iPadは文房具、ガジェットに埋もれない広尾学園のICT活用
12月21日、広尾学園は、「広尾学園×iPad×ICT教育」と題された公開授業とカンファレンスからなるイベントを開催した。今年は開催が土曜日とあり、現役の先生たちの参加も多く盛況なものとなった。
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
公開授業を見てまず驚かされるのは、一般的なICT利活用授業や実証実験の成果発表などと違い、教室がいたって普通の教室であることだ。各教室の天井にプロジェクターは整備されているが、電子黒板や大型テレビといったものはない。電子教科書コンテンツや専用に開発されたアプリケーションもあまり活用していない。
授業で使うIT機器は、生徒も先生もMacBookまたはiPadだ(ごく一部Windows PCやChromebookの生徒もいた)。利用するツールやアプリは、ブラウザ、ワードプロセッサ、スプレッドシート、プレゼンテーションソフト、PDFなどのグラフィックビューアーなどといった一般的なもの。論文検索、一般的な検索などのほか、先生と生徒の意見交換や連絡に使うgmail、地図サービス、カレンダー、実験動画の共有や公開動画の閲覧のためYouTubeなどでインターネットが活用されていた。オフィスツールは、メモ、レポート作成、実験結果の集計、発表資料作成などに活用されていた。
つまり、広尾学園のICT授業では、PCやタブレットが先進的で特別な機器として導入されているというより、ノートやペン、定規、辞書、電卓の代わりとして生徒がそれぞれ必要と感じる場面で活用されているといった印象が強い。
では、実際の授業はどのように進められるのだろうか。公開授業の例で見ていこう。
インターナショナルクラスの中学1年「情報技術(IT)」の授業では、「Can Computers Think?」というタイトルで人工知能の勉強が行われた。授業に利用していたのは「Cleverbot」という一般に公開されているウェブアプリケーションだ。生徒たちはタブレットなどを通じてCleverbotと会話し、そのログを分析する。このとき出た意見や、先生と学んだことの整理や共有にマインドマップツールを利用していた。
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