高校生の英検受験者数・合格率に変化、1級合格率は44.0%に
日本英語検定協会は7月29日、2016年度の第1回実用英語検定と前年度同回の試験結果を比較分析して速報を公表した。特に高校生での2級(高校卒業レベル)以上の級の受験者と合格率が大幅に上昇。高校生の1級合格率は、前年度より21.0ポイント増の44.0%にのぼった。
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2016年度第1回の1次試験(RLW技能)における高校生の受験状況をみると、2級の受験者数は前年度同回次比13%増の84,741人、合格率は7.0ポイント増の34.0%だった。準1級の受験者数は45%増の12,285人、合格率は3.0ポイント増の18.0%。1級の受験者数は39%増の1,160人、合格率は21.0ポイント増の44.0%にのぼった。
2次試験(S技能)については、高校生の合格率が解析中のため全体の合格率を速報値としている。2級が前年度同回次比3.5ポイント減の80.4%、準1級が0.7ポイント増の89.8%、1級が増減なし。
準1級と1級の受験者増加率が高く、最上位級の1級では4割以上が合格するなど、1次試験で評価される3技能(RLW技能)について、高校生の英語力が著しく向上した。2次試験(S技能)の合格率は昨年とほぼ同じであるため、高校生の英語の4技能がバランスよく向上したとみられる。
英検協会ではこれらの結果に至った要因として、文部科学省が平成25年度から年次進行で実施している「授業を英語で行うことを基本とする」とした高校の学習指導要領、第2期教育振興基本計画の趣旨が教育現場に広く浸透している成果の表れと推察している。全国の英語の先生が4技能をバランスよく取り入れた授業を行い、生徒は授業の中で「話す」「書く」習慣を養う取組みを通し、英語でコミュニケーションを取れる喜びや英語への興味・関心が増していることがうかがえるという。
また、それにより学習意欲が高まり英語力に自信をもった生徒たちがより高い級で受験したことで、2級以上の上位級で受験者数が増加。そして実際に、上位級での高校生の合格率が上昇していることから、生徒の英語力が向上していると英検協会は判断している。
なお、英検協会では第1回検定の試験結果を多角的に分析しており、そのほかについても随時報告するという。
《黄金崎綾乃》
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