夏休みに挑戦、子ども向け無料ビジュアルプログラミングサイト6選

 いよいよ夏休み直前。全国で高まりつつある子どもへのプログラミング教育を体験したい親子に向け、基本利用は無料で、日本語に対応していることを条件に、ビジュアルプログラミングを中心に便利なWebサイトを紹介する。

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 いよいよ夏休み直前。全国で高まりつつある子どもへのプログラミング教育のニュースを目にし、今年の夏は子どもをプログラミング教室に通わせてみよう、とする保護者も多いのではないだろうか。

 しかし、プログラミング教室やプログラミングサマーキャンプの開催地や定員数は限られており、なかなか機会に恵まれない家庭もあるだろう。そんなときはまず、子どもでも楽しめるプログラミングを学べる無料サイトを利用してみてはいかがだろうか。

 基本利用は無料で、日本語に対応していることを条件に、ビジュアルプログラミングを中心に、子どもだけでなく親もチャレンジできる便利なWebサイトを紹介する。

◆Scratch(スクラッチ)

 8歳から16歳の初心者を対象に、MITメディアラボが開発した教育用プログラミング言語の1つ「Scratch(スクラッチ)」。誰でも簡単な操作でプログラミングを体感できるビジュアルプログラミング言語だ。スマートフォンやタブレットからの操作に対応していないため、スクラッチのWebサイトで作品の作成を行う場合は、パソコンからのアクセスが必要。

 スクラッチでプログラミングを行うには、Webサイト上から「作る」を選択するだけ。操作もシンプルで、プログラミングに必要なのはマウス操作と少しのキーボード操作だけ。初心者に向けた解説も随時表示されているため、子どもひとりでも作品を作り上げることができる。なお、作った作品は全世界に向けた公開も可能。スクラッチWebサイト上では、世界中の利用者が自らのオリジナル作品を公開している。

◆プログラミン

 プログラムを通じ、創造することの楽しさや方法論を提供することを目的に文部科学省が開設したWebサイト。スクラッチを参考に設計されているため、スクラッチ上で直接うまく操作できない、思ったように作品を作れない、という場合は良い参考になるだろう。

 提供されているプログラミンのメニューは「プログラムをつくる」「おてほんであそぶ」「使い方をおぼえる」の3つ。「使い方をおぼえる」では、プログラミンの使い方から実践方法、音の鳴らし方や作品公開の手順までを動画で紹介している。プログラミングにまったく触れたことのない子どもでも取り組みやすい仕掛けだ。

◆Code Studio(コードスタジオ)

 アメリカのCode.orgがけん引するプログラミング教育活動「Hour of Code」で利用されている教材と同様のオンラインプログラミング学習教材が公開されているWebサイト。初心者を対象にした「20時間コース」と、ディズニーやスター・ウォーズ、人気ゲーム「Minecraft(マインクラフト)」などのキャラクターを操作して学ぶ「Hour of Code」の2教材を提供中。いずれもビジュアルプログラミングを基本にしており、プログラミング言語に関する知識や経験は不要。

 「20時間コース」の対象年齢は4歳から18歳まで。公開されているコースは、年齢に応じた4つのコースや、10歳から18歳向けの上級コース、13歳以上対象のアプリラボコースなど。各コースをクリックすると、コースを構成するいくつかのステージが表示され、手順に従って進めていくとプログラミングの基本を学べる親切設計となっている。デバイスを用いず、他の人と協力して行う活動や問題解決スキルを育てる、などの能力も育めるようなコース構成のため、子どもひとりではなく家族全員や友達など、複数人との学習にも効果的だ。

 「Hour of Code」は、20時間コース同様の構成ながら、比較的短時間でプログラミングの基礎概念を学ぶことができる初心者向けの教材。子どもたちに人気のキャラクターを操作するコースや10分以内にゲームが作れる「Flappy Code」コースなど、親しみやすい教材が豊富。いずれもテキストだけではなく動画によるチュートリアルも用意されているため、プログラミング未経験の子どもでも取り掛かりやすい。

◆MOONBlock(ムーンブロック)

 秋葉原リサーチセンターで開発された、子どもでも遊べる教育用のプログラミング言語「MOONBlock」を利用できるサービス。「サウンドブロック」と「確率ブロック」などの種々のブロックを組み合わせ、キャラを操作して遊ぶミニゲームを作成できる。組んだブロックはコードも確認できるため、プログラミングに慣れてきた子どもが次のステップ、たとえばJavaScriptも学ぶなど、段階を踏んだ学習にも利用可能。

 MOONBlockにアクセスしただけでは操作方法がわかりづらいが、プログラミングを用いたゲームの作り方が2例、MOONBlockのWebサイト内「MOONBlockの使い方とサンプル」に掲載されているため、思うように操作できない場合は参考にしたい。

◆Blockly Games(Google Blockly、グーグルブロックリー)

 Googleが提供するビジュアルプログラミング言語。提供されているサービスは「パズル」「迷路」「鳥」「タートル」「動画」「Pond Tutor」「池」の7つだが、日本語に完全対応しているサービスは「パズル」「迷路」「タートル」の3つ。

 たとえば、「迷路」のサービスでは、指示された内容に従ってプログラミングブロックを操作する。指示通りに操作を完了すると、行った操作に対応するJavaScriptが表示され、直感で行っていた指示を言語で表すとどうなるかを同時に理解できるようになっている。

◆Viscuit(ビスケット)

 2003年にNTTの研究で開発された「誰でもプログラミングを体験してコンピュータの本質が理解できる」をコンセプトとしたビジュアルプログラミング言語。計算機科学者・ワークショップデザイナーの原田康徳氏が考案した。Webサイトにアクセスし、各項目の「やってみる」を選択すればプログラミングに取り組める。

 ブロックを利用するビジュアルプログラミング言語と異なり、ビスケットでは線や図を自らが描き、その絵をプログラミングの「パーツ」として利用し、動きをつけた作品を創造する。線描はマウスでも可能だが、タブレットとペンタブを利用すれば「お絵かき」の感覚に近くなるため、小さな子どもでも挑戦できそうだ。

《佐藤亜希》

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