東大推薦入試は是か非か、東大生に聞いた

 東京大学が、後期日程試験に替えて実施する推薦入試。出願資格、推薦要件、選抜方法や制度の概要が発表されると、賛否の声が上がっている。東大生はどのように受け止めているのだろうか。

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 東京大学が、多様な学生構成の実現と学部教育のさらなる活性化を目指すとして、2016年度(平成28年度)から後期日程試験に替えて実施する推薦入試。1月29日に出願資格、推薦要件、選抜方法や制度の概要が発表されると、賛否の声が上がっている。「要件が厳しすぎる」という意見が多く聞かれるが、東大生はどのように受け止めているのだろうか。

 1月29日に発表された内容の一部を抜粋して紹介する。詳細は、東京大学Webサイトの「平成28年度推薦入試について(予告)」で確認することができる。

◆出願資格
 高等学校、中等教育学校を卒業したもの、および平成28年3月卒業見込みのものなど。つまり現役の場合は現在の高校1年生からが対象になる。
 通常の課程による12年の学校教育、文部科学省認定の在外教育施設の当該課程修了者および平成28年終了予定者も含む。

◆募集人員
 合計100人で学部ごとに定員を設定。法学部、経済学部、文学部、理学部、農学部で10人程度、教育学部、教養学部、薬学部、医学部で5人程度、工学部で30人程度としている。
 東大の今年度の募集定員は、前期2,963人・後期100人。

◆推薦要件
・学校長が推薦できる人数は男女1名ずつで合計2名まで。別学の場合は学校で1名まで。
・合格した場合、必ず入学することを確約。
・センター試験の指定教科・科目をすべて受験する。おおむね8割以上の得点を目安とする。

◆学部ごとの要件
 求める学生像や推薦要件、提出書類、面接方法等が提示されている。

【学部が求める書類等(一例)】
<法学部>
例として「在学中に執筆した論文で、志願者の問題発見能力・課題設定能力を証明するもの」「社会に貢献する活動の内容を具体的に証明する資料(表彰状、新聞記事等)」「留学経験など、志願者が異なる文化的背景や価値観への理解を有することを示す資料(留学の事実を証明する資料、外国人との交流や支援活動を行ったことを示す第三者の推薦状など)」「国際通用性のある入学資格試験における優秀な成績を証明する資料(国際バカロレア、SATなど)」「外国語に関する語学力の証明書(TOEFL、英検、IELTS、TestDaF、DALF、HSKなど)」など。

<医学部医学科>
「日本生物学オリンピック、国際生物学オリンピック、高校生科学技術チャレンジ、IntelISEF、全国物理コンテスト、国際物理オリンピック、全国高等学校化学グランプリ、国際化学オリンピックなど各種コンテストにおいて顕著な成績を挙げたことを証明する書類」「きわめて高い語学力(英語力としてTOEFLiBT100点以上、IELTS7点以上相当)および豊富な国際経験を示す書類」のうちいずれか一つ

【推薦要件(一例)】
<理学部>
「自然科学に強い関心をもち、自然科学の一つもしくは複数の分野において、卓越した能力を有することを示す明らかな実績があること(実績の例:科学オリンピック(数学、物理、化学、生物学、地学、情報)高校生科学技術チャレンジ、日本学生科学賞など、国内外で開催された各種コンテストの上位入賞者、商品レベルのソフトウェア開発経験者など)」「国際活動、社会貢献活動、芸術・文化、スポーツなどでの意欲的な活動やリーダーシップを発揮した実績も評価に加味(実績の例:在任中に顕著な活動を行った生徒会会長、全国大会レベルでの入賞を果たした部やクラブで主導的な役割を果たしたものなど)」

 上記の発表後、東大生に、東大の推薦入学についてどのように考えているのかを聞いた。
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《田村麻里子》

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