予防接種、保護者に情報不足感…小児科医が接種に関し意見

 子どもの予防接種について、半数以上の保護者が医師からもっと詳しい情報を聞きたいと考えており、情報不足感を持っていることが、QLifeの調査で明らかになった。また、情報収集や接種可否の決定においては、医師の意見や勧めが大きく影響しているようだ。

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予防接種に関する情報を、どの程度知りたいか(定期接種・任意接種)
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 子どもの予防接種について、半数以上の保護者が医師からもっと詳しい情報を聞きたいと考えており、情報不足感を持っていることが、QLifeの調査で明らかになった。また、情報収集や接種可否の決定においては、医師の意見や勧めが大きく影響しているようだ。

 「予防接種に関する保護者の意識調査」は、調査対象施設で予防接種を受けている未就学児の保護者を対象に、2015年6月12日から7月31日の期間に実施。小児科など88施設で、各施設に来院した保護者にアンケートチラシを配布し、インターネットから回答を得た。有効回答数は2,810人。

 予防接種に関する情報について、定期接種では99.4%の保護者が「すべて知りたい」と回答。任意接種についても、99.8%の保護者が「すべて知りたい」もしくは「医師が必要と思うものは知りたい」と回答した。

 予防接種の情報源でもっとも多かったのは、「かかりつけ医療機関の医師」で69.9%、ついで「母子健康手帳」57.0%、「市区町村の広報・掲示・通知」47.9%、「かかりつけ医療機関の看護師」34.6%の順だった。接種可否の決め手となる情報源でも、「医師」がもっとも多く59.3%、ついで「友人・家族」12.2%、「市区町村の広報・掲示・通知」10.1%の順だった。

 予防接種に関して情報が不足していると感じている保護者も多く、「もっと詳しく聞きたいことがある」と回答した保護者は57.2%だった。聞きたいと思う内容では、「対象の病気」がもっとも多く42.8%、ついで「ワクチン」が29.9%、「接種スケジュール」が20.1%となった。

 医療機関を受診する前に重視するポイントは、「医師の診察・治療が信頼できること」がもっとも多く、98.0%の保護者が「とても重視する」もしくは「重視する」と回答した。以下、「医師の対応や相談のしやすさ」が96.9%、「看護師の対応や相談のしやすさ」が91.0%、「受付スタッフの対応や相談のしやすさ」が80.2%の順だった。

 調査を監修したはしもと小児科(東京都八王子市)の橋本政樹先生は、「予防接種についてはどんな些細な情報でも、保護者に伝えるようにしており、診察のほかに、待合室やホームページなど、あらゆる場所やデバイスで予防接種に関する情報提供を行っている」という。「任意であっても定期接種と同じく、医師の口からしっかりと情報提供を行う。それが保護者の皆さんの安心感につながり、任意接種の接種率の向上につながる」と述べている。

 また、はしもと小児科看護師の伊藤氏は「情報のどの部分に不安を感じるかは人それぞれ」と語り、「説明の際に保護者の皆さんの微妙な不安を感じ取り、診察後にフォローアップをするように心がけている」という。

《外岡紘代》

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