【高校受験2017】神奈川県公立高校入試の特徴と合格への道…湘南ゼミナール
神奈川県を拠点に展開する「湘南ゼミナール」教務本部 教務部 部長 伊藤圭以氏、進路情報戦略室長 進路指導コーチ/共育コーチ 金澤浩氏に、秋から受験本番までの対策や、入試の傾向について聞いた。
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神奈川県を拠点に展開する「湘南ゼミナール」教務本部 教務部 部長 伊藤圭以氏、進路情報戦略室 室長 進路指導コーチ/共育コーチ 金澤浩氏に、秋から受験本番までの対策や、入試の傾向について聞いた。
◆入試倍率の平均は1.2倍程度、トップ校は1.4~1.5倍
--まず、神奈川県の公立高校入試の概要を教えてください。
金澤氏:神奈川県の場合、入学選考は内申点、学力検査試験(入試)、面接の3つの点数で行われます。満点は1,000点で、3つの選考項目をどう振り分けるかは学校の方針によって異なりますが、およそ半数の学校が内申点400点、入試400点、面接200点として配分しています。
一般的な入学選考は以上ですがトップ校や理系やスポーツなどに特化した高校では、特色検査という学校ごとに設定できる試験を追加で実施しています。特色検査による加点は100点から500点まで100点単位で設定できます。たとえばスポーツで優秀な生徒を集めたい学校は、実技系の特色検査の配点を高くすることも可能ですが、多くの学校は200点、つまり1,200点満点で選考を行っています。
--2017年の入試の、人気校の傾向はいかがでしょうか。
金澤氏:各学校の定員数が発表されました。主な高校では希望ヶ丘高校が1クラス増え、横浜国際高校が1クラス減、市立川崎高校は、4クラスのうち3クラスが附属中学からの進学となるため、入試枠は1クラス分になっています。これらの学校は若干狭き門になりますが、全体として人気校や倍率の傾向に大きな変化はないとみています。2016年の入試倍率の平均は1.2倍程度でしたが、トップ校と呼ばれる湘南高校、横浜翠嵐高校などは1.4から1.6倍です。こういった傾向も変わらないでしょう。
ただ、ある年に倍率が高くなった高校は、翌年落ち着くという傾向があります。2015年に倍率が上がり2016年に少し落ち着いた国際系の高校は、2017年に再び倍率が上がるかもしれません。
◆原理原則を理解し、発展・応用につなげる問題が増加
--問題傾向についても教えてください。
伊藤氏:ここ数年の傾向ですが、記述式の問題が増えています。解答の文字数も増えており、数学なら全証明を書かせたり、理科では結果の理由を問うような問題、実験結果からの考察を書かせる問題が出題されています。原理原則を理解し、発展・応用につなげるような問題です。学校の定期テストで出るような応用問題も、しっかりと理解しておくとよいでしょう。
教科書もコラム的なページで関連の知識や応用を拡げてきていますが、そのようなところも入試問題の範囲と考えておくとよいでしょう。
◆マークシート導入による出題内容への影響なし
--2017年入試にはマークシートが導入されますが、この影響や対策についてお話しください。
金澤氏:東京都で導入されたパターンと同様になるようです。問題そのものへの変更はほとんどなく、選択式で数字や記号を答える問題について、選んだ選択肢をマークシートに記入します。解答用紙全体がマークシートになっており、記述式の解答も同じ用紙に記入します。
マークシートといっても、数字や記号が問題番号順に並んでいるわけではなく、出題順に記述枠やマークする欄が混在する形です。したがって、マークする位置がずれてしまい、以降の解答がすべて間違いになるといったミスは発生しにくいと思います。湘南ゼミナールでも、模試で同様なマークシートを導入しているので、生徒さんも大きな混乱はないでしょう。注意点としては、塗り方のミス、消し忘れ、マークや消し方が十分でないことなど、一般的なものとなります。
◆私立は公立より特徴や校風がはっきり出る傾向
--私立高校の併願についてアドバイスをお願いします。
金澤氏:まず、私立を併願する場合、合格を確定させるための手続きに際して支払う必要のある前納金期限が公立高校の合格発表より前に設定されている高校がありますので注意が必要です。複数の私立高校を受験する場合は、試験日の日程にも注意が必要です。
第1志望が公立校だとしても、併願する私立校の選択をしっかり行うことを勧めます。受かりそうな高校で選びがちですが、私立は公立より特徴や校風がはっきり出る傾向があります。入学してから校風が合わない、思ったような学校ではないとならないように、合格できる高校ではなく、本人が行きたい学校を選んでください。
また2017年度の入試日程を見ると、慶應義塾高校の一次試験が2月10日に変更になり、開成高校の入試と重なります。慶應の二次試験の13日は、学芸大附属高校の試験日です。
◆中3夏休み前には始めたい特色検査の受験対策
--特色検査のある高校への志望は、いつごろまでに決めておくべきでしょうか。たとえば、受験生が今から特色検査のある高校に行きたいと思ったら、対策は可能でしょうか。
伊藤氏:特色検査には記述式と実技やプレゼンテーションで評価する方式があります。2017年の場合、記述式11校、プレゼン式2校となっています。記述式を採用している学校という前提でお話ししますが、この時期から特色検査の対策を始めるには、時間が十分にとれない懸念があります。もちろんやる気があればサポートします。
特色検査対策を意識して勉強や対策を始める目安としては、中学3年生になったタイミングです。遅くとも3年の夏休み前には決めたいですね。特色検査は学校ごとにテーマも違いますし、問題傾向も変わります。学校ごとの対策が必要で、湘南ゼミナールでも学校ごとの対策コースを設定しています。特色検査は、特定科目の問題というより、歴史、理科、数学などの知識、スキルを総括的に問うような問題です。勉強の対象となる範囲が広いので、いずれにせよ中学1年、2年のときからの積み重ねが重要です。
もし、今からと考えているならば、特色検査の過去問題や模擬試験などで、どの程度できるかを試してみて、その結果次第ということになるでしょう。
◆苦手科目対策で点数アップ、直前模試や模擬面接の活用も
--入試まで残すところわずかとなりました。保護者や生徒へのアドバイスをお願いします。
伊藤氏:ひとつは過去問題を参考にしつつ、苦手な問題の対策をしっかり立ててください。ラストスパートをかけるとしたら、一定の点数が期待できる得意分野よりも、苦手な分野をきちんと克服していったほうが点数アップにつながります。冬期講習では、スケジュールを確認して苦手科目の対策をするとよいでしょう。湘南ゼミナールでも、個別の調整に対応できるように各先生が対応しますし、そのために優先順位を決め、また何を使って苦手分野を克服していくかを明確にする処方箋のようなものを作成して苦手克服の戦略を立てるような取組みもあります。
本番で緊張しないためには、実際の入試と同じ形で進行する模擬試験を受けるのも重要です。一斉模試などもありますが、湘南ゼミナールでは、1月に入ると毎週、直前模試と呼ばれる試験を実施しています。朝、決められた時間に制服で来てもらい、実際の入試と同じ時間に同じ段取りで模試を行います。注意事項の説明や問題用紙、解答用紙の配布、回収なども本番とほぼ同じ形で進行します。冬期講習も最終日は同様な模試が実施されます。面接についても同様なシミュレーション、各学校に合わせた模擬面接を実施しています。
保護者の方は、お子さんが不安にならないよう、最後まで味方でいてあげてください。
--ありがとうございました。
◆湘南ゼミナールのイベント
冬期講習:<中3>2016年12月21日~1月7日/<中2>12月24日~1月7日/<その他>12月26日~1月6日
12月神奈川県進学模試:2016年12月4日(申込締切:11月16日)
神奈川県特色検査模試:2016年12月4日(申込締切:11月16日)
現役高校生による高校紹介「公立高校スチューデントレポート」(中2以下):2016年12月23日
◆2017年度(平成29年度)神奈川県公立高校入試スケジュール
願書受付:2017年1月30日~2月1日
志願変更:2017年2月6日~8日
学力検査:2017年2月15日
面接・特色検査:2017年2月15日~17日(各校指定の日に実施)
合格発表:2017年2月28日
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