兵庫県立大学、歩行中の不審物チェック可能なレーダー技術
「イノベーション・ジャパン2015」に出展された兵庫県立大学工学研究科の准教授・阪本卓也氏による「歩行者の隠匿物を遠隔検出する超広帯域レーダー技術」(共同研究者:京都大学情報学研究科通信システム専攻 教授・佐藤亨氏)を紹介する。
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
同イベントに出展していた兵庫県立大学工学研究科の准教授・阪本卓也氏による「歩行者の隠匿物を遠隔検出する超広帯域レーダー技術」(共同研究者:京都大学情報学研究科通信システム専攻 教授・佐藤亨氏)が、従来の異物検知装置が抱えていた課題を克服する特徴を持っていたので紹介していきたい。
そもそも同技術は、レーダーを使い、衣服を透過させ、イメージングすることができるというもの。空港などで、銃器や刃物、爆発物を服の下に隠し持っていないかを、服を来たままの状態で確認したい際に使われる。同様の技術はX線を使ったものもあるが、レーダーを使うことで被爆の心配がないことが特徴となる。
レーダー技術を使った異物検知装置(レーダーボディスキャナー)は、既に市場に投入されているが、運用時は検査対象となる人がボックス型の検査装置に入り、数秒間立ち止まる必要があった。そのため、大人数が集まるような施設では、検査のための待ち時間が発生したり、ボックスの設置場所を確保する必要があったりと、いくつかの課題も顕在化していた。
「歩行者の隠匿物を遠隔検出する超広帯域レーダー技術」では、オートフォーカシング技術を採用することで、検査対象となる人を停止させることなく異物を検出できるので、検査時間の短縮を実現。設置に関しても、既存の改札口や入場ゲートにレーダー関連の装置を追加するだけで運用可能なので、設置時の制約も軽減する。
活用例としては、従来のシステムでは待ち時間が発生してしまったり、設置場所の確保の関係で導入が難しかった鉄道や地下鉄の改札口、大規模イベント会場の入場ゲートなどへの導入が想定される。
例えば、放火事件を受けてセキュリティ強化が喫緊の課題となっている新幹線でも、改札口に設置することでウォークスルーでの運用ができるため、スマートさとセキュリティの両立が可能だ。
また、2020年の東京オリンピックなど、スムーズなイベント運営と同時に高い防犯体制が望まれることから、各競技場の入場ゲートなどに設置すればそうしたニーズにも応えることができる。
ウォークスルーによる不審物チェックが可能になる超広帯域レーダー技術……兵庫県立大学
《防犯システム取材班@RBB TODAY》
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