平成37年までに教職員定数約3万7,000人減、財務省提示
財務省は10月26日に開催した財政制度分科会において、平成36年度までに教職員定数を約3万7,000人減らす案を提示。国の厳しい財政事情を踏まえ、教職員定数についても議論を重ねる必要があるとした。
教育・受験
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
教職員定数は、学校数や学級数に応じて配置する法定の「基礎定数」と、教育上の特別の配慮などで配置する「加配定数」とで成り立ち、現在の基礎定数は10クラスあたり16.3人、加配定数は1.6人。分科会では、少子化の進展により、平成36年度までに子どもの数が94万人減、クラス数が2.1万クラス減少する見込みとして、教職員定数を約3万7,000人減らす案をあげた。この案では基礎定数割合は一定の16.3人、加配定数割合も維持の1.6人となっている。
ただし、文部科学省の教職員定数改善計画では、教育の質の向上などの観点から基礎・加配定数の割合を合計で10クラスに1人増加させるとしている。この計画では、平成36年度に基礎定数割合16.8人で約1万6,000人減、加配定数割合2.0人で約1万人増となる。
分科会では、教職員数の増加により、「いじめや不登校は解決できるのか」「学力は向上するのか」「教員の多忙は解消されるのか」という3つの疑問点について、統計などを用いて検討。さまざまな問題を「教職員の数」「教員研修」で解決しようとするのは、財政的負担も重く、効率的・効果的ではないのでは、という考えを示した。
教職員定数については、毎年「現在の教育環境を維持した場合の10年間の基礎・加配定数」を、「少子化を反映した教職員のベースライン」とする考えを提示。このベースラインに従ったとしても、平成36年度の児童・生徒100人あたりの教職員数は7.5人(平成27年度は7.2人)にとどまるとしている。また、毎年の予算編成において、ベースライン定数以上に教職員定数が必要な場合は、いじめ・不登校問題への対応、学力向上やアクティブラーニングなどの効果について、確かなエビデンスにもとづく要求を行うよう求めた。
財政制度分科会では、文教・科学技術のほか、社会資本整備、防衛についても審議を行っている。分科会での配付資料は、財務省Webサイトから閲覧できる。
《黄金崎綾乃》
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