戦時中に図書館の蔵書を守った生徒たちを映画化、「疎開した40万冊の図書」
終戦記念日の15日、日比谷図書文化館でドキュメンタリー映画「疎開した40万冊の図書」のトークショーが行われた。
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「疎開した40万冊の図書」は、第二次大戦の戦況が悪化するなか、日比谷図書館長中田邦造氏(当時)と古書鑑定家の反町茂雄氏、都立一中(現日比谷高校)の生徒らが日比谷図書館から蔵書を郊外に疎開させていたという知られざる真実を描いたドキュメンタリー映画だ。
トークショーで、監督の金高は「文化を守る、本を守るという事は素晴らしい事。僕も学校を停学になった時に厳格な兄に家に閉じ込められて色んな本を渡された。その時に読んだ森鴎外の小説が僕のその後の人生を考えさせてくれました」と本を読み継ぐ事に対する想いを語った。また、疎開という言葉について聞かれた長塚京三は「僕が生まれる前に父が浜松で持っていた工場が艦砲射撃の被害に遭い、母の郷里に疎開したので、実は僕は疎開先で生まれました。劇中で都立一中生が図書疎開の時に命がけの作業だったにも関わらず楽しそうに話しているのが印象深い。好奇心が本を守ったんだな、と感動を覚えました」とコメント。作家の早乙女勝元は「最初この映画を観た時に直感ですごくいい話だなと思いました。私も12歳の時に鉄工所に駆り出されましたので、戦争責任がゼロとは言えない。その中で本を運んだ当時の都立一中生たちは幸運だと思います」と戦争体験を交えて話した。
「疎開した40万冊の図書」は9月17日と10月15日に日比谷図書文化館、11月2日から都立写真美術館ほかで上映される。
疎開した40万冊の図書……終戦記念日にトークショー
《編集部@RBB TODAY》
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