ない問題のひとつだという。実際に、成長における重要な時期に慢性的な栄養不良に陥り、世界の5歳未満の子どもの4人に1人が発育阻害となっているという。
報告書では、栄養分野への取り組みの拡大と政策の改善、具体的な施策、行動の変化によって成果を挙げている11か国(エチオピア、ハイチ、インド、ネパール、ペルー、ルワンダ、コンゴ、スリランカ、キルギス、タンザニア、ベトナム)を紹介。発育阻害や栄養不良を防ぐ方法は、妊娠中の女性鉄分や葉酸の摂取を促すこと、新生児には出産後すぐに母乳を与え、生後6か月間は母乳のみで育てること、適切な時期に固形の食事を与え始めることとしている。また、健康を気にかけ、適切な衛生習慣を身につけ、トイレを使えるようにすることも重要だ。
ユニセフでは、シンプルな方法を組み合わせることで、発育阻害や栄養不良は防げるとし、各国の栄養分野への取り組みを加速させるため、子どもの栄養不良に関する問題を世界に発信し、支援を訴えていきたいとしている。
《水野こずえ》
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