塾講師の3.5人に1人が授業でIT活用…生徒の興味関心が高まる

 eラーニング戦略研究所が8月22日に発表した「塾における授業と教材、IT活用に関する意識調査報告書」によると、塾のIT導入率は28%で、塾講師の約3.5人に1人が授業でIT機器を活用していることが明らかになった。

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授業の際、IT機器(パソコン・タブレット端末・電子黒板・スマートフォン)を利用しているか
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 eラーニング戦略研究所が8月22日に発表した「塾における授業と教材、IT活用に関する意識調査報告書」によると、塾のIT導入率は28%で、塾講師の約3.5人に1人が授業でIT機器を活用していることが明らかになった。

 同調査は、全国の塾講師計100名を対象に、塾における授業と教材、IT活用に関するWebアンケート調査を実施。調査期間は6月21日~26日。

 塾で使用している教材は、「プリント教材」92%、「テキスト教材」90%の使用率が高く、「映像教材」の使用率は28%と低かった。映像教材は、未就学児や浪人生向け塾での使用率が比較的高い傾向が見られた。また、集合授業型の塾における映像教材の使用率も40%と高めだった。

 塾のIT機器利用は、「利用している」28%、「利用していない」72%となった。生徒の年齢が上がるにつれ、IT利用率も高くなる傾向がみられた。利用機器は「パソコン」がもっとも多く78.6%、次いで「タブレット端末」28.6%、「スマートフォン」14.3%の順に多かった。

 なお、2012年6月に同研究所が実施した「PC・インターネットを利用した学習に関するアンケート調査」では、塾・予備校でのPC・インターネット学習利用率は16.2%であったことから、塾におけるIT活用は徐々に進んでいることがうかがえる。

 IT機器の具体的な利用方法は、「映像等を見せながら授業を実施」「辞書代わりに使っている」「オンライン上で質疑応答ができる」「無料のテレビ電話ソフトによる個別授業」など。課題添削や成績管理、情報伝達(連絡)をIT化している塾もあった。

 IT機器の利用者にメリットを尋ねたところ、「生徒の興味関心が高まる」が最多の64.3%、次いで「生徒の授業理解度・成績が上がる」32.1%、「生徒が授業に積極的に参加してくれる」25%となった。一方、デメリットは「費用がかかる」「デメリットはない」が35.7%で同率1位となった。

 導入費用は、「1~50万」が最多の46.4%だった。また、生徒側の金額負担は、67.9%の塾が「なし」と回答。生徒側の金額負担がある場合は、「入塾時に10,000円以内」あるいは「月々3,000円以内」が多かった。

 IT機器を授業利用していない講師に、利用したいかどうかを尋ねたところ、「利用してみたい」「どちらかといえば利用してみたい」が33.3%。「利用したくない」「なるべく利用したくない」が32%、「どちらでもよい」34.7%となり、意見が分かれた。男女ともに年齢が低いほど、IT活用に積極的だった。また、集合授業型の塾講師は、IT活用に積極的な傾向がみられた。

《工藤めぐみ》

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