スパコン「京」が3期連続世界1位、グラフ解析で最高評価
理化学研究所などは7月13日、スーパーコンピュータ「京(けい)」が、ビッグデータ処理に関する国際的な性能ランキング「Graph500」で第1位を獲得したことを発表した。ビッグデータ解析に関する高い能力を有することを実証するものと評価している。
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
ランキングは、九州大学、東京工業大学、理化学研究所、スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通の国際共同研究グループによるもので、1位を獲得したのは2015年11月に続き3期連続で通算すると4期になる。
「Graph500」は、グラフ解析の性能を競うランキングで2010年から開始。近年、実社会の複雑な現象の分析では多くの場合、大規模なグラフ(節と枝によるデータ間の関連性を示したもの)として表現され、コンピュータによる高速な解析が必要とされている。サイバーセキュリティなどの社会的課題、脳神経科学における神経機能の解析などの科学分野などでもグラフ解析が用いられている。
今回、測定に使用されたのは「京」の88,128台のノード(計算資源の単位)内の82,944台で、16兆個の枝からなるプロブレムスケール(Graph500ベンチマークが計算する問題の規模をあらわす数値)の大規模グラフに対する幅優先探索問題を0.45秒で解くことに成功した。規則的な行列演算だけでなく、不規則な計算が大半のグラフ解析でも高い能力を持っていることを実証した。
「Graph500」の2位は中国の「神威太湖之光」、3位はアメリカの「Sequoia」、4位はアメリカの「Mira」、5位はドイツの「JUQUEEN」。また「京」は、規則的な行列演算である連立一次方程式を解く計算速度の最新ランキングでは5位につけている。
研究グループは、プログラムなどの開発・実装で今回のように性能が飛躍的に向上する可能性を示していることからさらなる性能向上を目指すという。
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