直前数日間の日照時間が少ないと鉄道自殺の危険性高まる…京都大研究グループ
京都大学の研究グループは、直前数日間の日照時間の少なさが鉄道自殺に関係することを明らかにした。9月13日には、精神科の国際専門誌「Journal of Affective Disorders」に研究成果が掲載された。
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研究を行ったのは、同大医学研究科准教授の寒水孝司氏、滋賀医科大学医学部附属病院特任教授(元京都大学医学研究科准教授)の角谷寛氏らの研究グループ。
自殺と天候との関係を明らかにするため、2002年から5年間の鉄道総合技術研究所の「鉄道安全データベース」と気象庁の「過去の気象データ検索」の日照時間のデータから、鉄道自殺と日照時間の関係を解析した。対象地区は、都道府県における鉄道自殺が多い東京都、神奈川県、大阪府。その結果、日照時間が1時間以上の日数が多いほど、自殺企図のあった日の割合が少ないことが示され、直前3日間または7日間の日照時間が少ないほど、鉄道自殺の危険が高いことが明らかになった。自殺企図の当日や当月、前月の日照時間については、鉄道自殺との明らかな関係は認められなかった。
研究グループによると、首都圏の鉄道の運休や遅れの半数以上が自殺に起因しており、人命損失のみならず、首都圏で1件あたり平均8,900万円(「鉄道利用者等の理解促進による安全性向上に関する調査(2010年3月 国土交通省鉄道局)」より)と社会経済的にも大きな損失をもたらしているという。
鉄道自殺の可能性の高い日が予想できれば、駅や踏切などで効率的な巡回が可能となるほか、日照時間が少ない日にはホームや車両内で高照度白色光や青色光を照射することで鉄道自殺を予防できる可能性があるとしている。
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