【高校受験2017】インフルエンザ受験生に追試を…文科省が通知

 インフルエンザに罹患した生徒が受験機会を確保できるよう、文部科学省が各都道府県の教育委員会や私立学校などに通知を送っていたことがわかった。高校受験シーズン本番を前に、インフルエンザで受験できない生徒のため、別日程での追検査などを求めている。

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 インフルエンザに罹患した生徒が受験機会を確保できるよう、文部科学省が各都道府県の教育委員会や私立学校などに通知を送っていたことがわかった。高校受験シーズン本番を前に、インフルエンザで受験できない生徒のため、別日程での追検査などを求めている。

 通知は、「高等学校入学者選抜におけるインフルエンザ罹患者等への対応について」と題した平成28年10月14日付のもの。各都道府県の教育委員会、私立学校、附属高校を置く国立大学法人などに宛てて、インフルエンザ罹患者に対し、追検査の実施など受験機会の十分な確保について特段の配慮を要請している。

 文部科学省によると、公立高校入試におけるインフルエンザ罹患者等への対応状況について、平成28年5月17日から6月3日まで、66都道府県市(47都道府県と19指定都市)を対象に調査を実施したところ、別室での受験は全66のうち64都道府県市が実施していた。平成28年度入試における別室受験者数は4,693人、このうちインフルエンザ罹患者数は2,695人であった。

 インフルエンザ罹患者等への対応として、別日程で追検査を実施しているのは、秋田県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、和歌山県、徳島県、静岡市、浜松市、名古屋市、京都市の11府県市。平成28年度入試における追検査受験者数は385人、このうちインフルエンザ罹患者数は124人であった。

 一方、追検査は55都道府県市で実施されておらず、実施しない理由は「日程的な余裕がないため実施が困難」(43%)、「本検査と追検査の問題の難易度に差異が生じ、公平性の確保が難しい」(22%)などであった。

 このほか、保健室受験や別室受験ができない生徒に対し、病院内での受験を認めている自治体もあった。

 入試におけるインフルエンザ罹患者に対する対応は、私立高校でも行われている。京都府私立中学高等学校連合会では、加盟する各私立高校の対応を一覧にしてWebサイトで公表している。

《奥山直美》

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