慶應医学部、アトピー性皮膚炎の原因を解明

 慶應義塾大学医学部皮膚科学教室とアメリカ国立衛生研究所の永尾圭介博士との研究グループは、アトピー性皮膚炎が皮膚にいる細菌のバランスが崩れることで引き起こされると、マウスを用いて解明した。

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マウスを用いた実験
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 慶應義塾大学医学部皮膚科学教室とアメリカ国立衛生研究所の永尾圭介博士との研究グループは、アトピー性皮膚炎が皮膚にいる細菌のバランスが崩れることで引き起こされると、マウスを用いて解明した。研究成果は4月21日に米国科学雑誌「Immunity」電子版で発表された。

 アトピー性皮膚炎は、気管支喘息や食物アレルギーに発展する可能性があることから、一般的にはアレルギー性の疾患であると考えられている。しかし、実際には生体が何に反応して皮膚炎を起こしているのかは不明で、原因となるアレルゲンは特定されていない。

 研究では、アトピー性皮膚炎マウスの皮膚炎は、黄色ブドウ球菌が大量に発生し、皮膚表面の菌種の多様性が失われることによって起きることがわかった。研究結果をもとに、細菌巣を正常化することができる新しい治療法が開発されれば、現在ステロイド剤で炎症抑制に頼っているアトピー性皮膚炎の治療を大きく変えることができるかもしれないという。

《工藤めぐみ》

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