ベルリッツが大阪府立箕面高校でTOEFL iBTで特設授業、府内17校で実施
大阪府立箕面高等学校は、企業での語学研修における実績をもつベルリッツを通じて、留学やアカデミックな領域で通用する英語力を身につけるための特設授業を展開。6月21日に公開授業を行い、同校内でベルリッツ講師が提供する英語の授業を紹介した。
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
2点目は、英語の授業でありながら、TOEFL対策のための実践的なヒントが随所で与えられていたことだ。TOEFLでは、英語力と対策の両方が求められる。ライティングセクションで与えられたテーマに対して、受験生に求められる能力は、明らかな主張とそれを裏付ける根拠、そしてレポートの構成能力だ。限られた時間内で、これらの能力を効果的に発揮するため、「○○次第」という形で回答することを避けるべきだと講師は助言する。
また、TOEFLには、科学や世界史に関する問題が多いと解説。英語の学習だけでなく、理科や世界史に興味をもち、勉強することがTOEFL対策につながるとヒントを与えていた。
3点目の授業の特徴は、ベルリッツの講師だけでなく、箕面高校の先生方も授業に参加していたことだ。同校の日野田直彦校長は、授業のすべてをベルリッツに依頼するのではなく、同校の教員も参加し、チームとして一緒に授業を作っていくことが大切だと話す。学校の英語科の教員が授業に参加することで、ノウハウを蓄積し、特設授業に参加できない生徒たちにも還元していくという。
授業には、英語科の先生だけでなく、国語や数学の先生も参加していた。英語の授業としてだけでなく、授業のインタラクティブ性、課題解決能力の育成に繋がるポイントを学び、英語以外の授業にもノウハウを還元していくことがねらいだという。校内の授業改善に繋げることで、特設授業に参加している45名だけではなく、生徒全体の課題解決型学力の向上を図っている。
授業の提供側であるべルリッツ・ジャパン社長の増本勝彦氏は、社会人向けに提供してきたグローバル人材教育プログラムを学校現場にも入れていきたいと話す。ビジネス経験をもつ講師を採用していることが特徴で、今回も学校側の要望に応じてグローバル企業での経験のある講師を派遣しているが、学校の先生のバッグアップがあってこそだと説明する。
授業の見学に参加した大阪府教育委員会教育長の中原徹氏は、授業のようすを見たうえで、授業の効果が出ることは確信に近いものになったと話す。目指しているのは、TOEFL iBTでの60点だが、それ以上の点数をとる生徒も出てくるだろうと期待する。また、TOEFL iBTのスコアは、あくまでも海外の生徒たちと同じ土俵に立つための切符であり、スコアが最終目標ではないことも強調した。
大阪府としての今後の授業展開については、府内17校で実施するとしたうえで、学校ごとのニーズがあることを説明。箕面高校の取組みに関する情報共有は他校とも行うが、各学校のニーズに合わせて対応を変えていくという。
箕面高校の特設授業は、TOEFL iBTを扱った英語学習であったとともに、学校全体として課題解決型学力の向上を図る取組みだった。特設授業の参加者は、通常の授業とは異なるよりインタラクティブな環境で英語を学習し、TOEFL iBTのスコアアップを目指していた。同時に、教員はベルリッツ講師とともに新たなカリキュラムを考え、ノウハウを蓄積し、ほかの生徒に還元していく。生徒だけでなく、参加した教員にとっても画期的な取組みとなっているようだ。
同取組みは、最短でも3年間は続けると日野田校長は明言。生徒たちの最終的なTOEFL iBTスコアはもちろん、3年間で校内の授業のようすがどのように変化するか、府の取組みの先進的事例として注目が集まる。
《湯浅大資》
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