高校生のバイク利用調査、全国規模で実施…「3ない運動」は転換点

 日本自動車工業会・二輪車特別委員会(二特)は、「高校生の二輪車利用に関する全国調査」を実施。見えなかった高校生のバイク利用実態の一端が、この調査で初めて明らかになった。

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「高校生の二輪車利用に関する全国調査」(自工会)の回答例 免許取得制限なしという都道府県が15件ある
「高校生の二輪車利用に関する全国調査」(自工会)の回答例 免許取得制限なしという都道府県が15件ある 全 1 枚 拡大写真
日本自動車工業会・二輪車特別委員会(二特)は、「高校生の二輪車利用に関する全国調査」を実施。見えなかった高校生のバイク利用実態の一端が、この調査で初めて明らかになった。

高校生のバイク利用は1982年、全国高等学校PTA連合会(以下、高P連)仙台大会で3ない運動推進が決議され、「オートバイの免許を取らせない」「オートバイに乗せない」「オートバイを買わせない」という教育規制のきっかけを作った。その後約30年以上にわたって全国に広がった規制だったが、国が指導するものではないという立場の文部科学省は、実態把握をしてこなかった。

全国運動は2012年、高P連が宣言採択を取りやめることで事実上収束。16年3月には内閣府の第10次交通安全基本計画の中に、バイクや自動車の安全指導で「実技指導を含む実践的な交通安全教育の充実を図る」という文言が盛り込まれ、3ない運動による規制は、大きな転換点を迎えている。

ただ、教育現場では乗らせない規制に変わる有効な手段が見いだせないままだ。基本計画に盛り込まれた交通安全教育の充実には、指導者や指導のための時間が必要なためだ。教育現場の課題先送りの様子も調査では明らかになった。

自工会の調査は、その実態を都道府県教育委員会に対して、郵送でアンケートを取る形で実施された。質問項目は以下の6項目。

(1)高校生の原付免許取得について《指導方針・許可校数など》
(2)高校生の普通二輪免許取得について《指導方針・許可校数など》
(3)高校生の原付通学について《指導方針・許可校数など》
(4)高校生に対する原付の安全指導について《指導方針・実績など》
(5)高校生の二輪車利用に関する指導の方向性《今後の趨勢》

高校生の二輪車利用に関する特記事例という質問項目もあるが、自工会はこの結果について個別事項であるとして公表していない。

例えば、(1)の質問では、
免許を取得させてないようにしている都道府県...3件
一定の条件付きで許可を促している...3件
取得制限は特にしていない...15件
取得を認めるように促している...0件
その他の方針...26件

16年10~11月に調査は実施され、すべての教委から回答を得ている。

高校生のバイク利用調査、全国規模で実施---「3ない運動」は転換点

《中島みなみ@レスポンス》

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