大学入学者選抜の在り方、中教審の高大接続特別部会が語る7つのポイント
政府主導の政策会議「教育再生実行会議」が、第四次提言として「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」をまとめました。検討課題を議論する場として、11月8日に中教審の高大接続特別部会(第八回)が開催されましたので、内容をまとめました。
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再生会議と中教審の関係を短く述べれば、再生会議の政策論から見た提言を受け、現在の教育を把握している中教審の委員が制度設計について議論する、という構造です。提言のポイントとなる制度設計はどのような温度感で進んで行くのか。中教審の皆さんはどれだけ「いま」の教育をしっかり見つめて考えてくれているのか。これらを自分の目で、耳で、肌感覚で確かめるために会議を傍聴しました。
2時間にわたって開催された、今回の高大接続特別部会(第八回)。どのようなことが語られたのでしょうか、私の解釈も入り恐縮ですが、ポイントを絞って7点にまとめてみました。
1、「これからの日本社会にどんな人材を育成することが必要か」を最上位において議論をしている
これは、いわゆる育成ビジョンです。メディアの過熱報道の話題になったり、話が横道に逸れそうになったりする度に、安西部会長が本点を強く主張されました。大学入試をどうするか、それは学力評価か人物評価か、云々よりも前に、育成すべき人材像を明確に描かないといけないという指摘です。
2、1のために、高校教育、そして大学教育はどうあるべきか、が次。そして、そのためには、高大接続部である「大学入試」をどうするか、という順序で考えるべき
第四次提言では、大学入試制度の変革にかなりのスポットライトが当たっていますが、そもそも「大学が育成すべき人材」を適切に選抜することが現在の入試制度では難しいという大学教育を基点にした考え方に基づいています。ただ、大学教育につなげるための適切な高校教育も必要なのです。
山本繁委員は、高大接続の問題に対して「マッチング」の問題という例えを使われました。多様な時代なので、多様な大学教育に、多様な高校教育が必要で、多様性に対応するための大学入試制度の在り方は、まさに「マッチング」を問われます。
3、1→2の順序ではあるものの、「大学入試」の変革はインパクトが大きいのも確か
1→2の順序で考えることは大切なのですが、1→2の順序で考えるとさまざまな障壁もあり、なかなか検討が進まないこともイメージできます。「大学入試」の変革は、ある意味、外科的手法。ここを変えれば、大学教育も高校教育も変わらざるを得ない状況に追い込まれます。
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