【EDIX2016】ICTで何をする? 学校SNS活用のヒント
教育現場にICTを持ち込む意義とは何だろうか。「第7回 教育ITソリューションEXPO(EDIX:エディックス)」で展示されているサービスを題材に、教育ICTを利用した学校業務の工夫・改善や効率化のポイントを探った。
教育ICT
先生
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
「学校業務支援」ゾーンで学校向け教育プラットフォーム「StudyLinkZ(スタディリンクス)」を展示しているのはZ会。展示の傍らで随時公開されているミニセミナーに米国Edmodo社CEOのVibhu Mittal氏と、工学院大学附属中学校・高等学校の中学校教頭である高橋一也氏が登壇。世界190か国、6,500万人が利用する教育プラットフォーム「Edmodo(エドモド)」のような教育現場用SNSを利用するメリットと、国内外の利用例について対談を行った。
◆入り口は「無料」でいい
高橋氏によると、教務支援ツールを利用する際のポイントは「難しく考えない」こと。Edmodoは2008年に米国で誕生した教員・生徒・保護者を繋ぐ教育版SNSで、日本語に対応するようになったのはZ会が2015年に日本での事業パートナーになってから。高橋氏はそれ以前から中学英語の授業でEdmodoを利用していたそうだが、利用し始めたきっかけは単純に「無料のサービスだったから」。担任クラスを離れている間でも、今ではEdmodoを通じて課題を出したり、学級日誌のやり取りを行ったりと、教室を離れている間でも相互にコミュニケーションを取り合える環境を構築しているという。
◆指導スキル向上のヒントが得られることも
Edmodo社CEOのMittal氏によると、Edmodoを活用する利点は「時間や場所を飛び越え、世界中の先生と授業方法や知見を共有できること」。ひとりでは煮詰まりがちな教育法や困りごとも、SNS上に存在する先輩教師たちに聞けば有益なヒントを得られることがある。多言語に対応したEdmodoでは、常に国や年齢、背景も異なる教師たちが活発に意見を交し合っているという。
◆ICTで時間をセーブ、プラスアルファを考える時間を創出
教育ICT環境を整えるだけで教育が劇的に変わるということはない。しかし、ツールをうまく活用し、業務を効率化して雑務にかけていた時間を短縮すれば、授業で改善すべき点を洗い出し対策を考える時間や子どもたちと向き合う時間が増える。
EDIX2016では、Edmodoに限らずクラスティングの学校SNS「Classting」やアミュレットの情報共有ツール「e-pa(イーパ)」、リクルートの連絡帳アプリ「うさぎノート」など、メールやSNSを利用する感覚で利用できそうな親しみやすいサービスも数々展示されている。大型の教育ICT機器やアプリ、システムの導入が困難な場合はなおさら、操作や導入がシンプルで費用もかからないサービスを利用してみるとよいだろう。
《佐藤亜希》
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