少人数教育で正答率や学習意欲が向上…文科省が全国学力テストの検証速報を公表

 文部科学省は8月30日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を活用した少人数教育の効果検証について速報を公表した。ティームティーチングや習熟度別指導、少人数学級に取り組む小中学校は、平均正答率や学習意欲などに優位な傾向が見られた。

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全国学力・学習状況調査を活用した少人数教育の効果検証について(速報)
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 文部科学省は8月30日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を活用した少人数教育の効果検証について速報を公表した。ティームティーチングや習熟度別指導、少人数学級に取り組む小中学校は、平均正答率や学習意欲などに優位な傾向が見られた。

 2010年度と2013年度の全国学力テストの結果を用いた検証。2013年度の調査結果は速報値で、今後さらに有識者を交えた詳細な分析を行う予定。

 現時点での分析状況によると、ティームティーチングに取り組んでいる小学校と習熟度別指導に取り組んでいる中学校で平均正答率が向上していた。平均を0とする得点に換算して、2010年度未実施で2013年度に実施している学校を分析したところ、小学校のティームティーチングは国語Aが0.026、算数Aが0.018、中学校の習熟度別指導は国語Aが0.027、数学Aが0.026という結果で、向上傾向にあった。

 児童・生徒数が35人以下の少人数学級では、小中学校すべての教科を通じて学習への積極的な姿勢がみられた。無回答数が少なく、学力層別の比較では特に下位層の児童・生徒にその傾向が顕著に表れていたという。また、小学校では授業中の落ち着きや規律の正しさ、中学校では家庭での学習習慣の確立に関する質問項目で肯定的な回答が多かった。

 2013年度の全国学力テストは、全国の小学6年生と中学3年生を対象に国語・算数(数学)の2教科で実施。各教科の問題は、基礎的な知識を問うAと応用的な知識を問うBで構成されている。

《奥山直美》

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