【高校受験2015】大阪府立高校入試前期(文理)<国語>講評…従来の形式
平成27(2015)年度の大阪府立高等学校前期入学者選抜の学力検査が2月23日に行われた。近畿圏で多数の塾を展開する第一ゼミナールの協力を得て、実施された学力検査より文理学科の講評を速報する。
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◆前期選抜/文理学科<国語>講評(第一ゼミナール提供)
問題構成は過年度同様で、試験時間40分の中で、説明的文章と1題、文学的文章1題、古文1題と大問形式での漢字の書き取りの4題が出題されました。設問は文章中の表現を用いる記述問題、記号選択問題や抜き出し問題で、従来の大阪府公立高校(前期選抜/文理学科)の形式に則ったものでしたので、充分に対策を講じた受験生には解きやすく感じたのではないでしょうか。
【1】現代文 文学的文章(随筆)
尾崎左永子『現代短歌入門』
歌人である筆者が、自分が表現したいと思う内容に合う、簡単には直せないことばを時間をかけてみつけるといった、ことばの表現への執着をもつことが大切であることについて述べた文章です。設問は、漢字の読み取り、語句の意味、脱文挿入、55字程度の記述、文章内容理解の記号選択問題の5題です。記述問題は文章中の表現を用いて解答できますが、比喩表現が含まれます。この部分の説明がさらに必要となります。
【2】漢字書き取り
書き取りのみの大問です。過年度通り平易なものでしたが、日常的に「トメ・ハネ・ハライ」に注意して、練習していくことが必要です。
【3】古文
筆者が同門の歌人たちと秋の山里に外出したときの様子を記した文章です。設問は、古文単語、内容理解2題、15字程度の記述の4題です。記述問題は和歌を中心に出題されています。日常的に和歌の解釈に対する問題に取り組むことが必要でしょう。
【4】現代文 説明的文章(説明文・論説文)
戸川達男『動物の生き方 人間の生き方―人間科学へのアプローチー』
新人(現在の人類の直接の祖先)の言語獲得に関する筆者の考えについて書かれた文章です。設問は、熟語の対義語、55字程度の記述、記号選択問題、抜き出し、35字程度の記述の5題です。記述問題はいずれも、文章中のことばを用いて解答できますが、その内容について並立関係を意識しながらまとめる必要があります。
【5】小論文 課題文岩槻邦男『桜がなくなる日』
課題文は、利己的に自分を生かすということは、他の生き物や自分たちを取り巻いている環境を無視して今という瞬間の自分を潤すだけのことではないことを、人の知はいやというほど認識していることについて書かれたものです。
『「環境の問題」の具体的な例をあげながら、「環境の問題」と自分自身とのかかわりについて書きなさい』という設問に対して、課題文の内容を踏まえながら自分の考えを表現します。段落構成をしっかり組み立て、客観的な例を用いながら600字程度の字数で論を進め、筋道を立てて結論まで文章を展開していく必要があります。
小論文の出題については、過年度までとは大きく傾向が変化しました。示された課題文の内容を踏まえて、自分の考えを600字程度で表す力を問われている点はこれまで通りですが、今年度は初めて「環境の問題」について問われ、その具体例も書くように指定されました。これまでの「学問」に取り組むときの姿勢を論理的に表現する問いかけがなくなったことを考えれば、過去出題の傾向を掴んで対策をしてきた受験生には、やや戸惑いがあったかもしれません。
第一ゼミナールは、近畿圏を中心に小学生から高校生を対象に集団・個別指導塾を展開している。独自の教育メソッドである意欲喚起教育EMS(the Educational Method of Self-motivation)を展開し、生徒の学習意欲を高め、成績向上に結びつける教育を推進するとしている。
《編集部》
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