「りんご病」過去10年で最多、流行サイクルは4-6年

 国立感染症研究所は1月26日、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん、ヒトパルボウイルスB19感染症。通称『りんご病』『りんごほっぺ病』)の年間患者報告数が過去10年で最多となったことを発表した。

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2015年は第50週現在の報告者数(参考:国立感染症拳銃所)
2015年は第50週現在の報告者数(参考:国立感染症拳銃所) 全 1 枚 拡大写真
 国立感染症研究所は1月26日、伝染性紅斑(でんせんせいこうはん、ヒトパルボウイルスB19感染症。通称『りんご病』『りんごほっぺ病』)の年間患者報告数が過去10年で最多となったことを発表した。流行の大きな年は、2001年、2007年、2011年、2015年で、4~6年の流行周期を持つ。

 伝染性紅斑(erythema infectiosum)は、おもに幼児学童期の小児にみられる流行性の発疹性疾患。原因病原体は「ヒトパルボウイルスB19(human parvovirus B19、PVB19)で、パルボウイルス科パルボウイルス亜科エリスロウイルス属に属する1本鎖DNAウイルスを指す。国立感染症研究所によれば、現状で知られる限り、PVB19はヒトのみに感染する。

 「りんご病」や「りんごほっぺ病」と呼ばれることで知られる伝染性紅斑の年間患者報告数は、それぞれ各年で2010年50,061例、2011年87,010例、2012年20,966例、2013年10,118例、2014年32,352例。すでに2015年は第50週現在(2015年12月16日現在)で92,625例が報告されており、この患者報告数は過去10年で最多となった。年別都道府県累積報告数・累積定点あたり報告数のうち、2015年の累計がもっとも多いのは東京都9,909例。そのほか、埼玉県8,368例、神奈川県6,342例、大阪府5,101例、福岡県5,079例も報告数が多い。

 潜伏期は4~15日。感染すると、両頬に蝶形紅斑が現われることが特徴。国立感染症研究所は「小児に好発する一般的に予後良好な疾患」であるが、対策は容易ではなく、「溶血性貧血あるいは免疫不全を基礎疾患に持つ」場合は「感染すると重篤になる」と指摘している。特に、妊婦では「胎児への重篤な感染が起こり得る」とし、院内感染対策や家庭内感染対策を呼びかけている。

 感染症に関するよくある質問や症状、対策方法は厚生労働省が同Webサイト内「わかりやすい感染症Q&A」で情報をまとめ掲載しているが、同Webサイトは1月25日21時32分頃から繋がりづらい閲覧障害が起こっている。1月26日23時45分現在も、該当するWebサイトの閲覧は不可能。かかりつけ医や国立感染症研究所の情報など、正式な情報を参考に対策を心掛けたい。

《佐藤亜希》

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