被害現場は裏サイトからSNSへ…スマホが変えた情報モラル
3月12日に開催された日本スマートフォンセキュリティ協会主催の「スマートフォンセキュリティ シンポジウム」で、千葉大学藤川大祐教授は基調講演「子どもたちのスマートフォン利用状況と課題」を行った。
デジタル生活
その他
advertisement

対策としては、スマートフォン向けに統合的にフィルタリングの設定ができる仕組みやサービスの整備が必要だが、これには通信キャリアや端末メーカーが、設計段階から子どもを守る機能を組み込む「青少年保護・バイ・デザイン」の考え方が重要だという。
また、ネットいじめはSNSの友達グループの中で発生するため、フィルタリング機能、運営側のID管理やプライバシー設定では、本質的な対策はできない部分である。青少年保護・バイ・デザインという考え方に加えて、情報モラル教育との2本立ての対策ができなければならない。藤川教授は、放送局、ゲーム運営会社、インターネット関連企業らと産学連携の形で啓発コンテンツや教材を開発している。
テキストベースのガイドラインや教材も有効だが、ネットリテラシーについては子どもの中でも個人差が大きいので、映像・動画コンテンツによるものがより効果的だという。ドラマ仕立て、RPG風なゲーム形式などを監修し、指導案つきのコンテンツも制作・提供しているそうだ。ドラマやゲームとするのは、決め事やルールを一方的に教えるのではなく、生徒・児童に考えさせるための工夫でもある。さらに、情報モラルだけでなく一般的な社会常識やマナーといった要素も組み込みやすいともいう。
歩きスマホや食事中のスマホなど、文字で「危険」「マナー違反」とするより、映像で危険な場面、態度の悪い人などを見せる方が伝わるということだ。そして、藤川教授はこれらの教材を見せたあと、子どもたちに議論させ提起させた問題について、問題解決型のルールを作らせる方法が効果的だとして基調講演を締めくくった。
advertisement
【注目の記事】
関連リンク
この記事の写真
/
advertisement